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もっとフェアな就活を。

「ざっくばらんにお話しましょう!」
「選考とは全く関係ないので、正直な感想を…」

2年前、僕はまさに就活生だった。
説明会や選考の場でこんな言葉をよく耳にした。
そしてこの言葉に少しの安心を感じた学生も多いかと思う。

もし人事の方がこの記事を見てくださっているとしたら、
本当に本心で「ざっくばらんに」話したことはあるかと自問して頂きたい。

残念ながら僕自身、就活もしくは採用というフィールドはフェアな環境ではない特別な空間だと個人的には思っている。

何がフェアではないか、このnoteに綴ってみる。

個人VS企業という構図

個人VS企業という構図のどこがフェアやねん、という話。

選考の進み具合にもよるが、
多くの企業はまず説明会で対マスの説明を行ない、
選考で徐々に人数を絞っていき、
最終的には学生1人1人との面接を行なう。

この時構図としては
「1人の名もなき学生」対「企業の人事」というものになる。
もしくはせいぜい
「有名○○大学のいち学生」対「企業の人事」になるだろうか。

それでも見えてくるのは、
「人事」の背中とあまりに眩しい笑顔から感じ取れる
背負っているもの、そしてその大きさである。

そして多くの学生は背中に背負う看板はないのに対し、
面接官たる人事には学生が行きたい企業名が煌々と輝いている。

そこでは既に人事の名前など抜け落ち
「○○会社の人事」という立場へと変容し人事の主語は「私たち」となる。

一方、学生の主語はどう頑張っても単数一人称のままである。

ここにどんな平等性が担保されているのか?


学生の主語が変えられない以上、「企業の人事」という名無しの状態から「人事の○○さん」というレベルにまで降りる必要があるだろうし、主語は「私は」で語るべきだろ、と学生時代に思っていた。
(今も思っている)

「キャリアを実現したい」VS「採用したい」の構図

「キャリアを実現したい」VS「採用したい」の構図のどこがフェアやねん、という話。

就活の終わり(=内定)はゴールではない。
という言葉は耳にタコができるほど聞いた。


合っているか間違っているかでいくともちろん合っていると思っている。

だからこそ、就活では今後の人生最終的にどんな風になりたいか、ということを求められ、そのために自己分析するのであって、その結果からファーストキャリアを選ぶ。

だけれども一方で人事は、会社に合うか合わない、もっと言うとこの人材は「会社に利益を与えうる可能性が高いか否か」で採用するしないを決めるために、一人1時間もの時間を費やして面接しているのである。

さて、目的が異なっていないだろうか?

どんな大人になりたいかを突き詰め、逆算し入社したい企業を選び門戸を叩いた学生が目の前にいるのに、戦力足りえるか分からないという理由で「不採用」とするのである。

そして残念ながら、企業とは利益を生み出すことで生き延びる生き物である以上、この方針はなかなか変えることは出来ないだろう。。。

だから変わるのはいつも学生側で、やったこともない仕事であっても、どのように会社に貢献できるかを熱弁しなければならないのである。

それはしんどいはずである。

最後に…現状の打開策があるとするなら

個人対企業の構図に関して。
これは学生の立場を大きく変化させることは出来ないので、
どちらかというと人事側が学生側に目線を合わせる必要がある。

(と思っている。)

採用/不採用は確かに大事であるが、
それ以上に他人の今後を左右しうる職務であるという自覚を持ち、
その人のキャリアにフォーカスを当てた面接を実施して欲しい。

その手始めとして語り口を
「私たち/弊社」から「私」に変えるのはいかがだろうか。

学生さんへ

立場は変えられないが、経験の数や質は変えられると思っている。
・職種を知らないのであればインターンをしてみる。
・インターンが出来ないのであれば、せめてOBOG訪問を試みる。
など知識を得て門を叩く工夫は出来るはずだ。

働くことを想像しやすい環境を自ら整えてみて欲しい。

そのうえであなたが目指したいキャリアを声高らかに叫び続け
その声が届いた企業がきっとあなたの運命の企業なのだろう。

就活がもっとフェアになることを願って。

ー全就活生を代表して僕より。

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