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OZROSAURUS「Players' Player feat. KREVA」について書き殴る

人生で一番の衝撃が走った。
なんと00年代後半にビーフ状態(ディスり合うこと)にあり、長年距離があると言われていたOZROSAURUSとKREVAが楽曲をリリースした。

この衝撃をなんと例えたらいいのだろう。今までに経験したことのない驚きと興奮で全く寝付けず、仕事にもほとんど身が入らなかった。

ビーフの詳しい内容に関しては、下に参考動画を貼っておきます。今後真実を語るインタビューも出てくると思う。

OZROSAURUSとKREVA

僕にとってOZROSAURUSKREVAは青春を彩った特別なラッパー。

OZROSAURUSことMACCHOは西海岸寄りのビートに、誰でも一聴すれば忘れらない声でラップを吐き出す横浜をレベゼンするレジェンドラッパー。AREA AREAを代表されるように地元横浜の歌詞が多く、日本において地元をレペゼンするというスタイルを定着させたと言っても過言ではない。

特に2006年にリリースされた3rdアルバムRhyme&Bluesは、当時のBlastというHipHop雑誌のアワードでも一位を取っていて評価も高い作品。このアルバムにビーフの発端となるDisrispect 4 Uも収録されています。僕の生涯でもベスト10には入るぐらい素晴らしい作品。

KREVAはKICK THE CAN CREWの活動を経て、2004年からソロ活動を開始。圧倒的なラップスキルを有し、自身でビートメイクもDJもできるオールラウンド型のレジェンドラッパー。
B-BOY PARK MCバトル3連覇、ソロラッパーとして初のアルバムオリコン1位、武道館公演成功、全国ホールツアー、さいたまスーパーアリーナを始めとするアリーナ級のワンマン成功など数々の偉業を成し遂げています。

僕にとってKREVAは全てのルーツ。
ヒップホップに出会ったのもKICK THE CAN CREWで、音楽の感性はもちろん、自身の価値観にまで大きく影響を受けています。ファンクラブにも発足時から入っていて、ライブも30回以上は見ていて自他共に認める筋金入りのKREVAファンです。

当時の日本語ラップシーン

冒頭に述べたように、この二人は長年距離があったと言われています。

00年代冒頭の日本語ラップブームが過ぎ、中盤から後半にかけて冬の時代。この時代はシーンが小さく、今と比較してプレイヤーもヘッズも今の10分の1…いや100分の1ぐらいしかおらず、人もお金も循環してなかった時期。シーンの価値観が固定化し、今思うと発展途上だったと思います。

成熟してないが故に、オーバーグラウンドとアンダーグラウンドの距離があったと記憶しています。
公開処刑の価値観をそのまま引き継ぐように、ヒップホップはストリートしか認めない、みたいな考えが主流。オーバーグラウンドで活躍していたKREVAは、嫉妬や妬みもあったのか、プレイヤーにもヘッズにも標的にされやすかったように思います。

KREVAはそんな状況に目もくれず、音色やイッサイガッサイ、スタートなどがヒット。2006年リリースの2ndアルバム愛・自分博でオリコン一位、武道館公演成功などソロラッパーとして大成功を収めていきます。

愛・自分博から2009年リリースの4thアルバムの心臓あたりにかけては、外向きのメッセージが多く、夏の歌やラブソングなど、J-POPフィールドへのアプローチを試みていました。このアプローチは長年ヒップホップを聴いているヘッズからはセルアウト※と批判されていました。

※曲が売れるようにマス向けの曲を作ること。ヒップホップが人気の音楽になった現在はほぼ死語。

同じヒップホップカルチャーでもアプローチが違うだけ。今思えばそれだけなのに認め合えず距離があった両者とシーン。
ただ僕はずっとオーバーグラウンドもアンダーグラウンドも関係なく、ヒップホップが好きだったし、KREVAもOZROSAURUSもカッコいいと思って、どちらの作品も買って聴いていました。
いつか一緒に曲をやってくれないかなと思うこともありましたが、ディスに関してはKREVAが拒否反応を見せていたので、一生ないのかなと思っていました。

そこから15年近く経ち、プレイヤーもヘッズも増えて、ヒップホップシーンも信じられないぐらい大きくなりました。ラップをすれば誰でも一攫千金を得るチャンスがあるという夢のあるシーンになったと思います。

そんなシーンでまだKREVAもMACCHOも現役バリバリで、お互いのライバル心やリスペクトを感じるバチバチの楽曲のリリース。これで上がらない訳がない。
MACCHOは地元をレペゼンしてコアなヒップホップ好きから支持を得て、KREVAはJ-POPシーンでヒップホップをあまり知らない層から支持を得て、それぞれ全く違うフィールドで戦っていた二人が交わるストーリー性に完全にやられました。

ZORNの存在

最後にZORNには感謝しかない。この二人を引き合わせ、仕組んでいるのは間違いなくZORN。
元々曲をやりたいと思っていたのか、オジロの横アリを埋めるために独自のファン層を持つKREVAとのコラボが必要だったのかは分かりません。
ただこの盛り上がりをきっかけに多くの人が横アリに行きそう。これが自身の東京ドーム公演も見据えてやっているとしたら末恐ろしい。

この一件でずっとヒップホップを聴いていて良かったなと心から思いました。
インターネットが発達していない中で情報を集めたり、カラオケでRADWIMPSやGReeeeNだらけで疎外感を味わったり、全くヒップホップ知らない奴にチェケラッチョと揶揄されながらも、ヒップホップが最高にカッコよく自分に合ったカルチャーだと思って聴き続けて本当に良かった。

ありがとうヒップホップ。

Artist : OZROSAURUS(オジロザウルス)
Title : Players’ Player feat. KREVA(プレイヤーズ・プレイヤー)
Release Date : 2023年7月5日(水)
Label : All My Homies
Format : Digital(DL/Streaming)
URLs : https://ozrosaurus.lnk.to/playersplayer


参考動画

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