旅行に来たので父と母にお土産を買っていこう。 なにを買っていくと喜ぶかな。名物か、この独特のキャラクターの方がめずらしいかな… 久しぶりに祖父母に会う。 おばあちゃんはいつも何にもいらないよ、と言うけれど…。 最近暑いし、ジェラート買っていったら喜ぶかな。食べたことあるのかな。 来週は彼の誕生日だわ。どうしよ。 記念になる物が気持ちが伝わるかな、欲しがっていた財布の方がいいのかな。 子供が出来たらしい。男の子かな女の子かな。子供向けより本人向けの方が嬉しいのかな。 た
「カツカレー1つお願いしまーす」 「え？なんだって？」 「カツカレー1つです」 若い女店員と調理場の70くらいの老料理人のやり取りが5席程度の小さな店内に響き渡る。 注文した客は小さく頷き水を飲む。 老料理人にとっては何十年も繰り返してきたいつものやり取り。 とにかく料理を作ることに集中。次の客の注文はなんだ！次はカツカレーだな。 中年客は自分の注文が連呼されたことに少し気恥ずかしさを感じながらも、店員と老料理人のやり取りを聞いて安心しつつ妙に落ち着いた気持ちを覚えた。
いまはない。そこにあったのにない。 いまはある。ずっとそこにあったかのようにある。 全く別の場所に存在していたことを誰も気付かない。 なかったこともずっとあったことも両方とも本当。
