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【コナン推し旅レポート】誤算だらけの聖地巡礼

だいぶ時差投稿になっちゃったけれど、2023年6月、ファン歴27年にしてついに『名探偵コナン』作者・青山剛昌先生の生まれ故郷、鳥取県東伯郡北栄町に聖地巡礼してきた。

コナン好きではない人からすると「どこやねん」と思っている人も多いだろうし、実際わたしも生涯で鳥取に旅行することなんてないと思っていた(失礼)。
それでも年々高まるマイラブへの想い、会社員からフリーランスになったことで感じた、もっと地域や世界を知っておくべきとの考え、そして今年はコナン神・青山先生還暦祝いの年、というトリガーもあり、静岡からの悪アクセスを乗り越え実行。

当初計画した「3泊4日マイ推し旅プラン」はこう。
●DAY1 :2023年6月21日(水)<青山先生バースデー>
静岡(富士山静岡空港)→島根(出雲縁結び空港)→出雲大社→出雲市泊
●DAY2:2023年6月22日(木)
出雲市→島根観光→鳥取県倉吉市泊
●DAY3:2023年6月23日(金)
倉吉市→大栄町→鳥取県鳥取市泊
●DAY4:2023年6月24日(土)<マイバースデー>
鳥取市→鳥取観光→鳥取砂丘コナン空港→東京(羽田空港)→静岡

人生初の「出雲大社」に訪問し、勝手に青山先生のご健勝とご多幸を祈る(せっかくなので、青山先生とインタビューの仕事ができますようにとも念)。そんでもって島根から鳥取へ、日数の余裕をもって移動。ラストは「鳥取砂丘コナン空港」から誕生日当日に飛び立つという、ゲン担ぎ要素も含めた完璧な計画。

しかし完璧なんてのはこの世にはない。
推しはそれを、旅を通じて教えてくれたのだ。

完全計画が狂った点=推し旅があまりにも良すぎたことによる誤算を、これまた狂ったように撮影した写真(撮れ高1,000枚から厳選)とともに反省していく。


誤算1 「聖地」に対する期待と緊張の高まりで体調不良

誤算2 山陰地方の電車の少なさでプレッシャーが半端ない

はじめに言っておくと、計画通りだったのはDAY1だけ。
この日は静岡の「富士山静岡空港」から島根の「出雲縁結び空港」へ。この日のミッションは「出雲大社」へのお参り、ただそれのみ。はじめてのひとり飛行機で挙動不審になりながらも、なんとか現着し観光を楽しんだ。

こういうの撮っちゃうオバサンマン
青山大先生還暦誕生日日付の御朱印で大満足のオバサンマン
こういうときに「第一番」のおみくじを引く強運なオバサンマン

DAY2。この日は出雲市から電車で移動しながら「八重垣神社」などの観光地を周り、夕方頃に鳥取へインする予定だった。

午前は出雲市から電車で1時間ほどの「八重垣神社」へ
水みくじで出会いを懇願してきたオバサンマン

ところが、DAY2のお昼くらいから心臓とお腹が痛みだす。「明日はいよいよ聖地だ」という緊張はもちろんだが、盲点だったのは山陰地方の電車の少なさ!
話には聞いていたが、多くて1時間に2本程度。一瞬でも乗り遅れたら計画が大幅にズレてしまうし、最悪ホテルに到着できないかも……。
アンド、拍車をかけたのは現金オンリーな駅が多かったということ。静岡ですらキャッシュレスが増えてきた昨今。現金を用意するというシンプルな準備を欠いてしまい、残りの所持金で3泊4日やりくりするしかない戦いへと突入。そんなプレッシャーに、わたしの身体は耐えられなかった。
(「キャッシュカードで引き出せよ」と思うかもしれないが、キャッシュカードすら持っていなかった。というか正確には、”財布に入れっぱなし”なことすら思い出せないほどテンパっていた。)

