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11月のシーズナル|秋のフルーツ柿のほか、意外なハラペーニョを使ったメニューが登場です

SHIBUYA CHEESE STANDで月替わりで販売しているシーズナルメニューは、月に2回の試作会を経て試行錯誤をしながら、皆様にお届けをしております。その試作会に潜入し、SHIBUYA CHEESE STANDの店長の佐伯日向とキッチンのマナ、代表の藤川真至の試食・意見交換を通じて、どのようにメニューを作っていくのか、”おいしさを作る現場”をレポートしていきます。

柿のやさしい甘さとマスタードの刺激
「柿のブッラータ」

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柿のブッラータ|2,100円

ブッラータのシーズナルメニューのテーマは「フルーツ」です。季節のフルーツとブッラータの組み合わせを月替わりで楽しんでいただいています。

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山梨県の「53FARM」で採れたやさしい甘味の柿を、ブッラータにあわせてスライスしただけでなく、マスタードを効かした柿のソースにもたっぷりと使っています。

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前回の試食では、味の構成の発想はいいなぁと思ったけど、もう少し味のバランスを、柿がメインになるようにできないかという課題があったよね。

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マスタードが前面に出すぎてしまったことと、仕上げに飾ってあったバジルが少し物足りなかったことが調整ポイントでした。

柿のソースは、基本的な作り方はそのままで、分量を調整しました。

具体的には、粗く刻んだ柿をバターでソテーながら潰したところに、白ワインを加えてアルコールを飛ばし、最後にマスタードを加えてソースを作るのですが、このマスタードの量を減らしています。酸味や辛みとしての調味料ではなく、あくまでスパイスとしてマスタードを使うようなイメージを心がけました。

その分、柿と白ワインを少し増やして、全体の甘味と酸味を整えています。

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葉を散らしていたバジルは、細かく刻んだことで一体感が出たよね。

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前回は、見た目を意識してバジルの葉をそのまま添えたのですが、食材としての効果があまり出ていないという指摘はその通りだと思ったので、細かくして散らしています。

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(参考:最初の試作)

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塩と黒コショウも前回よりも多くした?

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はい、味が強いマスタードを少なくした分、やさしい味わいの柿とブッラータがぼんやりとしてしまったので、塩と黒コショウは、前回よりも多くしています。

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全体的にすごくまとまりが出ておいしくなったと思う。

個人的には、もう少しバジルを多くしてもいいかなとも思うし、アクセントとして何かあってもいいかなと思います。たとえば柿とチョコレートは、相性がいいのでカカオニブ(ローストしたカカオ豆の胚乳部分)とかを加えてみてもいいかも。

良い組み合わせがあれば、最後まで試してみてください!

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ありがとうございました。

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こだわった食材の組み合わせ
「キャロットラペとハラペーニョのタルティーヌ」

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キャロットラペとハラペーニョのタルティーヌ|1,450円

東京・六本木けやき坂の人気ベーカリー「Bricolage bread&co.」のシグニチャーブレッド「ブリコラージュ・ブレッド」を使ったタルティーヌもシーズナルメニューで提供しています。

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茨城県土浦市の「久松農園」で採れたニンジンで作ったキャロットラペに、ちぎったモッツァレラとトウガラシ専門農家の「Peppers.jp」のトウガラシ「ハラペーニョ」で作ったピクルスを合わせました。

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秋から始まった根菜類の代表としてのニンジンと、意外に感じるかもしれないのですが夏から秋にかけてが旬のトウガラシを使ったメニューができないかなと思って考えたものです。

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トウガラシって夏のイメージなんだけど、秋も採れるんだね。

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そうなんです。今回使わせてもらっている「Peppers.jp」さんは、青山ファーマーズマーケットにたくさんの種類のトウガラシを出店されていて、声をかけさせてもらいました。

そこで実際に育てられている村山さんにいろいろと教えてもらって、モッツァレラとキャロットラペに合いそうなトウガラシということで、ハラペーニョを教えてもらったんです。

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3回目の試作ということで、自信はある?

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はい。もうこれ以上ないくらい考えたので、これでうまくまとまっていなかったら、食材を変えるしかありません!

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そうか、こだわりの組み合わせだもんね。では、いただきます。

おお! おいしいね。すごく良くなったと思う。

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ありがとうございます!

