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記憶に焼き付くマッシュルームのスープ

本日紹介するレシピは是非皆さんにも作っていただきたいマッシュルームのスープです。

キノコの旨味と香りを引きだす調理方法で、びっくりするぐらいおいしい本格スープの作り方を紹介します。

このマッシュルームのスープは、私達夫婦の結婚披露宴でも出席者の皆さんに味わっていただいた思い出のレシピでもあります。

披露宴料理6品を僕自身がレシピ提供して、ホテルのシェフのご厚意に甘えて再現できた料理の1つです。

とてもシンプルなレシピですが、美食の街・リヨンにてシェフを務めていた際も、『キノコの魔術師』の異名も持つ三ツ星シェフ・レジス・マルコン氏に好まれ、作り方を説明しながら召し上がっていただいた思い出もあります。

フランスでは気軽に購入できるマッシュルームこと、シャンピニオン・ド・パリ。
1kgの価格は4〜5ユーロ前後で一般家庭でも一年中活躍してくれる食材です。

鮮度が良いと薄くスライスして塩とオリーブオイルだけでとても美味しい食材でもあります。

そんなマッシュルームを、僕が普段から作る調理工程で誰からも愛されるマッシュルームのスープに仕立てました。

YouTube動画内のフランス語名は、ヴルーテ・ド・シャンピニュン・パリ(Velouté de champignons de paris)と紹介しています。

フランス語の料理名ヴルーテ(velouté)とは、フランス語で『ビロードのような〜』もしくは『なめらかな』という意味で料理名の中で訳されます。本来ヴルーテとは、小麦粉とバターを練り合わせて作るルーをベースに、ブイヨンや生クリームなどでルーをのばした白いソース全体を指す料理用語です。

しかし現在は、適度な濃度のある今回紹介したようなスープに、料理名として一般的に使われています。


✅【材料と分量】

マッシュルーム 400g
玉ねぎ 150g
塩 8g
オリーブオイル 30ml
白ワイン 120ml
生クリーム 400ml

〈クルトン〉
食パン 40g
オリーブオイル 30ml

1:マッシュルームの下処理


マッシュルームには栽培工程で使われる黒い土のような肥料がくっついていることがあります。

衛生上問題はありませんが料理の中に混入するのを防ぐために水洗いして落とします。マッシュルームは水洗いすると香りと旨味が逃げてしまうと、紹介されることがよくあります。

もちろんキノコの種類によっては柔らかい布やキッチンペーパーで汚れを拭き取る方法がベストの場合もありますが、マッシュルームに関しては全くそんな事は無いです。

むしろ一つ一つ汚れを拭き取ってたら、たくさんマッシュルームを使う場合時間がいくらあっても足りませんよね。

マッシュルームは真っ白な表面に傘がすべすべして、よくしまっている状態が鮮度の良い目印です。パリっと手で割れる位、引き締まっているとフレッシュで食べてもおいしいマッシュルームなんですよね。

旨味を短時間ど引き出すためにマッシュルームは薄くスライスします。

食材の無駄を出さずに、仕上がりのスープと一緒に食べきる場合は、このように薄くスライスして調理工程を進める方法が好ましいと思います。

ただ今回はあえて僕が普段やっているスープの作り方を紹介するのでマッシュルームの下準備に包丁は使いません。

清潔な鍋やボウルの底などを使い細かく砕きます。

ジップロックなどの袋に入れて麺棒などですりつぶしてもいいと思います。

細かく砕くことでマッシュルームから旨味と香りをより引き出しやすくします。

手で一つ一つ握り潰すように砕く方法でも、もちろん構いませんが、力を使わずに楽に細くするには道具を使ったほうがいいかもしれませんね。

またマッシュルームは鮮度が良いほどクリアな味わいで真っ白なスープに仕上げることができます。

それでも少し位鮮度の落ちたマッシュルームでもとても美味しく作ることができるのでご安心ください。

細く砕けば砕くほど旨味が出やすいので思い切って潰しちゃってください

2:玉ねぎの下準備

スープに甘みを加えるための玉ねぎですが、たくさん入れすぎると仕上がりのスープが甘ったるくなってしまいます。マッシュルームに対して3分の1位の分量が好ましいと思います。