こうなったら、できるだけ早く聖地に乗り込むしかない。そう決心して動いた弱メンタル。口から出そうな心臓を何度も飲み込み、聖地の玄関口・コナン駅こと「由良駅」についたのは14時45分。
この時点でみなさんはお分かりだろうが、わたしはそう、各施設の閉店時間を失念している。だいぶ初歩的ミス。絶対訪問したい「青山剛昌ふるさと館」(しかも駅から徒歩20分)は17時30分まで。道中にあるカフェ「コナンズキッチン」は17時まで。タイムリミットは約2.5時間。もはや、大股競歩オバサンマンになるしかなかった。

誤算3 「北栄町」が想像以上にコナン。2秒に1回見どころが出てくる

大股競歩オバサンマンは駅に降り立った瞬間、おそらく人生で一番息を呑んだ。大量の原画絵に出迎えられ、構内ではコナンのメインテーマが流れている。エモすぎてすでに泣きそうではあったが、なんせ時間がない。一通り写真を収め、となりの観光案内所へ向かった。

構内のロッカーのナンバーをみると
コナンゆかりのナンバーになっているというオタク泣かせの仕込み


「北栄町観光案内所」、”観光案内”というより”コナン案内所”にしたらいいのではってくらいコナン一色。青山先生はもちろん、声優さんたちや制作陣のサインがずらり。しかも1枚2枚じゃなくて、訪問するたびに書かれているみたい。愛が強すぎる。

名プロデューサー・諏訪っちさんも!


ここではこの「コナン通り公式ガイドブック」を入手。駅名はおろか、通りの名前すら牛耳っている。愛だけでなく権力も強い。それが江戸川コナン。さぁ、ここから大股競歩でコナン通りをぶち歩いていく。

って思った矢先から、コナンモニュメント・コナン銅像・コナン看板・コナン石碑が次々にお出迎えしてくれるもんだから、まじで数歩ずつしか進めない。大股競歩オバサンマン、初手から大ピンチ。

立体系ってバランスむずいよね
立体系ってバランスむずいよね その2
立体系ってバランスむずいよね その3(これが一番ヤバかった……新ちゃん腹部どしたん)
2023年ご多忙だった哀ちゃんはご不在でした
2024年の映画組も
「この絵は51巻だ〜」とかひとりで脳内クイズ。急ぐ気をかき消してくる地面たち
これはわが静岡市も「ちびまる子ちゃん」版があるね
北栄町はスイカと長芋が名産っつーことで両サイドにいらっしゃるスイカマンと長芋マン
赤井・安室という人選したのまじでマーケターの仕業やろ
初期のあむぴは眉毛未処理系イケメン
ねぇこれまさか全巻分あるの?と恐怖すら感じた石碑(全巻はありませんでした ※2023年時点)
最初に買ってもらったのは8巻。ナイトバロンが怖くて夜トイレ行けなかったな


撮影→大股競歩→撮影→大股競歩を繰り返し、次に着いたのは「北栄町役場」。ここも四方八方にコナン。行政機関ってここまで民間キャラクターを介入されられるんだ……とシンプルに思ったちびまる子県民。静岡、がんばれ。
ここでは[マンホールカード]っていうマニアックなものをゲット。役場の方、コナンの絵柄が入ったポロシャツ着用だった。うらやま。

2023年大活躍だったジンニキさん


ようやく「コナンズキッチン」に到着。胃痛に加え、大股競歩による発汗と息切れ。大変お見苦しい状態で入店した。

作品中で”食”にまつわるシーンがたくさん使われてる壁たち

店内は装飾からカトラリーまで、どこを見渡してもコナンコナンコナン。ようやく聖地に着いたこと、やっと一息つけることもあってか、座った瞬間、リアルに涙ポロポロで泣いた。神さま、今まで生かしてくれてありがとう。

泣いてるのがバレないように座った端席。が、見上げるとこのメンツで余計泣いた


DAY1昼に食べた出雲そば以来、ロクに食事できていなかったが、ここでようやく栄養投下。何が出るかはお楽しみ、のせんべい?ウエハース?付きソフトクリームとコッペパンサンドをいただきました。

マツダ、ジンペイ……(聞こえる人には聞こえてくるvoice)
感無量すぎて味の記憶がないコッペパンサンド
まじでセンスの塊みたいなカフェ
照れコナン&蘭姉ちゃん、初期限定よね〜
ここにもお師匠さまのサイン
カフェ横にいたコナンくん。ほかの観光客がいない隙に記念の自撮り


