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アフガニスタンから西欧へ単身逃れた少年のその後 映画「マインド・ゲーム」(2022年)@難民映画祭

「難民をテーマとした映画を通じて、日本社会で共感と支援の輪を広げていくことを目的とした映画祭」、国連UNHCR協会の難民映画祭が、今年も開催されています。

コロナ禍の頃から、オンライン配信もされるようになり、何週間かの間に数本の映画をオンデマンドで鑑賞できるので、たいへんありがたいです。

今年は6本の長編映画が公開されます。オンライン配信は、11/6-30。そのうちの1本「シャドー・ゲーム」は、2021年に配信されたのを観ているので、5本を3週間と少しの間に見るべく、今年も全作見放題コースを申し込みました。


さて、今年の1本目は、上記「シャドー・ゲーム」の続編、「マインド・ゲーム」にしました。

2021年難民映画祭の上映作品「シャドー・ゲーム 〜生死をかけた挑戦~」の続編。タリバンに父親を殺されたサジド・カーン・ナシリ(通称SK)は15歳のとき、単身アフガニスタンを脱出。苦難に満ちた2年間の旅を、スマホのカメラで記録した。一人旅の未成年者が西ヨーロッパで保護を求める命がけの旅を、彼らは「ゲーム」と呼ぶ。撮影した映像や、映像作家へのメッセージで、彼は自分の歩みを記録する。SKは、ヨーロッパに行けば、学校に通い、新生活を始められると信じていたが、庇護を求めてベルギーに到着してからも、数か月間にわたる「マインド・ゲーム」に耐える日々が始まる。

第18回難民映画祭 | 国連UNHCR協会 | 国連UNHCR協会 (japanforunhcr.org)

前作は、何人かの若者たちの逃避行を追ったものでしたが、今作は、サジド君に焦点を当てています。

ヨーロッパに入ってからも、各国で酷い目に遭い続け、長い長い時間をかけて、とうとうベルギーに庇護申請したサジド君ですが、公的な書類の不備のため、未成年と認定されるまでに何か月もかかり、その間、無為な時間を過ごすことに神経がまいっていきます。

警察や現地住民に暴力的に押し戻されるなど苦労続きだった旅路以上に、ただ待ち続ける不安な日々の方が疲弊していっているように見えます。

旅で知り合った得がたい親友たちとも離ればなれにならざるを得なかったりと、辛い日々が続きます。

それでもサジド君は、支援してくれる「ベルギーの父」もいて、なんとかやっていけそうなところまでたどり着けました。

すでに4か国語を話すことができ、さらにもう一つ言語を身に着けようとしている、聡明で忍耐強く、心優しい青年。彼が将来を切りひらいていく可能性を持てたことは本当に良かった。

しかし、西欧にたどり着けずに拘留されたままの人、たどり着けても難民として認定されない人もいます。

生活の基盤が確保されていて、学業や仕事をできる者は、そのことにあぐらをかかず、社会に還元していかねばとあらためて思います。

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