馴れ初め。

先日、「無名人インタビュー」でインタビュアーさんから主人との馴れ初めを聞かれた。
大雑把に答えたのだが、なかなか面白いエピソードかもしれないので、ちょっと書いてみる。

実は、私たち夫婦は恋愛結婚ではない。
いわゆる「婚活」を互いにしていて、「居住地群馬県」というのに、ちょっと惹かれたのだ。
埼玉に住んでいた私は、この「隣県だけど、卒論の資料探し以外では滅多に行かない、新天地」に興味を持った。

埼玉時代の社会人生活の惨憺たる有様は、以前話した通り。なので、どこか別の場所で新生活を送りたかった。
そんな時に、「群馬の人」から声がかかり、何となく北の大地に吸い寄せられるように、メールのやり取りを始めたのだった。

そして、はじめてお会いする日。

婚活経験者なら経験があると思うが、婚活会社の方から「出来るだけたくさんの方とお会いするように」と言われていて、私も御多分に洩れず「たくさんの人と数回会って、薄い会話しかできず、これで良いのかと悩んだ末に振られる、もしくは振る」という事を繰り返していた。
だから、人を傷つけた経験も持つ。人に傷つけられた経験も持つ。
その経験がさらに「薄い会話」しか産まなくなってしまう原因にもなっていた。

さて、そんな後ろめたさのようなものを抱えながら「彼」(現在の主人)に会い、「趣味は…」とか「休日は…」などと話していた。
すると。
「彼」は突然、「僕、今日歯医者に行って、歯が痛いから薬飲んできます」と言い残し、脱兎の如くトイレに行ってしまった。

呆然とする私と、テーブルの上のスパゲッティ。「面白いではないか!」

「彼」は、会うたびに予測不能で、面白かった。聞けば、普段は営業マンだという。なるほど、臨機応変な訳だ。

ある時には、榛名湖(群馬県の榛名山にある湖)で強風の中スワンボートに乗り、行きは良いが帰りが大変だったり。
またある時には、夕暮れ時に榛名神社へ行き、暗くて石段がよく見えなくなった状態でお参りをしたり。

予測不能だけど、最後にはきちんと帳尻を合わせてしまうのが、「彼」の凄いところで、イレギュラーに弱い私とは正反対の性格だ。
これほど強い味方はいない。

そんな事があり、私たちは一年位お付き合いして、結婚した。

結婚して、住む場所が変わり、主人の親御さんとの繋がりができ、主人の仕事の都合で福岡に来た。これからも、もしかしたら仕事の都合で引っ越すかもしれない。
それでも変わらないのは、主人のイレギュラーに強い性格と、お互いの程良い距離感だろう。

あ、そうそう。
今日はあげ春巻きを用意して待っていたのに、「ごめん、お腹すいちゃったから、ご飯食べて帰る。」ですって…。明日食べるとか言ってたけど、ホントかなぁ笑笑。

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