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iOS 18でのAppleメール新機能とは?検証結果から見るマーケティングへの影響

こんにちは、Cheetah Digital - Creative Consultantの松川です。ついにiPhone16が発表されましたね!私も買い替えを検討していましたが、「AI搭載」という大きなキャッチコピーに少し戸惑いつつも、結局は購入してしまう気がしてます(笑)。さて、今回はiOS 18のアップデートがメールマーケティングにどのような影響を与えるのか、現時点で分かっている内容と弊社の検証結果をお伝えしたいと思います。

iOS 18に関するApple社の発表内容

iOS 18に関する公式ページはこちらをご確認ください。
AI機能であるApple Intelligenceは年内に米国英語のベータ版から公開予定となっています。日本への公開は少し時間がかかりそうです。

Apple Intelligenceは、iPhone 16の全モデル、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、M1以降を搭載したiPadとMacで、iOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoiaのアップデートの一部として年内にベータ版で利用できるようになります。Siriとデバイスの言語を英語(米国)に設定する必要があります。一部の機能の公開と日本語、フランス語、スペイン語などの追加言語への対応は、今後1年にわたり開始される予定です。

iOS 18 - Apple(日本)

Appleメールの進化と新機能

iOS 18のリリースに伴い、Appleメールにはいくつかの新機能が導入されました。特にマーケティングに大きな影響を与えるのが「重要」カテゴリAIによる自動要約(AI Generated Summaries)です。

Apple社のページより作成:Appleメールの新機能 4カテゴリへの自動分類

「重要」カテゴリとは?

Apple Intelligenceが、受信したメールをスキャンし、ユーザーがすぐに対応すべきメッセージを判断して「重要」カテゴリに分類する機能です。このカテゴリに入ると、メールが目立つ場所に表示され、より高い確率でユーザーの目に留まります。マーケターにとっては、オファーや期限といった重要な情報をメールの上部に配置し、優先的に表示されるよう工夫する必要があります。

AI Generated Summariesによるプリヘッダーの変化

iOS 18のアップデートにより、AppleメールはAIを活用して本文から自動的に要約を生成します。そのため、従来のプリヘッダーがそのまま表示されることが少なくなり、マーケターとしては新たな対応が必要です。

しかし、要約内容にある程度のコントロールを加えることは可能です。例えば、オファーや期限といった重要な情報をメール本文の最初に配置することで、AIがそれを要約として優先的に抽出しやすくなります。これにより、意図したメッセージをユーザーに届けやすくなります。

弊社の検証結果

Appleメールの新機能を活用するため、弊社の米国メンバーがiOS 18のベータ版でいくつかの検証を行いました。以下がその結果です。

プリヘッダーの反映について

検証の結果、Apple Intelligenceは、メールの上部に配置されたプリヘッダーや隠れたテキストを自動的に要約として使用することがわかりました。たとえば、「9月12日までに予約されたすべてのツアーが20%オフ」という具体的なオファーはそのまま要約として表示されましたが、感情的なキャッチフレーズ(「冒険の時間です!」など)は無視されがちです。したがって、オファーや期限はプリヘッダーで明確に表現することが重要です。

画像内のテキストやAltテキストの扱い

Appleメールでは、画像内のテキストやAltテキストは無視されるため、重要な情報は画像に依存せず、メール本文の最初に配置することが効果的です。

パーソナライズされた送信時間(STO)の活用

パーソナライズされた送信時間(STO:Send Time Optimizationの略、以降STO)を利用することで、ユーザーがメールを読む最適なタイミングに合わせて配信を行うことが推奨されそうです。弊社の検証では、STOを活用した場合、受信ボックスの一番上に表示される可能性が高くなり、クリック率が最大16%向上するという結果も得られました(海外実績のため、今後は日本でも検証が必要な数字ととらえています)。この機能は特に「重要」カテゴリに入るメールの効果をさらに高めることが期待できます。

今後の対応と注意点

Appleメールの進化に伴い、今後もマーケティング戦略を柔軟に対応させることが必要です。弊社では、Apple向けと非Appleユーザー向けに異なるプリヘッダーを設定する検証を継続しています。また、パーソナライズされた送信時間を活用し、より効果的なタイミングでのメール配信を目指しています。

注釈:
この検証結果は、米国にてiOS 18のベータ版で行われたものであり、正式リリース時には仕様が変更される可能性があります。今後のアップデートを注視しつつ、必要に応じて公開情報の更新をしていく予定です。

まとめ

iOS 18のアップデートにより、Appleメールの配信や表示方法が大きく変わっています。これをうまく活用することで、マーケティングメールの効果をさらに高めることが可能です。
弊社では、引き続き検証を行い、最適な配信戦略を模索していきます。今後も情報をアップデート・公開していく予定ですので、ぜひお楽しみに!


Author

松川 京子 (Kyoko Matsukawa)
Creative Consultant
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