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もしも父母の1人が亡くなったら

父母の老後の不安

不安


もしも、父がいなくなったら、母は1人で暮らすことになるのか。近くに親戚もいない中、大丈夫だろうか。1人で暮らすのは、どんな気持ちなのだろうか。何のために生きているのか、分からなくなってしまわないか。人と話すことが少なくなれば、ボケてしまわないだろうか。
 困ったときや話したいときに、話せる人は周りにいるのだろうか。

父母の現状

 
現在、私の父母は2人暮らしで、二人とも50代である。20年後には70代になり、もう体が元気でなくなってきているかもしれない。

 何となく、父は性格的に1人になっても平気そうな気がする。心配なのは、母だ。
 母の親戚は遠い所に住んでおり、父方の祖父母ともそれほど仲が良い訳ではない。もしも父に先立たれたら、母は1人暮らしになりそうだ。
 母は大のお酒好きで、お酒はカロリーが高いからと、食べ物をろくに食べずに、代わりとしてお酒を飲んでいる。それでよく泥酔する。父と一時期別居していた時は、毎日のように泥酔していたが、父が戻ってきてからは安心するのかその頻度がぐんと少なくなる。その父がいなくなれば、また毎日泥酔状態になるのではないかと不安がいっぱいである。

もし将来、母が1人残された場合、あり得る選択肢は以下になりそうだ。
・これまで通り、1人暮らし
・私の家族と同居
・施設に入る

私の家族と同居することになったとき、私も母とそれほど仲が良い訳ではないので、うまくやっていけるか不安である。また、施設に入ることについて、本人ならきっと「施設に入って長生きするなら、死んだ方がマシ」と言いそうな気がする。

このような不安がふと浮かんだので、この本を読んでみた。

東京都老人総合研究所 河合千恵子=監修 河合書房新社 2005年6月30日

この本の中から、先ほどの疑問に答えてくれる部分をまとめようと思う。

同居

同居するかの判断材料


・親が同居したいと思っているか
・親は健康か、資金は十分あるか
・自分たちは(自分も夫も)親とうまくやっていけそうか
・親が今の地で、1人で暮らしていけるインフラ等があるか

同居を成功させるコツ


・生活費はなるべく別々で。光熱費や家賃の取り決めをきちんとしておく。
・教育方針を持ち、親に伝えておく。
・家事育児の分担をしっかりする。
・二世帯住宅にするなら、親は一階に(足腰の不自由を考えて)。
・できたら親が元気なうちから同居し、仲良くなっておく。

別居

別居しながらできる手助け


・仕送り
・宅配サービスなどの情報を提供する
・定期的な連絡。家族の近況を伝えるなどして、1人でないことを伝える。
・父母の地域のネットワークを把握する。かかりつけ医やデイケア、近所の人、民生委員の連絡先などを把握しておく。

東京都老人総合研究所が高齢者に取ったアンケートによると、子供からの援助は、ものをもらうより、話を聞いたり慰めてくれたりする方が、ありがたいと思った割合が高いらしい

また、高齢になると気を付けたいのが、火の不始末や転倒、詐欺などである。これらを防ぐために、
・一定温度になると消化するコンロ、電気コンロに取り換える
・電球が切れた時に取り換えてもらえるような工務店などを紹介する
・話の中で、新しい人物の名前が出てきたら、注意を払う

親の健康状態も気にかけてみるとよい。定期健診を受けさせる

親が寝たきりになったとき


 寝たきりにもレベルがあり、車いすを使ったら移動ができるとか、日中はベッドから起き上がて過ごせるとか様々である。レベルによっては、在宅介護サービスを受けながら、1人暮らしを続けることもできる。
 本人は、できなくなったことが増えたように感じて、投げやりになってしまうこともあるかもしれないが、できることに目を向けて、改善の余地があることを伝えると良い。
 
 病院で入院になったときは、自分たち子どもの近くの病院に入院してもらうと、すぐかけつけることができる。

配偶者を亡くした直後の親への支援

配偶者を亡くした本人(親)に起こりうる変化


・落ち込む、怒りっぽくなる(「なぜこんな酷い目に遭うのか」)
・ストレスで肩や首など身体が凝る
・自律神経が乱れ、不眠や食欲不振、便秘など
・「長生きしたい、健康でいたい」という意欲が薄くなる
・夫婦で仲良く外出していた人は、外出しなくなる

立ち直り時期の配偶者を亡くした親にできること


①立ち直り時に人が辿るプロセスを理解して、適切な声掛け・傾聴をする。

・「悲しんではいけない」「後悔しないで」と言うと、親が死別の悲しみを吐き出す機会が無くなり、消化できなくなってしまうかもしれない。
・「自由になったね」「たくさん遺産をもらえたね」も良くないらしい。

 配偶者を亡くしてネガティブな言葉ばかりになってしまったため、周りの人は近づかなくなっていくことがある。そのような時期にこそ、子供の助けが必要だと思っておくとよい。
 配偶者が亡くなった後、様々な公的手続きがあるので、それを手伝いながら一緒に過ごす時間を作っても良さそうだ。

時間が経っても立ち直るのが難しい場合、専門のカウンセラーや同じ体験をした人と話ができる機会を紹介するのも良い。

②楽しいことに誘う
・食事に誘う、家に差し入れ持っていく
・家族旅行する
・昔のアルバムを一緒に見る
など

③親のいきがいを作ってみる
これまでの人生を振り返って、どんなことをしてきたのか聞いてみると、また始められることややってみたいことが思いつくかもしれない。
ボランティアに参加したり、カルチャーセンターに通ったりすると、新しい学びがあるだけでなく、人との触れ合いも生まれる。

人の役に立っている感が、いきがいにつながることもある。
自分が困ったときにやり方を聞いてみたり、孫に昔遊びを教えてもらったりするのも良いだろう。

もしすぐにやりたいことが見つからなくても「ぼーっとしていないで、何かしたら?」とせかさなくても良い。やりたいことはゆっくり見つけ、些細な事でも良いと考える。自分から押し付けるのは良くない。

両親が元気なうちにやっておきたいこと

もしものときのことを親と話し合っておく


・不治の病になったら、告知するか。延命治療を受けるか。
・どんな葬儀が良いか、誰に死を伝えたいか
・どこで最期を過ごしたいか
・墓地はどこが良いか。先祖代々のお墓か、公営墓地でも良いか。
・遺産はどうするか
・保険はかけているのか、どう受け取るのか。

このようなことは、親の生前に聞いておきたい事である。
しかし、こういった話題を切り出すのは難しいと思う。
 切り出し方の参考として、テレビで芸能人の葬儀が伝えられたときに、「私ならこんな葬儀が良いな」と話し出すなどすると自然に話せそう。

本を読んで、これからやりたいと思ったこと

 
 もし将来、父母と私の家族が同居することになったら、父母と一緒に楽しく住めるのか、自信がない。父母と住むには、東南アジア出身の夫にもっと清潔さ(日本の文化的に、例えばふとんに入る前にシャワーするとか、タオルと靴下は毎日替えるとか)を気にしてもらわなければいけなくなる。私自身も、夫が私の家族になじめているか気にかけたいところだ。

 今のうちに、両親と仲良くしておきたい。親に「子供から頼りにされている」と認識してもらい、協力して仲良く暮らしていけるといい。

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