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心配するなと言われても

こんにちは!障害児ママのためのキャリアカウンセラー、あまだゆみです。

コロナでずっと止まっていた、療育センターの保護者向け勉強会が再開しました。難聴に関する知識はまだまだ乏しく、こういう場があるのはとってもありがたいです。

先日のお題は、補聴器について。
種類、お手入れの仕方、補聴システム(話者がワイヤレスマイクを装着し、無線で補聴器に直接信号を送れるもの。教室、ホール、大人数がいる場など、騒音下での聞き取り向上が見込める)についてなど、初めて知ることもあり、とても勉強になりました。

最後に質問タイムを設けていただいたので、気になったことをお伺いしました。その時、「そんなに心配しすぎなくても、大丈夫ですよ」と先生に言われました。

間違いなく、私を安心させるためにかけてくださった言葉。
でも、「え、心配するよ」とモヤッとしてしまったのです。

想像するしかないもどかしさ

どれだけ難聴の仕組みや対応方法を学んでも、耳栓をして疑似的に難聴を体験してみても、聞こえに特に問題がない私は、完全に息子の立場になることはできません。
(耳栓による疑似体験は、療育センターのプログラムの一つ。とても貴重で学びが多いものでした)

息子は、日々どんな音をどんな風に聞いているのか。
どうしたら、もっと生活しやすくなるのか。(あるいは、今はこれ以上特に何もいらないのか)
聞こえは本人にしかわからないので、2歳の息子の現状は、想像するしかありません。

今はまだ幼いので近くでフルサポートしてあげられますが、数年もすれば、子どもだけの世界がぐんと広がっていきます。
そうなった時、息子はどんなことに困る可能性があるのか。
準備できること、心がけておくべきことは何か。

補聴器の進化、医療の発達、治療法の選択肢など、いろんなことが気になります。

心配するなって言われても、無理です。だって親だから。

”言い方”って難しい

私は、キャリアカウンセラー、チアダンスコーチという仕事柄、言葉の使い方には割と敏感なのだと思います。
他の人なら、「心配しすぎなくても大丈夫ですよ」と言われたら、素直にホッとするのかもしれません。

「私ってひねくれてるわ・・・善意で言ってくださっているのはわかってるのに、揚げ足取りしているみたい・・・」
と自分の感じ方にげんなりする気持ちもありました。

でも、そう感じちゃったんだから、仕方ない。

私にとっては、どういう言葉だったら良かったんだろう?と考えてみた時、「安心してくださいね」
という言葉が浮かびました。あ、これだ、と。

心配な気持ち、わかります。
そうですよね、心配ですよね。
でも、心配しすぎると、あなたがしんどくなっちゃいますよ。
心配して先回りしても、防ぎきれないこともたくさんあります。
でも、きっと大丈夫。
支えてくれる人がいる。制度もあるし、難聴をサポートする機械も日々進化していますから。
それに、子どもの適応能力は高いし、親が思う以上に平気だったりするものですよ。

「安心してくださいね」には、そんなニュアンスが含まれているように思います。(そしてきっと、あの時先生が言いたかったのも、こういうこと)

これまで、カウンセリングの中で私も「心配しなくて大丈夫ですよ」と、口にしてしたこともあると思います。
その時、クライアントも同じようにモヤッとしていたかもしれない。
今後気をつけようと、強く思いました。

記憶に残る言葉

余談ですが、過去に周囲の人たちもらった言葉の中で、特に強く記憶に残っているものがあります。
心配性で、くよくよ悩んで、なかなか行動に移せなかった昔の私に、
「あなたは、とても正しく育ってきてる。だから、あなたが悩んで悩んで悩みぬいた答えなら、絶対に間違ってない。答えが出たら動いてみなよ」
と言ってくれた人がいました。

動けてない自分にハッと気づかされ、「怖がらなくていいんじゃない?」と背中を押してもらい、動く前に悩み考えるスタンスについて肯定してもらえた。
とてもありがたく、すごく前向きな気持ちになれたことを覚えています。

「そんなに悩んでもしょうがないじゃん、まずは動いてみれば?」
と言われたのだとしたら、きっと
「悩むなって言われても悩んじゃうんだから、どうすりゃいいの・・・」
となって、前には進めなかったと思います。

たかが言い方。
されど言い方。

”言葉”を生業にする者として、まだまだ修行は続きます。
今回のことも、とても学びになる経験でした!

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