そしていよいよ聖地オブ聖地、「青山剛昌ふるさと館」へ。コナンだけではなく、青山先生の幼少期やこれまでの作品に関するあれこれが展示されているところ。ちなみに誕生日当日または前後1日に入館すると、記念の缶バッジがもらえる。計画ではこのバッジをいただく予定だった(マイバースデーは6月24日、計画では23日に来館予定)。そうだよね、1日早く来ちゃったんだ。受付で「あのぅ〜ちなみに前々日って……?」って大変面倒くさい客になってみたのの、ルールはルール。くそぅ……超貴重なチャンスをこんなかたちで失うとは……まじでメンタルを鍛えようと誓った。
とはいえ、数年後に移転計画があるこちらの館。次の楽しみにしておこう。

『名探偵コナン』よりもキッドの出てくる『まじっく怪斗』の方が発売が早いって知ってた?作品内でキャラクターの行き来があるのもお楽しみポイント
これが一番見たかった、青山先生の卒業文集
すごない?これについてはまた別noteで綴る
前日が先生バースデーなのでこの時期はお祝いムード満点
来館者から先生へのお祝いメッセージ。日本語だけじゃないんだよな〜ほんとうに愛されている(しみじみ)
こんなに多言語化されているとは!海外にいくたびゲットしよう
漫画のできるまで、みたいなコーナーも
セル画大好き人間、お宝シーンばかりで大興奮!
地域貢献もハンパない。これは地元高校駅伝大会用のイラスト
北栄町住民票にもコナン。うううううらやましすぎる
先生の手形。いつかリアルで握手できますように

ということで無事ミッションクリア。帰りは心も時間も余裕が生まれたので、先生が帰郷のたびに寄られるという「朝倉書店」へ。店内撮影も快くOKしてくださり、舐めるように拝見。コナン関連の書物をゲットしました。

サインは多言語表記が基本。この時間は日本人よりも台湾人?ファンの方が多かった
工事現場に掲げられたお馬さんの旗。既視感のある作風と「AOYAMA」のネーム。そういうことか

タイムリミットは超限られていたものの、かなり濃厚に楽しむことができた。大満足でコナン駅へ。構内では下校時間の高校生カップルがベンチでひっそり手を繋いで、電車が来るのを待っていた。が、申し訳ない。わたしの荷物が入ったロッカー、君たちのすぐ横にあるんだ。恋路をじゃましつつ、荷物を取り出すが、ここでも大変な事態に気付く。

誤算4 おみやげ買いすぎてキャリーケースがキャリー不可

そらそうだよね。「コナンズキッチン」にあった食器が可愛すぎて、ラーメンどんぶり購入し、「青山剛昌ふるさと館」隣の「コナン探偵社」というグッズショップで原画絵商品をたんまり仕入れ。
公式さんには悪いが、普段わたしはほとんどグッズを買わない(というかそんな金銭的・物理的余裕がない)。それでもやはり原画絵グッズは強い。迷ったら買うという強気の姿勢で閉店ギリまでカゴに詰め込んだ。
*余談だが星よみ的にいうと、地星座(牡牛座・乙女座・山羊座)が強いオタクはグッズを集める傾向にあるかもね。

「コナンズキッチン」のショップバッグ
「コナン探偵社」のショップバッグ
パリピBBQの買い出し並なレシート

なんなら前日に出雲で地酒(2本)も購入済み。学生時代、冬のパリ旅行のために買った海外用キャリーケースが、今ここ鳥取で悲鳴を上げている。これでは、1分1秒を争う電車に乗り込むことすら危ぶまれる。そんなとき目の前に現れた救世主。コナンタクシー。なかには先生のサインが書かれているとのウワサ。

拝むだけと思っていたが、疲労困憊なうえ筋トレ並のキャリーケースの重量。北栄町からホテルのある倉吉市までの距離で考えると、そこそこの金額ではあったものの、意を決して「由良タクシー」へ。だがここでも誤算。

