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CHE BUNBUN映画テン年代ベストテン ~死ぬまでに観たい2010年代映画100:最終章~

本当は、半年間かけて作っている《死ぬまでに観たい2010年代映画100》の最終話は私、CHE BUNBUNの2010年代ベストテンを書いていく予定だったのですが、ワッシュさん(@washburn1975)のベストテン企画で《映画テン年代ベストテン》を募集開始していたので、先に書くことにしました。

私の2010年代は、丁度高校時代から社会人3年目を爆走した、感性芽生える黄金時代でありました。英語の授業で趣味を言えずに外国人教師に怒られ、立たされた辛酸をバネに、無理矢理作った趣味《映画観賞》がここまで生涯熱中できるものに変わるとは思いませんでした。

孤独ながらも趣味に没頭し、今やこうして映画ブログとして日本ではあまり知られていない作品、未公開作を中心に映画の面白さを伝えるようになり、遂にはギャスパー・ノエ『CLIMAX クライマックス』のパンフレットに寄稿したり、トークショーの依頼が来るようになりました。

本当に映画が好きでよかったと思います。

そんな、激動の2010年代ベスト、決めるまで1年かかりました。恐らく、残り2ヶ月で変わりそうのないラインナップなので発表していきます。

※これは無料記事ですが《死ぬまでに観たい2010年代映画100》本編は有料記事です。
第1章:150円
第2章~第10章:200円
マガジン購入:1,500円(450円OFF)
で販売しています。

1.痛ましき謎への子守唄(2016)

原題:Hele sa Hiwagang Hapis
監督:ラヴ・ディアス
出演:ジョン・リョイド・クルス、ピオロ・パスカル、ヘイゼル・オレンシオetc
鑑賞時期:第29回東京国際映画祭(2016)にて

第29回東京国際映画祭(2016)で8時間のフィリピン映画が上映されるときいて、当時名前も知らなかったフィリピンの怪物ラヴ・ディアスが生み出した深遠なる森へと足を踏み入れました。フィリピンの歴史や神話の物語と聞いていたので、身構えていたのですが、そこには奇妙なことに自分の好きなものしか詰まっていない映画の宝箱がありました。

リュミエールの『ラ・シオタ駅への列車の到着』から始まるサイレント映画と人々の驚き興奮は、やがてイングマール・ベルイマンの創り出す心理をヴィジュアルに投影させる魔法へと繋がる。別次元では『オデュッセイア』の映画的語り口の確立され、冒険活劇が花を咲かせ、『駅馬車』、『スター・ウォーズ』から『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』に繋がる花道を作った。そこに少し重なるように、歴史的事件のアーカイヴが悲劇を風化させまいと意気込む。

ラヴ・ディアスの他の作品は、ひたすら彼の政治観をアーティスティックな白黒のキャンバスにぶちまけるアクションペインティングとなっているのですが、『痛ましき謎への子守唄』はそこに映画史が意図的に、あるいは無意識に投影されていた。

その怪物的魔法は、私の《好き》に刺さり、2010年代ベストの域すら超え、オールタイムベスト1に躍り出ることとなりました。

2.The Forbidden Room(2015)

原題:The Forbidden Room
監督:ガイ・マディン
出演:Roy Dupuis, Clara Furey, Louis Negin etc
鑑賞時期:2015年Festival Scopeにて

ガイ・マディンは実験映画の巨匠として認識されており、『アークエンジェル』は『死ぬまでに観たい映画1001』に掲載され、また『Twilight of the Ice Nymphs』は『101 CULT MOVIES:YOU MUST SEE BEFORE YOU DIE』に掲載されている。

しかし、ジョン・ウォーターズ以外の映画人の間ではあまり認知されていないようだが、ガイ・マディンが覚醒したのは2010年代だと言える。

彼は2011年に『オデュッセイア』を1日に微分した『ユリシーズ』をさらに微分し、家の中だけで描いてみせた『KEYHOLE』を発表、そして2017年にはサンフランシスコを舞台にした作品のフッテージだけ、セリフ箇所も削りに削ってアルフレッド・ヒッチコックの『めまい』をサイレント映画として再構築しようとする『The Green Fog』を発表した。そんな彼の2010年代最高傑作が『The Forbidden Room』である。

