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歴史SS

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主に幕末を背景とした歴史SS置場
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2023年5月の記事一覧

花散るらん ✎

俺、土方歳三は色の無い世界に居た。

音も無い、静かな場所だ。

微かに甘い花の香りが鼻をくすぐり、背中には柔らかな何かを感じていた。

そうか…俺は死んだのか。

辞世の句を読む暇もなかったな。

皮肉な笑みを浮かべるものの、その顔を見る者も居ないようだ。

遠くから俺の名を呼ぶ声が聞こえた。

近藤さんだな。

目を開けようとしたが、瞼はまるで縫い付けられたように動かない。

体を起こそうとし
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天上の花 -曼珠沙華- ✎

毒というものは相手を倒すために盛るよりも、何気なく盛られた方が効くもんだ。

あの日アンタに盛られた毒は、今も俺を苦しめている。

いや…苦しいのは近藤さん…アンタだった。

だから無意識の内に俺に毒を盛った。

『トシ…俺はこれで終わりにしようと思う。最後になって同じ夢を見る事が出来なくなってしまったな…すまない』

謝るべきは俺だろ?

罪を犯したのは俺だ。

アンタを救う事が出来なかった俺だ
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天上の花 -彼岸花- ✎

「副長、血飛沫は彼岸花に似ていると思いませんか?」

俺、相馬主計がそう問いかけると、彼の人は苦笑いをしながら静かに頷いた。

「そうだな。相馬、次にあの赤い花を咲かせてあの世へ行くのは、俺かもしれないぜ」

「副長、縁起でも無い事を言わないでください」

「副長か…そう呼ぶ連中も、すっかり少なくなっちまったな」

「俺の中では貴方は新選組副長、土方歳三以外の何者でもありません!」

今にも消えて
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引き金 -Trigger- ✎

※新選組副長土方歳三のお話です

初めは照れくさい感じのあった洋装にもすっかり慣れた。

当たり前のように結っていた髷も落とした。

ザンギリ頭の自分の姿は、自分で言うのもなんだが…なかなか様になっていると思う。

古参の連中には頑として着物と袴を脱がない奴もいる。

だが、若い連中を中心に洋装や銃を受け入れる奴は多い。

(近藤さんが見たらなんて言いやがるだろうな…)

独りごちると俺は手を腰の

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