誤算5 大人の事情がいろいろあるらしい

運転手さんにコナンタクシーに乗りたい旨を伝えると「今日はもうねぇこれ動かせないの〜ごめんね」とのこと。なんと、どうやら時間が決まっているらしい。ほう。興味深い。コナタクには乗れないが、これは話を聞いてみたいと思い、ノーマルタクシーに乗車した。
聞いてみると、このコナタクはようやく版元許可の降りた、念願の1台であるということ。走らせる時間などもルールがあるらしい(わたしの解釈が違ったらごめんなさい)。また先生のサインが描かれていることも事実で「とても丁寧で気さくな方ですね〜」という感じ。こういう質問、今までたくさんのオタクにされているんだろうなぁと申し訳なく思いつつ、このコナンブームについてまち自体はどう思っているのか聞いてみた。
そこでわかったのは、観光の課題。ブームについては人により温度差があり、とくに年配の方にとっては、コナン <鬼太郎(水木しげるさんが鳥取出身)。我関せずというタイプの町民もいると、正直に教えてくれた。また、小さいまちがゆえに、観光客がたくさん来ても、泊まるところや食べるところなど、対応できるお店が少ないという。現にわたしも、北栄町で宿が探せず、ちょっと離れた倉吉市に予約を取っている。観光による経済効果をまちに還元できる機会がない。ライターとして観光関連の記事を書いている身としては、とてももどかしい。個人としてふるさと納税なんかで貢献できるかもと思いつつ、これからはコナンだけでなく、まち全体としても末永く応援し続けようと誓った。


こんな感じで、人生初の聖地巡礼は賞味3時間前後で終了。フルパワーで味わいすぎて、DAY3の予定がガラ空きになり、終日鳥取砂丘で過ごした。まぁそのおかげでこのnoteをはじめることができたんだけど。
そして話は最終日、DAY4へ。
フライトは16時台だったんだけれど、なんせ予定がない。10時過ぎには「鳥取砂丘コナン空港」に到着してしまった。聖地は3時間、こっちは6時間。時間配分がめちゃくちゃである。それでも見どころがめっちゃあり、結果的に6時間たっぷり楽しめた。

この日はコンサートをやってた。1曲目がコナンのテーマソングでオタク歓喜
季節によってフラッグの絵が変わるんだって
北栄町よろしく空港も2秒に1回見どころ
歴史やキャラクターをたどれる壁画たち
はい出ました〜手の込んだロッカ〜全扉開けたよね
屋外のモニュメント。このとき空には虹色のひこうき雲。泣ける
羞恥心が邪魔して撮れなかったプリント倶楽部
空港内の見どころをミステリー的にまわるリーフレットも


徒歩30分がんばれば「鳥取漁港」に行けると空港の方に聞き、ようやく通常モードになった胃を満たすためおでかけ。まぁまぁな気温で、まぁまぁな坂道だったけれど、それでも歩いた猛者にしかわからない道路標識もあったりして、これはこれで収穫になったなぁとにんまり。

200mずつ刻まれてたの、地味に元気でた

ちなみに空港内にも「コナン探偵社」が。さんざん買ったのに、ここでも買い足した。なんせ、空港限定の絵柄ものがあったからね。どこまでいっても財布の紐をゆるませてくるぜ、鳥取。

名ゼリフの掲げられた壁たち


ということで、フライトギリギリまでエンジョイ。
緊張とプレッシャー。感動と幸福感。いろんな感情や想い・できごとが交差した3泊4日。離陸時、なんか張りつめていたものが弾けたみたいで、窓側の席でまた号泣。大好きな人に別れを告げた女役みたいになってしまったけれど、それでも、反省込みで大充実な内容となった推し旅。
頻繁に行くことはできないけれど、それでも、こうやって大好きなものの原点にふれたり、そのために日々がんばったりするって最高。最後すんげぇチープな感想になってしまったが、またこの人生最高の思い出をバージョンアップできるように、毎日メンタルトレーニング&筋トレ&仕事に励んで行こうと思う。

以上!
誤算だらけだったけれど、最高に幸せな聖地巡礼・推し旅でした!

羽田空港で返されたわたしのキャリーケースにはられていたタグ。だよね
帰宅後戦利品を並べてにんまりするオバサンマンであった・完


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