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ピザまん騒動【バナーヌのエッセイ#14】

「お願い、ピザまん買ってきて」
「オッケー、コンビニに寄って買ってくるね」
「ありがとう。ピザまんよ、ピザまん
「はーい」

時刻は23時過ぎ。どうしてもお腹が空いていて眠れそうになかったので、仕事帰りのパートナーにピザまんを買って帰るようにお願いした。

それから15分後くらいに、彼は帰ってきた。

「はい、これ肉まん!」満面の笑みを浮かべて彼は言った。

ちょいちょい、待てー!
私はピザまんを頼んだ。確かに電話でも何回も「ピザまん」と強調した。
食べたかったのは肉まんではなくピザまん
ゴロゴロした豚肉が入ったやつではなく、チーズがビョーンって伸びるやつ。

「え、ピザまんって言うたやん…電話でも何回も言ったけど」
大人気なく少し不機嫌になる私。
「うん、でも売り切れてたから。肉まんとあんまんしかなかったから肉まんにしたんだよ」
「…売り切れてたら電話してくれたら良かったのに」
ホルモンの影響も後押ししたのか、更に大人気ない発言をしてしまう私。
「ごめんよ」
心なしか悲しそうな彼。

仕事帰りにわざわざコンビニに寄り、目当てのものが売り切れてたから良かれと思って違うものを買って帰ったら、小言を言われる。それは悲しくなってしまう。あぁ子供だな、私。冷静になった頭の中には後悔の渦が。

「ごめん、言いすぎた。せっかく買って来てくれたのに、ごめんね」

そう言って、肉まんを食べた。

まだ温かい肉まんを頬張る。

お腹だけではなく心に染みる。

彼の温かさが肉まんを通して感じられた夜だった。

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