見出し画像

高輪ゲートウェイ駅から泉岳寺・品川周辺を歩く

土木を愛する仲間と一緒に都心の街歩きを楽しむ機会がありました。今回は高輪ゲートウェイ駅から泉岳寺・品川周辺を歩いた記録を書きたいと思います。おそらく東京の中で一番変化が激しいエリアの一つである、品川・高輪エリア。いろいろな工事が進んでいて、熱いエリアでもあります。普段は多摩地域から新宿や渋谷までしか出没しないだけに、品川エリアはほとんど足を運んだことがありませんでした。土木仲間と街歩きができるのは、またとなく楽しい機会と思います。

街歩きのスタートは、高輪ゲートウェイ駅。山手線で久しぶりにできた新しい駅です。

駅舎は、気持ちいいくらいの吹き抜けの開放的な空間。

随所に近未来の駅を感じさせるような先進的な取り組みがあり、新しいスタイルの駅のモデルルームみたいな感じがします。まだ駅の周りにあまり建物等が無いため、利用客もまばらなので、余計にそんな感じがするのかもしれません。ホームの表示板や、完全無人店舗のコンビニなども、非常に興味深いです。

駅の周りは、昔品川の車両基地があった部分を利用した再開発ビルの工事が進んでいます。後ろに見えるのが、第一京浜・泉岳寺付近です。

第一京浜を渡り、少し陸側に歩くと、ほどなくお寺の門が見えてきます。泉岳寺です。最新の再開発地区と、昔ながらのお寺が併存する街、なかなかなカオス感がいいです(笑)。

立派なお堂があります。泉岳寺と言えば・・・

忠臣蔵でおなじみの、赤穂浪士のお墓がある場所です。これは、大石内蔵助の銅像。

赤穂浪士の四十七士のお墓があり、線香をお供えすることができます。たくさんのお墓をみて、47人は非常に多いと実感しました。

再び第一京浜まで戻り、昔の東海道の、「高輪大木戸跡」に来ました。ここは、東海道の江戸への入口となる場所でした。土塁の間に大木戸があったそうですが、今は土塁の一部を残すのみになっています。

さて、次の目的地を知らせる案内板。「おばけトンネル入口」
これだけ見ると、なんじゃそれ?と思いますが(笑)。

な、なんとガードマンさんまで、「オバケトンネル」をアピールしています。

オバケトンネルを目指す途中の工事現場の仮囲いを覗くと、築堤が出現。鉄道開業時代の貴重な土木遺産と言われる、「高輪築堤」を垣間見ることができました。

その反対側に見える、たくさんの杭打機。ビル工事がどんどん進んでいます。

オバケトンネルは、品川の車両基地を東西に横切るアンダーパスの道路です。一部はビル工事の用地となったため取り壊されている途中です。太径の下水道管が新たに敷設されていますが、アンダーパスの下にも既設下水管のような管が見えます。異様に桁下が低いのは、下に下水管が埋まっていたからやむなくこの高さにせざるを得なかったのかもしれませんね。

今は車は通行できませんが、少し前までは通行できました。タクシーの提灯が、この道を通れる高さとして設定されていた、とか都市伝説があるくらい有名な道です。

高輪橋架道橋、高さ制限1.5mということです。

片仮名ばかりが並んだ施工表示板です。どうやらコンクリートの劣化対策工が施工されたようです。古びたアンダーパスもしっかりと躯体の劣化対策が施されています。

アンダーパスを越えると、新幹線の回送線路が見えてきます。手前のクレーンは、下水管路の切り回し工事のようです。線路を横断する下水管が、この地区ではどうやら重要な存在のようです。

直下に芝浦運河が流れています。少し奥に、不思議な橋が架かっています。

この橋が、不思議な橋、「芝浦併用橋」。新幹線の回送線と、その隣の貨物線(いまは休止中)の橋を支えているのは、何と直下の道路橋のトラス部分。おそらく芝浦運河に橋脚が建てられないため、こんな不思議な構造になったものだと思われます。非常に珍しい橋です。

舟運がもたらした、不思議な橋と言えるのではないでしょうか。

この併用橋のすぐ隣は、芝浦水再生センターが広がります。東京の下水を処理する巨大処理場の上部には、公園が広がり歩くことができます。

公園を楽しむも良し、下水処理場の配管を楽しむも良し、です(笑)。

上部空間の下部に広がる空間を垣間見ることができる場所がありました。

品川シーズンテラスは、下水道施設の上に建つちょっと変わったビルです。

品川駅の脇では、中央リニア新幹線の駅の工事が進みます。

品川駅の京浜東北線ホームでは、山手線の電車が発着できるホームを工事中です。昔の京浜東北線北行きのレールを撤去し、山手線の電車が発着できるようにホームを拡張工事中です。

近日中にホームの切換が予定されています。すでにホームドアができて、山手線が発着できる状況が整いつつあるホーム。

山手線ホームにある、立ち食いそば屋さんで、品川丼というかき揚げ丼をいただきました。これが絶品です。

【終わりに】
高輪ゲートウェイ駅から、泉岳寺付近を散策し、オバケトンネルと言われる、線路下を横断するアンダーパスを利用し、芝浦運河、芝浦水再生センターなどを見学してきました。未来の駅・街となる場所の隣に、江戸を感じるスポットがあり、ディープな土木構造物めぐりが楽しめる場所が混在し、非常に面白い街歩きができました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?