1000年後の未来から映画史初期の映画を発掘したように思ってしまう、朽ち果てたサイレント映画の断片と思しきもの。しかし、そこには全編邪悪なオーラが宿っており、観るとドンドン体調を崩していく毒性が心を蝕みます。

どこでもドアのように潜水艦から解き放たれる、あらゆる修羅場、地獄、悪夢は観終わった後、永遠に冷めることのない毒をもたらす。そのパワフルな映像の限界値に痺れました。日本では、東京フィルメックスでかつて紹介されたっきり、全く陽の目を浴びないカルト監督ですが、機会があればこの地獄を味わってほしい。

『KUSO』や『ムカデ人間』がお子様ランチに見えるぞ。

3.ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期(2017)

原題:Jeannette, l'enfance de Jeanne d'Arc
監督:ブリュノ・デュモン
出演:Lise Leplat Prudhomme,Jeanne Voisin,Lucile Gauthier etc
鑑賞時期:2018年アンスティチュ・フランセ特集にて

2006年の『インランド・エンパイア』以降、事実上映画の世界から消えた(一応2011年にドキュメンタリー映画『デュラン・デュラン: アンステージド 』を撮っていたりする)デヴィッド・リンチの血を継ぐ者がフランスにいた。

カイエ・デュ・シネマが毎回狂ったように崇拝し、ベストテンに入れるブリュノ・デュモンの転機は、2014年のテレビシリーズ『プティ・カンカン』で訪れた。田舎町を舞台に、牛からお腹に女性のバラバラ死体が見つかる怪事件を、おとぼけ刑事とチンピラ小僧のゆるいギャグと対比させて描く作品だ。そこから、彼はデヴィッド・リンチ的シュルレアリズムをまるで宇宙空間に見える異次元の田舎町描写と重ね合わせることで、独自の技法を極めていった。

その究極が『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』である。ジャンヌダルクものは、カール・テオドール・ドライヤーに始まり、ロベール・ブレッソン、ジャック・リヴェット等様々な監督が挑戦してきたのだが、そこにミュージカルという新しい風を吹かせた。ミュージカルとはいっても、なんと劇中で展開されるのはIgorrr監修のブレイクコアやヒップホップだったりするのだ。おまけにシルク・ド・ソレイユのコレオグラファーが振り付けを行なっているのだが、ゆるくダサいダンスを原っぱや森の中で延々と踊り続けるのです。尼さんがChoo Choo Trainなんかするのです。

この強烈なインパクトは、単なるウケ狙い一発芸ではなく、《子どもの大人による抑圧への反抗》という普遍的テーマを強調するために機能している。大人は、論理的でなくても権力でもって「ダメだ」と子どもを抑圧する。一見正しいように見える神の存在も、所詮都合よく人をコントロールするためにあるのだ。抑圧から解放される心の吐露を音楽という側面、特にビートで社会批判をするのを得意とするヒップホップを引き合いに出すことで、反発のメカニズムを明らかにし、尚且つジャンヌ・ダルクという伝説を我々の側の物語として普遍化させることに成功している。

この異次元の超絶技巧な演出は2020年代になっても朽ち果てることはないでしょう。

4.CLIMAX クライマックス(2018)

原題:CLIMAX
監督:ギャスパー・ノエ
出演:ソフィア・ブテラ、ロマン・ギレルミク、スエリア・ヤクーブetc
鑑賞時期:第23回釜山国際映画祭(2018)にて

実は、私はギャスパー・ノエの作品を良いと思ったことがなかった。『エンター・ザ・ボイド』も『LOVE 3D』も超暴力という見せかけだけのハリボテにしか見えず、同列で語られがちなラース・フォン・トリアーと比べると彼の語る善悪の彼岸論に面白さを見出せなかった。