ずっと課題になっていたのは、キャロットラペとハラペーニョのバランスでした。キャロットラペだけがおいしくても、モッツァレラやパンとの相性も考えなければいけないですし、ハラペーニョとの食感や味わいのバランスもあります

キャロットラペに関しては、前回までは、バルサミコヴィネガーと砂糖などで千切りにしたニンジンをマリネしていたのですが、今回から、バルサミコヴィネガーではなく、白ワインヴィネガーとレモン汁で酸味をまとめてみました。

レモン汁は、新商品の「KOSSO RICOTTA CHEESECAKE」でも使っている和歌山県の「くじら柑橘農園」のレモンを使っています。

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ハチミツとレモンでやわらかいキャロットラペになったと思います。結局、前回まで使っていたマッシュルームは、使うのをやめたんだね。

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(参考:初回の試作)

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(参考:2回目の試作)

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そうですね。

パンにリコッタを塗っていますが、あくまでパンにマリネ液が染み込まないためのものなので、この料理では主食材ととしてはキャロットラペとモッツァレラ、マリネしたハラペーニョだけなんです。

これだとお客様に物足りなく感じてしまわれるのではないかと思ったのと、もう少し秋らしさを加えたいなぁと思って使っていたんです。

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確かにその気持ちはわかるなぁ。だけど、前回も指摘したけど、マッシュルームがある意味が食べて感じなかったんだよね。

もちろん食感とか味や香りのバランスとして必要だと思うんだけど、マッシュルームじゃなくてもいいんじゃないかという気がしてた。

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私もそこは気になっていました。「いっそのことマッシュルームいらないんじゃないか」という意見も前回あったので、そうかもと思っていろいろ考えてみたんです。

そもそもマッシュルームの役割を考えてみると、シャリシャリとしたニンジンの食感と、モッツァレラのムチッとしたやわらかい食感をつなぐことだったのかなと思って。

それなら、マッシュルームではなくて、ハラペーニョを焼いてやわらかくなったものでも代用できるかなと思ったのと、焼くことでハラペーニョの香りが立つので、ハラペーニョの量を増やさずにハラペーニョ感も強くなるかなと思ったんです。

そこで焼いたハラペーニョは皮を剥いて千切りにしたものを散らしています。

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食べた時のハラペーニョの香りは、確かに強くなったと思う。それとクミンもいいね。

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キャロットラペとクミンの相性がいいのですが、キャロットラペだけにクミンを入れると全体としてクミンの役割が分かりづらくなってしまうように感じたので、クミンは最後に全体にまわしかけるようにして一体感を出してみました。

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ハラペーニョのピクルスはどうしてるの?

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白ワインヴィネガーがベースのピクルス液にタイムとオレガノを加えているのですが、前回までは2つのハーブもハラペーニョと一緒に漬けていたんです。

これだと料理にした場合、少し香りが強いかなと思い、今回はピクルス液を作り終えたところで、香りを移し終わったタイムとオレガノを取り除いてからハラペーニョを加え漬けています

この方が、タルティーヌ全体でみた場合、タイムとオレガノが主張しすぎなくなったと思います。

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そうだね、何度も試作しただけあって、マナさんらしい良いメニューになったと思う!お疲れ様でした。

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はい! モッツアレラと一緒にキャロットラペとハラペーニョのピクルスをおいしく食べてもらえるようになったと思います。

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このようにすべてのシーズナルメニューは、1品1品、どうやったらおいしくお客様に食べてもらえるかを考え、ほぼ1カ月かけて作り上げています。

11月からSHIBUYA CHEESE STANDで発売中です。ぜひご利用くださいませ♪

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11月のシーズナルメニュー(価格は税込)
・柿のブッラータ(2,200円)
・キャロットラペとハラペーニョのタルティーヌ(1,450円)
・たっぷりバターナッツのピッツァ(1,300円)
SHIBUYA CHEESE STAND
〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-8
東京メトロ「代々木公園駅」2番出口より徒歩6分
JR「渋谷駅」より徒歩10分
営業時間/11:00〜22:30(L.O.22:00)
     日曜日のみ11:0〜20:00
※緊急事態宣言発出中の営業時間は、11:00〜20:00
定休日/月曜日・年末年始
(ただし月曜日が祝日の場合翌平日休み)
※営業時間は、新型コロナウイルスの感染状況に応じた都や国の要請によって変更になる場合があります。最新の営業状況は、各SNSでご確認ください。

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文・構成、撮影=江六前一郎

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