見出し画像

2の倍数

テニススクールやゴルフレッスンで経験されたことがある方は実感があると思いますが、1度に2個までしか覚えられない。3個以上は中々覚えきれないものです。

また、いつの頃だったか3の倍数でアホになるというギャグがありましたよね。

今考えると、人間の脳の本質をついていたのではないかと思えてきます。

例えば、「メリット」と「デメリット」とホワイトボードに書いて、「それぞれの意見を述べよ!」など上司に言われた経験ありませんか?

ここに「どちらでもない」という選択肢が加わるとどうなるでしょうか。

ちょっと困ってしまいますよね。メリットもあるけどデメリットもあるよなぁ…

ここは無難に「どちらでもない」意見を出しておいた方が身のためだなぁ

結果的に、不毛な時間を費やすことになってしまいます。

どういうわけかわかりませんが、2の倍数で物事を分析すると分かりやすいのです。

有名なSWOT分析も縦に「強み」と「弱み」横に「機会」と「脅威」を置いた2×2ですよね。

「メリット」と「デメリット」に加え、「自社」と「顧客」を加えた2×2であれば、かなり分析しやすくなりますが、ここに代理店を加えて3×2のマトリクスになると、3×2=3の倍数となって、アホになる可能性が高くなります。

一般的にSWOT分析など、マトリクスを利用する分析は、定性分析には最適です。

では、定量分析の際に、簡単に利用できる2×2はないでしょうか。

顧客分析を一例としたフレームワークを紹介したいと思います。実際に、営業時代に使っていたものです。

①まず、図のように2×2として、実際に顧客の数字をプロットしていきます。EXCELを使えば簡単だと思います。

②次に、軸の交点をどうするかです。利益がゼロでは縦軸の右にくる顧客は赤字となります。赤字顧客が多い場合はそれでも良いでしょうが、分析以前の問題になりそうです。ちょうど真ん中(平均値)になるよう縦横軸を設定するのが無難だと思います。

作業としては、以上の2点だけです。

顧客分析例

次に、分析ですが、右上のエリアに入る顧客は、利益も良く数量も多い神様の様なお客様です。

「ここは、3ヶ月に1度程度顔を出せばよいかな」となります。しかし、ある日突然、他社の攻撃により価格を下げざるを得ない状況になり、右下に移行する危険性があります。その準備はしておくべきでしょう。

一方、左下のエリアに入る顧客は、利益も低く数量も少ない。ここに力を入れる必要はないでしょう。他社に取られも致し方なしです。

もっともパワーを使うべきは左上の顧客です。利益は高いが数量が少ない。なんとか、数量を増やすべく訪問回数を増やし、上司を帯同させるべき相手なのかもしれません。

右下のエリアにもパワーを使うべきの様に見えますが、利益を上げる為には、顧客に価格を上げさせてくださいと働きかける方法しかないのかもしれません。なかなか手ごわいですよね。或いは自社で物流コストなどを下げるパワーが必要となります。
しかしも放置していると、最悪のエリアに移行してしまう恐れがあるので注意しておく必要があります。

以上の様に、訪問方針を決めたり、価格戦略を考えるには便利なフレームワークだと思います。

当然、色々なアレンジも可能です。
3の倍数でアホにならないようご注意ください。
参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?