しかしだ、2018年釜山国際映画祭最終日にこの『CLIMAX クライマックス』を観てびっくらたまげました。エンドロールから始まり、DVDの特典映像のようなシーンが延々と続いた後に始まる壮絶なダンスシーン。

そこから展開される、新世界はまさしく『ワイルド・スタイル』で《ヒップホップ》文化が発掘されたような言語化不可能なショックをもたらした。そして、ギャスパー・ノエの今まで以上に前衛的・実験的な演出はヌーヴェル・ヴァーグが得意としてきた、映画という枠組みからの逸脱の文化を思い出させてくれ、ミュージカル映画といえばこれでしょ!とクリシェとして擦り倒されるバークリー・ショットやエンドロール、タイトルロール、字幕論に鋭く斬り込んでいる。

一見、ただドラッグに冒された者たちの狂乱が描かれているように見えるが、そこには『ラ・ラ・ランド』ばりの緻密な論考が隠されており、その論の面白さに魅了されました。そしてその熱い気持ちを書いたブログがキノフィルムズさんの目にとまり、パンフレット寄稿へと繋がったという奇跡まで引き起こしてしまったので、誰がなんと言おうともこの作品は私の家宝です。

5.ホーリー・モーターズ(2012)

原題:HOLY MOTORS
監督:レオス・カラックス
出演:ドニ・ラヴァン、エディット・スコブ、エヴァ・メンデスetc
鑑賞時期:2012年フランスひとり旅中に入ったパリのシネコンmk2にて

本作は思い出補正が強いです。私の高校は大学までストレートで行けたので、受験生ができないことをやろうと高校3年生の夏休みにフランス、イギリス、ドイツをひとり旅しました。フランスで私の面倒をみてくれた方が、「絶対気にいると思うから観て!」と本作のシールまでくれて推してくれた本作をパリのシネコンmk2で観ました。観客は私含めて3人くらいしかいなかったのですが、これが凄かった。実は『ポンヌフの恋人』、『ボーイ・ミーツ・ガール』、『TOKYO!』はその前に観ていたのですがそこまでレオス・カラックスの魔力に嵌らなかったくちなのですが、これが仰天。

いきなりプロジェクションマッピングと融合して、男が叫び始めたり、『TOKYO!』のうんこおじさんことメルドがゴジラのテーマソングを背に墓地で暴れたりするのだ。そしてあまりにカッコよすぎるインターミッションで私の心はパニックになりました。なんなんだこれは?と。

映画をたくさん観ていくと、なんでも分からなきゃいけないと思いたくなるものですが、全く分からなくてもよい。寧ろ分からないこそが至福な時なんだ、わかっちゃいけないんだと本作は教えてくれました。いまだに、この映画はよくわかりません。

でも常に頭のどこかではドニ・ラヴァンは踊っています。

そしてレオス・カラックスの新作ミュージカルを心待ちにしながら2020年代を迎えたい。

6.ニンフォマニアック(2013)

原題:Nymphomaniac
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:シャルロット・ゲンズブール、ステラン・スカルスガルド、シャイア・ラブーフetc

多感な時期に『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、『奇跡の海』、『ドッグヴィル』に出会い、ラース・フォン・トリアーの悪魔性に惹きこまれた私は、大学時代にデンマークのポルノ映画について論じるまでになった。それだけ自分の映画史にとってこの厄介者は大事な存在となっているが、その中でも最も恐ろしい傑作がこれだ。

『メランコリア』でナチス擁護発言をし、カンヌ国際映画祭出禁になった彼は、世間のこの騒動に対する目線に怒りを示していた。この件に関して謝罪したことに対し、世間が喜んだからだ。それはおかしい!と思った彼は正面から喧嘩をふっかけてきた。「今度は5時間のポルノ叙事詩だよ!」と声高らかに宣言し、本当に作り上げてしまったのだ。

