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日本語"教育"授業記録:これから何がしたい?

連休に入ったが、フリーランスは通常営業中
連休初日は、キャリア相談と日本語教師養成講座で「日本語教師のキャリア」の授業を行なった。

キャリア相談は対面またはオンラインで行っているが、本日はオンライン。
これまでの経緯を伺い、言葉の向こうに垣間見える「意味」を探る。
最後に、自ら目標を立てていらっしゃったので、その達成状況を伺った。
最近、世間で目標を立てるのはよく見聞きするが、「目標立てっぱなし」だったり、達成度の評価がテキトーだったりする。
私はこれを「やるやる詐欺」と呼んでいる。
それよりも、出来たことや達成感のあったことを書き出した方がどれだけ意味があるか。具体的かつ明確で、次に進む推進力になること間違いない。
と言う訳で達成度を伺った。

夜は、お世話になっている日本語教師養成講座へ。
間もなく講座が修了となるが、それを前に「日本語教師のキャリア」と題した授業があり、本日はそれ。
もしかしたら、受講された方は「日本語教師としてこうしたら?」というアドバイスを期待していたかもしれないが、そのようなアドバイスは、よっぽどの希望がない限り行わない。
そこにいる人たちを『型にはめる』ようなことはしたくないからだ。

そこで、まずは私の日本語教師としてのこれまでの道のりと
どこで何をして、どこで誰に出会ってここまで来たかをお話しする。
正直、私は普通の日本語教師である。大したことはないのだが、多くの方にお世話になり、自分を形作ってきたこと、自分の「好きなこと」「こだわりたいこと」が見つけられたことを伝えていく。
そのような話は、先日、日本語ジャーナルさんに取材していただいたので、

こちら↑を読んでいただけたらと思う。
受講のみなさんには、大したことではないが、私のこれまでの道のりを聞いてもらい、質問用紙に答えながら自らを掘り下げてもらう。
その内容を受講者同士のインタビューワークで、さらに深めていく。

今回は、マーク・L・サビカスの「キャリア・コンストラクション・インタビュー」を使い、話し手から出てきた言葉を、聞き手の方に再構築してもらい、再構築した内容を話し手へフィードバックしてもらう要領で進めた。

このインタビューをする際、
聞き手には、話し手を尊重し、しっかり聞くこと。そして、話の内容を決めつけないことを守ってもらった。
話し手には、自己開示する内容は自分で決めてもらい、自分の事を決めつけて話さないようにしてもらった。
そして、お互いに、素直な気持ちで感じたことを伝えることを意識してもらった。
(つまり、これ『マインドフルネス』かな)

インタビューが始まると、上手に話を引き出す聞き手もあれば、インタビューが苦手な人もいて、話が止まってしまうこともあった。しかし、それも聞き手の味だ。介入するのはやめた。話し手と聞き手の醸し出す雰囲気を大事にしながら進めた。
(後のフィードバックの時間に「インタビュー不足で…」との声が出てきたので、そこで改めて再インタビューしてもらった。)

インタビューのセッションが終わり、インタビューで得た内容を聞き手が決められた要領で再構築していく。
受講のみなさんには、「インタビューで聞いたことをもとに、愛をもって文を作ってください(=再構築してください)」と声を掛けながら。
声をかけているうちから、受講のみなさん、黙々とペンを走らせている。
中には日本語が母語でない方もいたが、どんどん書いている。すごい!

再構築が終わり、フィードバックの時間。
聞き手が再構築した内容を、話した人に伝える時間。
そのうちに、受講の方の「すごい!」「そうなんです!」という声が聞こえてくる。
もうすっかり、聞き手はカウンセラーだ。(占い師かもしれない)
しかし、その話の内容は、聞き手が聞いたことを繋げ、解釈を加えて返しているだけなのだが。
それでも、話した本人は言い当てられた気分になっている。
それは、この「キャリア・コンストラクション・インタビュー」の力であり、
「物語る」ことの力だと改めて感じる。
そう。知りたい答は、すでに話した本人が語っているのだ。

日本語教師の多くは、転職組だ。
日本語教師養成講座に足を運ぶ人のほとんどは転職組と言っていい。
つまり、これまでに様々なことがあり、
それを乗り越える過程で『日本語教育』に出合い、門をたたいている。
今日の活動の中でも聞こえてきたが、「悔いを残したくない」という言葉。
日本語教師という職業には、経済的な問題を筆頭に課題が山積だが、
それでも「悔いを残したくない」という気持ちでこの世界に入ってくる。
それなら、自分が思ったように自分らしい日本語教師となり、
その姿で社会に何かしらの貢献をしてほしい。

私は、たかが普通の日本語教師だが、そんな事を願ってしまう。
そして日本語教師のみなさんに、私自身がどんな貢献ができるか?
それを本格的に考えながら仕事をしていきたいと思う。

今日の仕事を受けて、この本が読みたくなった。
積読返上。笑


キャリア相談のお問い合わせは、cheersnagoya@gmail.com まで。

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