西東京市立明保中学校 オンライン授業報告

3月はじめ、西東京市立明保中学校の中学一年生4クラスの家庭科の授業で、コレクティブハウスについて話をさせていただきました。
当日は我々はオンラインで、スガモフラットから3名、CH聖蹟から3名の居住者が一緒に参加してくださり、動画でのハウス案内や質疑応答に応えていただきました。

そもそものきっかけは、中学校の家庭科の教科書にコレクティブハウスが紹介されていて、明保中学校の家庭科のS先生が、子どもたちに教えるためにCHCと居住者組合で共催しているオンライン見学会に参加してくださったことからはじまり、居住者の生の声やハウスの動画などを子どもたちに見てもらいたいということで、今回の依頼をいただきました。(あまり知られていないのですが、コレクティブハウスは、小・中・高校の教科書や副読本、家庭看護学のテキストにも掲載されているんです)

CHCとしては、「どうせなら子ども用の見学会コンテンツを作ろう」と言うことで、事前にスガモフラットとコレクティブハウス聖蹟の子どもたち(現居住、元居住)にハウスの大人からインタビューをしていただき、子ども目線でコレクティブハウスを見るとどんな暮らしかを語ってもらい、子どもの視点から見たコレクティブハウスの暮らしの楽しみや人間関係についてもお話しました。生徒さんたちは教科書では分からなかった実際の暮らしの様子を垣間見て、コレクティブハウスの暮らしに興味を持ってくださったようです。

以下、生徒さんたちからいただいた感想をいくつかご紹介します。

・それぞれ意見が違うけれど、周りがカバーしていて優しい憩いの場のように思えた。みんなが住みやすい環境に、みんながしていく。いいところだと思った。
・しっかり一人ひとりの意見を聞いてくれるのがとても良いと思いました。
・トラブルの対処法は、皆で話し合うといっていたのは、とても驚きました。
・多数決を取らず、意見が合わない場合は、話し合うようにするのは良い。
・楽しいという気持ちが伝わってきて、聞いていて楽しかった。
・協力して生活するのは、家族とはまたちがった良さがあり、楽しそうだった。
・温かい雰囲気に包まれていることを感じました。他人と思えない関係が築けることがいいと思った。
・自分の想像以上にずっと楽しそうで、もっと調べてみたいと思った。
・親以外の人とも気軽に話すことができて、魅力的で住んでみたいと思った。
・実際に話を聞くまで、なんか面倒くさそうだと思っていたけど、良い場所ということを知り、いつか住んでみたいと思えるほど、興味がわきました。
・他人同士が親戚のように親しくして、子守や食事などを共有できることが素晴らしいと思った。ネグレクトや虐待が減ることになると思う。
・子供がひとりになったり、留守番していてもコモンルームに大人がいるのが最大のメリットであり、戸建てとは明らかな違いだと感じた。
・意外と共同で住むのはよいことも多くあることがわかった。
・授業で聞いただけではイメージがわかなかったけど、実際に入居している人から話を聞い て、理解が深まった。
・自分の質問を聞いてくれたり、色々な世代の視点から答えてくれて、おもしろかった。
・協力しているから、親がいなくても不安にならなくて良いと思った。
・災害のときや親の帰りが遅いときなど他の人がいるのはとても安心だと思った。
・親以外にも気軽に話したり、遊んだりできるのは魅力的で、住んでみたいと思った。

今の家族だけの暮らしを振り返ったり、これからの暮らしを想像してみる機会になったようですね。そして、何より、楽しい・住んでみたい、という子どもたちの声がとても多かったことがうれしいですね。

次に、授業で質疑に応えてくださった居住者の方々の感想です。

「中学生のみなさん、かわいかったですね。今日の授業で「コレクティブハウス」という言葉を覚えてくれたかなというだけでも、すごく意味のあることだったんじゃないかと思いました。質問もたくさん出ていましたね。興味持ってくれたのであればうれしいです。」 スガモフラットHMさん

「中学生がコレクティブのことを知ってくれて、「将来どんな生活をしたいか」となった時に、思い出してくれたらなーと思います。学校修了時、「どんな暮らしをしたいか」なんて考えたことなかったなあ。学校の授業でも取り上げられなかった ...。マクドナルドのやり方ではないですが、子どもの時に刷り込んだことは忘れないもの。中学修了までに「暮らし方は一つじゃない」ことを知ってもらうことは大事(他にも知って欲しいことはたくさんありますが)だと思います。」 CH聖蹟MSさん

「中学校の授業、とても良い経験させていただきました!コレクティブハウスを知っていたという学生さんは、どんなきっかけで知ったのか気になりました。あと、おもったより綺麗という感想も興味深く、綺麗という第一印象はどの部分なのかも大事なポイントだと思いました。逆にいままではどんな風にイメージしていたのかも気になります。」 スガモフラットHKさん

そして最後は、参加してくださったコレクティブハウス聖蹟居住者の高校生 KMくんの感想です。3歳の時からコレクティブハウスに住んでいるKMくん、短時間ではコレクティブハウスの魅力を伝えられないという愛を感じます。事前の子どもたちへのインタビューにも参加し、その時のことも振り返って前向きに改善点を語ってくださっています。

「約1時間の授業では時間が足りないように感じました。
居住者から生徒の皆さんの質問に回答する形式は良いと思うのですが、スライドが短時間の為、あまり踏み込んでいない質問や、ハウスの良さが伝わっていない質問が多いなと感じました。

<出た質問>
ハウスの部屋決めはどうするのですか?
居住者に外国の方はいますか?
友達を連れてきても良いのですか?
ハウスのルールはありますか?
お年玉や誕生日会はおこないますか? ...

ハウスは質問内容とはまた別に大きな良さがあると感じています。ですが年齢的に気になる部分があったり、あまり興味がない子もいるのでタイプ別?に質問をしてもらえるように調整するのは難しいと思います。

そこで子ども視点でのスライドを改良してはどうでしょうか。インタビューを受けている子どもが緊張しているように感じました。それを踏まえると、それぞれの親御さんに聞いてもらうのはどうでしょうか。
各親子でハウスならではのエピソードを持っていると思います。単純に日常会話で聞き出してもらうのも良いかもしれません。

そう言えば昔こんな事があったけど覚えてる?
他の生活じゃできない事だよね。

みたいな感じで、子どもに緊張させたりしないように。子どもは日常会話に本音が出るなと感じているので、子ども視点がより分かりやすいものになるかもしれません。
今後の授業のために質問をリスト化し、多い質問をスライドでうまく表現できるとより良いものになると思いました。」 CH聖蹟KMくん

皆さんの周りでも子どもたちにコレクティブハウスのことを知ってもらう機会、小・中・高校の学校関係者の皆さんも授業で取り上げる機会がありましたら、是非お声がけください。

(CHC狩野)

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