そこで展開されるのはデンマークの『好色一代女』。ジョーという女の性の遍歴を一晩かけて男に語る。その内容は、異性愛、同性愛、異人種、子ども同士というあらゆる形の愛をだ。それを均等に描くことで、実は通常のラブストーリーよりもフェアになっており、いかに現実が異性愛至上主義であるのかを告発しているのだ。

ラース・フォン・トリアーは現代のニーチェである。ニーチェは今生きていたらTwitter界の炎上魔になっていたであろう。しかし、ニーチェが語る悪は、結局宗教や法律という盾でしっかり思考しないまま受け売りで人が善の対岸として作り出したもの。

ラース・フォン・トリアーはニーチェの精神を意識的or無意識に取り込み、過激で議論を呼ぶ作品の中に、我々がもっと真剣に考え、自分の理論を構築しないといけない悪の形を紡ぎした。

『ニンフォマニアック』はそういった観点で最高傑作の問題作と言えよう。

7.ブラックミラー:バンダースナッチ(2018)

原題:Black Mirror: Bandersnatch
監督:デヴィッド・スレイド
出演:フィン・ホワイト、ヘッドウィル・ポールター、クレイグ・パーキンソンetc

レンタルビデオ時代に、アメリカでしのぎを削っていたNetflixは2010年代にサブスクリプションビジネスを成功させ、日本の映画界でも今や知らぬ者はいないレベルの大御所となった。そんなNetflixは2010年代の『トワイライト・ゾーン』として本作を放った。

映画館でもテレビ番組でも経験できない体験を映画に持ち込むには?

SNSの登場、時間の細分化により人々が映画というコンテンツから離れやすい時代に重要だとされている《体験価値》を追い求めた結果、《観客が映画の展開を決められる》という体験を生み出した。

かつて3D映画が色物として一瞬ブームになっては去りを繰り返していたが、その最たる原因は、3D映画という表面的真新しさだけに注目していたことだと思われる。表面的思想の文化はすぐに飽きられ、捨てられてしまう。

しかし、『ブラックミラー:バンダースナッチ』は例えこのシステムが風化しても、このシステムに眠る面白さの根源を映画全体で描いているのでいくらでも再熱させられる希望に満ち溢れている。

主人公はゲームプログラマだ。彼のサクセスストーリーと新作ゲームを巡るバグ潰しの興奮とフラストレーションは、体験者がこの映画を通じて感じるものと直接リンクする。無数に分岐する選択肢、その自由さと面白さに興奮しつつも、なかなかトゥルー・エンドに辿り着けないもどかしさにフラストレーションを得る。ゲームの体験価値に近いことを映画でも経験できるのです。そして視聴者は、自分がゲームマスターだ。自分が神の目として主人公を操作しているのだと思っているのだが、次第にこの映画に自分が操作されているという恐ろしいことに気づかされる。

そうです。この新しい映画システムで重要なのは映画製作者と観客の駆け引きなのです。そこを意識して映画を作ることで、このシステムは何度でも甦らせることができるし、普及することができるのだ。

2020年代になれば、VR映画がもっと身近になるでしょう。そことどのように結びついていくのかが楽しみです。

8.ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018)

原題:地球最后的夜晚
監督:畢贛(ビー・ガン)
出演:タン・ウェイ、ホアン・ジェ、シルヴィア・チャンetc
鑑賞時期:2018年第19回東京フィルメックスにて

『凱里ブルース』で輝かしくデビューを果たした中国の鬼才・畢贛(ビー・ガン)が2作目で、《映画の途中で3Dメガネをかける》という斜め上をいく映画を作り出した。しかも、3Dになってからは全編ワンカットとなっているのです。それが単なる一発芸の域に留まっていたら、こんなところにはランクインしていません。

本作は、3Dという技法を使って、《夢》のふわふわした高揚感、記憶の移ろいの美しさを見事に生み出した。顔も今や思い出せない《あの女性》の面影を求めて凱里にやってきた男は、夢の世界に入る。すると、ゆっくりゆっくりと時間が進み、身体は浮遊する。そして、鮮明な炎、暗闇に仄かに映る青のコントラストの色彩が、記憶の像をじっくりと紡ぎだす。

