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グロービスMBAクリティカル・シンキング要点まとめ

目次

1.クリティカル・シンキングとは?
2.クリティカル・シンキングとロジカルシンキングの違い
3.クリティカル・シンキングの重要性
4.クリティカル・シンキング3つの基本姿勢

1.クリティカル・シンキングとは?

クリティカル(Critical)とは直訳すると「懐疑的な」「批判的な」という意味の単語であり、ビジネスにおけるクリティカル・シンキングの意味は「健全な批判精神を持った客観的な思考」という意味合いで使われることが多いです。言葉の意味からもわかるようにクリティカル・シンキングとは「事実や結論にたどり着くまでに、仮定を設定し、検証していく」考え方のことを言います。過程の中で「本当にそうなのか?」を繰り返すため「懐疑的」「批判的」な意味を持つクリティカル・シンキングと呼ばれています。

2.クリティカル・シンキングとロジカル・シンキングの違い

有名な思考の一種としてロジカル・シンキングがあります。ロジカル・シンキングはよく耳にするけれどもクリティカル・シンキングは初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。これら2つの考え方はどちらの方がよい、どちらの方が正しいというものではありません。どちらの思考法も併用して扱うことができるようになればシーンにあった思考法を実践していくことができるでしょう。まず、ロジカル・シンキングとは「なぜその問題が起きているのか」を探っていく思考法です。なにか明らかな問題や課題に対して解決する方法を原因ベースで深ぼり、考えていくものです。課題を深掘って考えていく特性上ロジカル・シンキングは何らかのこれだ!という解決策が1つ、示される可能性が高いものです。一方、いくつもの仮定を検証していくクリティカル・シンキングは検証した仮設のうち2つが原因だったというケースがあるため複数の解が出る可能性のある思考法です。

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(引用:https://life-and-mind.com/critical-thinking-10185)

3.クリティカル・シンキングの重要性

現代において、人材の流動化はますます激しくなってきています。国内だけでなく国外の企業とビジネスを行うことも当たり前の中では、言葉によって伝え、相互理解を成り立たせる必要があります。さらに、最終的には相手の論理を理解したり説得できるようになる必要があるため、クリティカル・シンキングが大きな意味を持つようになってきたのです。

背景として、つい最近まで、日本の企業といえば新卒の生え抜きが当たり前であり学校の教育でも新卒で入った会社で出世を続けることが人としての成功とされていました。新卒で入った同期は誰も辞めない、上司は入社してから10年間同じということが当たり前としてあった時代です。すなわち、人材の流動性が低くビジネスを行う相手も比較的限定されていることが多かったのです。したがって、立場や発想が違う人と終始コミュニケーションを取るという能力はそれほど必要とされておらず、なんなら「あうんの呼吸」なんてもので成り立っているビジネスも少なくありませんでした。

これからのビジネス世代にとってクリティカル・シンキングは協力な武器となり「上司に気に入られているだけで出世するやつ」はいなくなるわけです。ただ、裏を返すと以前の日本企業のスタンスでクリティカルシンキングの習得を放棄しているままのビジネスパーソンはあっという間に淘汰されてしますのです。誰にでも同じ水準で説明できる客観的な思考を持った人材が現代に必要とされており、この実現がクリティカル・シンキングなのです。

4.クリティカル・シンキング3つの基本姿勢

クリティカル。シンキングを身につけるにあたって土台となる3つの心構えがあります。

①目的は何かを常に意識する
②自他に思考のクセがあることがを前提に考える
③問い続ける

コメント 2020-05-20 221100

(引用:グロービスMBAクリティカル・シンキング)

①目的は何かを常に意識する
何かを考える際に、「何のために考えるのか」を明確にすることが1つ目の基本姿勢です。正しく考えるためには「そもそも、いま、このことについて考える意味はあるのか」「本当の目的は違うところにあるのではないのか」と考える習慣をつけることが重要です。例えば、会社全体の士気をあげるために本社から売上が1位の支店には特別ボーナスを与えるという通達が出たとします。目的はあくまで会社の士気をあげて営業にやる気を出させることだったのですがあの支店には負けられないという支店長のプレッシャーで社員は疲弊、支店間でも悪口が蔓延し仲も悪くなってしまいました。このような状況ではそもそもの目的である「会社の士気をあげること」が実現されているようには思えません。途中で横道にそれてしまうことは思考においてよくあるため目的を見据え続けることはとても重要です。

②自他に思考のクセがあることを前提に考える
どんなに公平に考え、データを元にして考えたと思っていても人は必ず暗黙の前提を置いているものです。個人的価値観や過去の教訓から誰しもが無意識に置いているものであるため、仕方のないことだと言えます。ただ、この前提を認識していないといつまで経っても議論が噛み合わなかったり狭い範囲内で解を求めようとしてしまいがちです。常に「自分の好き嫌いや偏った判断基準となる価値観はないだろうか?」と自問すること、それでも噛み合わないときは「相手にクセがある」可能性まで考えて認識のすり合わせをする姿勢を持つことで議論がスムーズに進みます。

③問い続ける
答えが出た、と思ってもそこから思考を止めず考えることが3つ目の基本姿勢です。この際に問う言葉は「So What?」「Why?」「True?」の3つです。「その意味は?」「なぜ?」「本当に?」を繰り返すことでいままで見えなかった問題や誰も気づかなかったチャンスを見つけることができるようになってきます。トヨタ式として有名な「5回のなぜ」もこれに通じてきます。

この3つの姿勢を意識するだけでクリティカル・シンキングがより身近になり、ビジネスだけでなく、友人関係や家庭環境の問題解決にも活きてくるのではないでしょうか。ぜひ様々なシーンでクリティカル・シンキングを活用し深く考えることのクセをつけていきましょう。

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