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いつものこと

「カツカレー1つお願いしまーす」
「え?なんだって?」
「カツカレー1つです」
若い女店員と調理場の70くらいの老料理人のやり取りが5席程度の小さな店内に響き渡る。
注文した客は小さく頷き水を飲む。

老料理人にとっては何十年も繰り返してきたいつものやり取り。
とにかく料理を作ることに集中。次の客の注文はなんだ!次はカツカレーだな。

中年客は自分の注文が連呼されたことに少し気恥ずかしさを感じながらも、店員と老料理人のやり取りを聞いて安心しつつ妙に落ち着いた気持ちを覚えた。

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