半分にカットしてから繊維に逆らい薄くスライスします。できるだけ薄くスライスすればスムーズに調理工程を進めることができます。

下準備はこれだけです。それでは次工程に取り掛かります。

3:マッシュルームと玉ねぎを炒める

鍋にオリーブオイルを加えます。

まずは玉ねぎがしんなりするまで中火でゆっくり炒めていきましょう。

塩は、はじめから入れて玉ねぎから水分を出しやすくします。玉ねぎ全体が熱くなってから、約5分ほど炒めて透き通るまで炒めます。

焦げないように注意してください。玉ねぎが透き通ってきたらマッシュルームを加えます。

中火を保った状態で食材全体に熱が伝わるようにしっかり混ぜます。

しばらく炒めているとマッシュルームから水分が出てきます。

この水分を煮詰めながら炒める工程を続けていきます。

ある程度煮詰まったら味見をしてみてください。この時点でしょっぱいと感じる位がベストな状態です

同時にマッシュルームの強い旨味も感じ取ることができると思います。

4:液体を加える

続いて白ワインを加えます。白ワインを加えたら強火にして一気に煮詰めて下さい。白ワインを加えることで味わいが引き締まりインパクトのあるスープに仕立てることができます。

白ワインを煮詰まったら、強火を保った状態で生クリームを加えます。

使用している生クリームは乳脂肪分30%ですが、手に入らない場合は乳脂肪分35%の生クリームで対応していただいても構いません。

生クリームが全体的に沸かしたところで、火加減を弱火に落とします。

軽い沸騰状態を保って10分間煮込んで下さい。

5:スープを濾す


スープは熱いうちに漉します。液体が冷めてしまうとマッシュルームが再び液体を吸い込んで漉しづらくなってしまうからです。

家庭向きのレシピになると、スープを濾さないでマッシュルームごとミキサーにかけてなめらかにする方法もありますが、僕が目指したい仕上がりは、軽やかな口当たりとマッシュルームのクリアな風味と旨味が凝縮したスープを目指しているのでしっかり漉して、見た目も真っ白なスープに仕上げます。

今回のレシピの分量ならゴムベラで漉せる位の力でマッシュルームから旨味のエキスを押し出せますが、分量が増えれかば増えるほど漉す作業はとても大変です。

レストラン規模で再現しようとするとマッシュルームを最低でも5kg使って生クリームも10L位使用するので、調理時間も長くなりますし何よりスープを濾すのは体力が必要な作業になるので一苦労です。

スープやブイヨンなどを漉すのは、ほんと若い料理人の力仕事ですよね。

残ったマッシュルームと玉ねぎは今回のレシピでは使用しませんが、細かく刻んでパスタと絡めたり、マカロニグラタンやリゾットの具材としてもおいしいので美味しく食べきってください。

濃度もバッチリで見た目も綺麗な真っ白なマッシュルームのスープができました。

すぐに食べない場合は冷やしてから冷蔵庫で保管すれば5日間は保存できます。

6:盛り付け

せっかくなのでクルトンも作ります。今回はフライパンでささっと作っちゃいます。オリーブオイルをフライパンに入れて中火にかけます。

約1cm角にカットした食パンを入れて、全体がきつね色になるまでフライパンで焼いて下さい。

均一にきれいな色がつくように絶えずフライパン動かしながら焼いて行きましょう。お好みで最後に少量バターを加えて絡めるとさらに香りが良くすることもできます。

スープを温めなおす時は長時間沸騰させないように気をつけます。

煮詰めすぎると口当たりも重くなり、マッシュルームの香りも弱まってしまいます。ご自宅にハンドミキサーがある場合は、熱い状態でミキサーを回せば、ふんわりとした口当たりにすることができるのでお勧めです。

ハンドミキサーがない場合は、ホイッパーで小刻みに強めで混ぜながら温めると、このような泡を作ることができます。

器に盛り付けて仕上げに香り付けのエクストラバージンオリーブオイルを少量。

先ほど作った食感のアクセントになるクルトンに、お好みで見た目の色合いを引き締めてくれるパセリの微塵切りをくわえたら、本格マッシュルームスープの完成です。

この味がほんと裏切らない美味しさです。

マッシュルームのいいとこだけが溢れているこれからの時期にピッタリなスープです。

とっても簡単なレシピなのでぜひご家庭で作ってみんなをびっくりさせてください。

他にも私の料理をYouTube動画で紹介しています。

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Chef ichi

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