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【南大沢土木構造物めぐり】No.58 アートな街の風景

多摩ニュータウン・南大沢はパブリックアートがたくさんあります。あまりに数が多すぎて、まだまだ知らないことだらけですし、知っていたとしても、題名が何で、誰が作って、何を表現したいかがわからないことが多いです。今回は、アートな街の風景を取り上げたいと思います。

この記事を書くきっかけは、最近土木学会×noteのテーマ投稿に、「よんほんばしら」のある街という題名で、南大沢5丁目のパブリックアートを投稿したのがきっかけです。ほかのアート作品も数多くあるので、それを紹介したいと思いって、今回取り上げています。

アートの名前と場所については、八王子市のHPに一部掲載されていますが、それ以上にたくさんの作品があります。

表紙の写真を再掲します。これは柏木小学校の近くにある、3本の柱のようなアートです。どういうアートなのかは、説明できないので、皆さんの想像にお任せします(笑)。

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柏木公園の入口にある、アートなオブジェ。ちょっとレトロな感じもしますが、公園のシンボル的なアートです。2匹のアシカがボールを持っているのでしょうか。昔はボールに「柏木公園」と書いてあったのでしょうか。

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南大沢3丁目の商店街前にあるアート。遊歩道の真ん中にあるので、地域を象徴するような存在です。上述したHPに、
 「風に立つ」 工藤健 作(1983年)

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同じく、溜池公園の近くには、工藤健さんの「集いの詩」という作品があります。この地区は、南大沢で最初に街びらきした地区。それに合わせて、当時の最先端のアートな彫刻を設置したようです。

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工藤健さん、調べてみましたが、多摩美術大学名誉教授の彫刻家です。当時は助教授だったようです。HPにも、この2作品の名前があります。

続いては、東京都立大学の北側、柳沢池公園です。ここでは象形文字をかたどったアートが設置されています。

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富士見台公園の入口の公園の名称が刻まれた石。これも立派なアートです。

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富士見台公園にある彫刻作品「眼の城'88」。HPによると、

【作者】新妻 實
【設置場所】富士見台公園
【材質】大理石
【設置年月】平成3年7月
【作品説明】
第7回八王子彫刻シンポジウム作品
「アメリカでは、でかいことはいいことだという。ここのところ、大きな彫刻はいいとはいわない。この八王子で、今制作している大きな彫刻が、いい彫刻であるように掘っている」と作者は語る。 

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新妻實さんは、アメリカを拠点に活躍された有名な方のようです。すでに他界されています。

次は、南大沢駅前の中郷公園にあるアート。この作品は、石にひび割れが入っている作品で、いつも子供たちがよじ登って遊んでいる、地域ではおなじみの作品と思います。

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よく見ると、作品名が書いてあります。HPにも記載があります。

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【作品名】直径24000mmの円周上における1対2対4対の弦
【作者】前川 義春
【設置場所】南大沢中郷公園
【材質】白御影石
【設置年月】平成5年11月
【作品説明】第9回八王子彫刻シンポジウム作品
コンセプトと形態を出来うる限り単純化し、彫刻が自然の影響をうけつつ状態として風景と一体化し、長い時間をかけて完成に向う。作者の石に対する行為は自然と同化してしまわず、あくまで一線を画した上で痕跡を残しつづけられるものである。

まさか正式名称がこんな名前とは(笑)。前川さん、検索してみると、広島市立大学でつい最近まで教授をされていたようです。

場所変わって、このアートは見晴歩道橋の近くにあるなまずのアート。何の説明書きもなく、チョコンと鎮座しています。地元の子供たちがまたがっていくせいか、周りの植栽がすっきりしています(笑)。

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その他、アートな風景をいくつか。
シャワーヘッド型の街路灯(中郷公園)

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輪舞歩道橋の橋名板のようなアート

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鋼板もアート作品のような感じ。(ホチキスのように見えます。どうやら見通しをよくするために柱を省略したいがために、吊り構造としたようです)

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駅前広場の照明も、なんやら昔の遊園地の遊具のようにも見えます。

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松木地区にある、照明。これもアートな感じがします。

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アートな作品と言えば、京王堀之内駅近くの大栗川沿いに不思議なオブジェを一杯見つけました。なぜか笑っているように見える石の作品がたくさん。フクロウにも見えるような石もあります。河川敷なので、草に埋もれているものもあります。なんでこんなものが設置されているのかは、不明です。

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これ以外にも、アート作品はどこにある?と問われたら、ここと、ここと、ここと・・・というように、数えきれないようにあると思います。それらは街を歩く人たちに何となく印象に残るものを与えてくれているでしょう。見る人が何となく感じている印象こそが、設置した芸術家たちが表現したいことと一致していれば、それは素晴らしいのですが、そうでなくても、またその芸術作品が違った解釈をされているということで、素晴らしいのかもしれません。

【終わりに】
地元・多摩ニュータウン 南大沢には、パブリックアートがたくさんあります。ほんの一部からは、作者の横顔なども見ることができますが、大学の先生など、彫刻家の世界では一流の方の作品も少なくないようです。できれば、美術の世界に詳しい方の解説などがあると、地域の住民ももっとアートに興味を持ち、その作品の奥の世界に触れることができるのではないかと感じました。
土木の世界も、橋や照明など、景観デザインという分野では、アートと深いかかわりがあります。そういうデザインに関わった設計者の思いのようなものも、解説できるようになっていければ良いと思います。そうするためには、まずは名無しの作品ではなく、いつ、だれが作った作品であるかを調査し、存命のデザイナーから話を聞くなど、アーカイブを作ることも重要だと感じました。


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