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死ぬまでに観たい2010年代映画100 7章: 2016年

《死ぬまでに観たい2010年代映画》第七章です。

2016年総括(筆者:大学4年生)口コミの時代

2016年、日本において口コミの有効性が証明された年であった。『君の名は。』、『シン・ゴジラ』、『この世界の片隅に』と次々とTwitter等のSNSによる評判が拡散し、普段映画を観ない人も映画館へ足を運ぶ事案が多発した年であった。また、この年はアニメが充実しており、上記の作品の他に『映画 聲の形』、『レッドタートル ある島の物語』等も話題となりました。

世界を見渡してみると、ベルリン国際映画祭で珍しくドキュメンタリー映画『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』が受賞している。本作の監督ジャンフランコ・ロッシは、既に『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』で第70回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞しており、ドキュメンタリー監督として初の三冠王に王手をかけました。そんな彼の『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』は経済移民が不気味に迫っていく様を捉えた作品で、移民政策にうんざりし、国同士移民を押し付けあっている《今》に刺さる傑作であった。また、ヴェネツィア国際映画祭最高賞は、フィリピンの怪物監督ラヴ・ディアスの『立ち去った女』であることから、この年の映画祭は比較的変化を求めていたのではと考えることができる。ちなみに、ラヴ・ディアスはこの年ベルリン国際映画祭に出品した『痛ましき謎への子守唄』で銀熊賞(アルフレッド・バウアー賞)を受賞しており、世界にこのフィリピンの怪物が知れ渡った記念年と言えよう。

ただ、カンヌ国際映画祭は非常に保守的であり、『ありがとう、トニ・エルドマン』、『アクエリアス』、『Ma Loute』、『垂直のまま』、『ELLE/エル』等意欲的な傑作が多かったにも拘らず、最高賞はケン・ローチに与えられるというつまらない結果となった。それに対する怒りか、下記の通りカイエ・デュ・シネマの年間ベストは、カンヌで無冠に終わった作品が7本選出される結果となった。

【カイエ・デュ・シネマ2016年間ベスト】
1.ありがとう、トニ・エルドマン
2.ELLE/エル
3.ネオン・デーモン
4.アクエリアス
5.Ma Loute
6.ジュリエッタ
7.垂直のまま
8.ジャングルの掟
9.キャロル
10.夢が作られる森

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