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いただいた飴は 温かい気持ちと一緒に

昨日の仕事帰りに駅に向かっていると、
駅へ向かう昇り階段の下で一人のお母さんが
左手でベビーカーを押しながら、
右手で男の子の手を繋いでいた。

階段を昇らずにいるのは、男の子が階段を
昇ることを嫌がっている様子だった。
男の子は年長さんか小学生くらいかな。

駅は2階。目の前には階段しかなく、
エスカレーターはない。
エレベーターまではホームの端と端くらいの
距離があるため少し遠い。

“声かけた方が良いのかな?”
と思いつつ、私は人見知りを発動中…。
どうしようかと悩んでいたところ、

「お願いだから。階段を昇らないと帰れないよ。
    もうすぐ電車が来るから急いで!」

のお母さんの声に、泣きそうな男の子。
これは私が頑張らないと!と勇気をふりしぼって
声をかけてみた。


『私に何かお手伝いできることはありますか?』

「あっ、ありがとうございます。
    こちら(ベビーカー)をお願いできますか?」

『わかりました』

と答えてベビーカーを持ち上げようとしたところ、
男の子が私のカバンを掴んで、一言。

「だっこして!!」


……。えっ、そっち?
男の子のまっすぐな目でお願いされたら、
さすがに断れない。

男の子のお母さんに許可をとって、
持っていたスプレーでお互いに消毒してから
男の子をだっこして階段を昇ることに。
こういう時に、世の中のお母さんはすごいなと
感心します。


昇りきってお別れをした後に、
男の子が駆け寄ってきてくれて、ポケットから
ぺこちゃんの棒つきキャンディをくれた。

「これ、大事にしてたけどあげる。
     お母さんを助けてくれてありがとう」

と言い残して、手を振ってバイバイしたあと
お母さんのもとへ。



帰りの電車でもらったキャンディを見ながら
思い出していたのは、さっきの男の子の言葉。

“お母さんを助けてくれてありがとう”
って素敵なコトバだなぁ。

“だっこしてくれて”とかじゃなくて、
お母さんを想うコトバでお礼をもらうなんて。

男の子からもらったキャンディは、
温かい気持ちが詰まっているように思えて、
一週間の疲れなんて吹っ飛んでいった。

お礼を伝えないといけないのは、
私の方だったのかも。


最後まで読んでくださってありがとうございます。
この出会いを大切に🍀

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これからもよろしくお願いします。



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