映画が終わると、夢のようにサラサラと、あれだけ強烈だった面影が崩れ去る。また、観たい。また、この夢に没入したいと思えど、3D映画という特殊な映画形式故、なかなか観ることのできないこの侘しさすらも美しく感じる。

この文章と予告を観て、興味を抱いた方に朗報があります。2020年2月28日に日本公開が決まりました。これは映画館で観ないと全く意味のない作品です。最高の映画体験が待っているので、是非挑戦してみてください。

9.Mommy/マミー(2018)

原題:Mommy
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、アントワン=オリヴィエ・ピロンetc
鑑賞時期:2014年フランス留学中アンジェのミニシアターLes 400 Coupsにて

『わたしはロランス』ですっかりグザヴィエ・ドランの虜になった私は、大学時代フランスからDVD-BOXを輸入するほどに彼に夢中だった。丁度、フランス留学時代、第67回カンヌ国際映画祭でジャン=リュック・ゴダールの『さらば、愛の言葉よ』 と共に審査員賞を獲る快挙を成し遂げた本作が公開された。

フランスでは毎週火曜日の夜に、各映画館で前夜祭が開催され、一足早く新作を観ることができる。アンジェのミニシアターLes 400 Coups(『大人はわ判ってくれない』の原題が映画館名になっている)では、火曜日の朝になると前夜祭に参加する為老人が並び長蛇の列ができる。私も結構前から並び、チケットを取って参加しました。

正方形の閉塞感溢れる空間の中で、感情をコントロールできない少年が大暴れし、母も感情を爆発させる。サラ・マクラクラン、セリーヌ・ディオンの感傷的な音色がスクリーンの外側で傍観者になっている私の感情をグアングアンと揺さぶり、最後に走り出す少年の姿に号泣した。

今や成熟期に入り、スランプ気味なグザヴィエ・ドランですが、このディープ・インパクトを再び降らせる時を私は心待ちにしている。

余談だが、『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』に彼が出演しているらしい。あまり興味持てない作品だが、観てみようかしら。

10.マッドマックス 怒りのデス・ロード(2014)

原題:Mad Max: Fury Road
監督:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルトetc
鑑賞時期:2015年丸の内ピカデリーにて

アクション映画において、割とアクションと物語を分けて描きがちだ。アクションで物語るということが難しいせいだろう。しかし、ここにアクションで物語る見本が登場した。

ストーリーは一本道を往復するだけ。そこにはアクションしかない。常に狂人たちが疾走しているだけでなのだが、突然国から逃亡した女性たちを巡る追いかけっこに巻き込まれた男マックスの渋々感、へなちょこで完全モブキャラなニュークスに、チャンスを与え、彼が失敗しようものなら、呆れながらも「ここは任せろ!」と先陣を切って尻拭いをするイモータン・ジョーの素晴らしすぎる上司っぷり、仲間を鼓舞するために巨大なスピーカー車でライブを始めるThe Doof Warriorなどといったドラマが複雑に絡みあうのです。

膨大な撮影映像を圧縮するために、早回し、数ミリ秒単位でコマを削り、アクションの物量、手数を詰め込みに詰め込み、それでもってシンプルながらも幾重にも奥深さを宿す豊穣なデス・ロードは文句なしに面白かった!興奮した!

マックス サイコー!
イモータン・ジョー サイコー!!
The Doof Warrior サイコー!!!

V8!
V8!!
V8!!!
フルコンボだドン!!!!!!!!!!!!!!

最後に

いかがでしたでしょうか!

ファンタスティックな映画だらけ、映画祭映画ばかりで申し訳ありません。でもこれが私の本能あるがままに選んだ究極の作品です。これを死ぬ前に映画館で全部観られたら私はこの世に未練なく成仏できるでしょう。

というわけで皆さんも是非2010年代ベストテン作って遊んでみてください!

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