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◎鉄道が生まれた記念日◎北大阪急行電鉄の延伸開業のその日に

2024年3月23日、新たな鉄道路線が開業しました。北大阪急行電鉄の、千里中央駅から箕面萱野駅までの区間の延長開業です。大阪市内中心部の大動脈、大阪メトロ御堂筋線の電車が、そのまま乗り入れる北大阪急行電鉄が、今までの終点、千里中央駅から2駅北に延伸され、箕面市内の箕面萱野駅まで延伸されました。(ニュース映像のYoutubeを貼ります)

たまたまその前日に、用事があり京都まで来ていたので、少し足を伸ばし、開業当日のこの区間に乗車しに行ってきました。鉄道好きですが、開業初日にその路線に乗りに行った経験は実は初めてで(笑)、嬉しい訪問でした。土木を専門する人間にとっては、ある意味自分たちの土木事業が身を結び、しっかりと地図に刻まれる瞬間、でもあります。その模様をレポートしました。

■北大阪急行電鉄延伸プロジェクトとは?

北大阪急行電鉄は、大阪市中心部を貫く大動脈である、大阪メトロ御堂筋線の終点、江坂駅から直通運転し、千里ニュータウンの拠点である、千里中央駅を結ぶ路線です。完成したのは、1970年。実はこの年に行われた、大阪万博のアクセス鉄道として開業し、千里中央駅は当時終点ではなく、千里中央駅付近で東に折れ、中国自動車道沿いに線路を伸ばし、万博会場まで線路が伸びていました。万博終了後、中国自動車道沿いの線路は廃止され、今の千里中央駅までの路線になっていました。
長年、千里中央駅までの路線でしたが、数十年前から計画されていた、箕面萱野駅までの延伸が実現し、途中に箕面船場阪大前駅が設置されました。千里中央駅から箕面船場阪大前駅を越えたところまでは、トンネル区間、その先から箕面萱野駅までは、高架橋区間となります。

■新路線に乗って

大阪モノレールで、千里中央駅に到着です。
モノレールの千里中央駅改札口。
北大阪急行との乗換駅です。
ショッピングモールがある駅前を、アーケードで移動します。
多くの人が利用する乗換ルート。
千里阪急。千里中央駅を代表する商業施設です。
北大阪急行の千里中央駅。軌道階はコンコース階からよく見える構造です。

前日までは、終着駅だった千里中央駅。大阪の人たちにはおなじみの、「千里中央行き」という行先の電車が、もう見られなくなってしまっています。

千里中央駅の駅名標。新しい「箕面船場阪大前」駅が次の駅として仲間入り。
さあ、箕面萱野行きに乗ってみましょう。
一般客も、たくさん写真を撮っています。
次は、箕面船場阪大前 というアナウンスや、表示は、
全て目新しいですね。
駅名標示等は、シールで貼っただけの対応になっています。

■箕面船場阪大前駅へ

箕面船場阪大前駅で下車。写真を撮る人、多数です(笑)。
ここから千里中央駅までは、シールドトンネル区間。
このトンネルも、晴れて開通の日を迎えています。
目新しいトンネル、いいですね。
振り返ると、こんな感じ。
ドボクスキーは、車両でなく、ついトンネルに見入ってしまいます(笑)。
これからいつもの街の駅になる場所ですが、
みんな初めて見る駅名標。
コンコース階にも、たくさんの人が来ていました。
改札の入口付近にある、駅名標示。
改札の横には、延伸開業を祝う装飾が。
地下から2階デッキに直結するエスカレーターがあります。
今日はたくさんの人で賑わっていました。

地下から地上に行くエスカレーターの脇に、こんな記念プレートを発見しました。

箕面市が設置したプレート。

北大阪急行電鉄南北線延伸線の新駅「箕面萱野駅」並びに「箕面船場阪大前駅」が令和6年3月23日に開業いたしました。国及び大阪府から手厚い財政支援(社会資本整備総合交付金等)を頂くとともに、箕面市が負担した事業費(約282億円)は、皆様からのご寄附並びにボートレース事業の収益金により賄われたもので、ここに感謝の意を表します。箕面市では、ボートレース事業収益金を、社会福祉の増進、医療体制の充実、教育・文化・体育の振興その他住民福祉の増進を図るための施策を行うのに必要な経費の財源に充てています。

何と、この鉄道の建設に、ボートレースの収益などが貢献しているとは。新たな鉄道を敷設することに、いろんな局面があるのですね。

エスカレーターに乗り、2階へ。2階は人工地盤で、箕面市の市民ホールや、
阪大箕面キャンパスに直結しています。
こちらは、歩道橋です。
新御堂筋と、その側道があるのですが、それを跨ぎ越す新しい歩道橋。
地下の新駅だけでなく、地上部分も新しい施設ができました。
歩道橋から見える場所に、ビル建設現場が。
仮設構台に、「祝!新駅開業」の文字が。
こういうの、結構好きです!
みのお 新駅開業の祭典 が開かれていました。
箕面市は、本当にお祭りモードでした。
開業までのカウントダウンボードも、「0日」になっています。
本当におめでとうございます!
市民ホールには、延伸事業の軌跡のミニ展示が。
結構起伏の激しい地表面。
地下トンネルと高架橋は、こんな感じでアレンジされています。
あいにくの雨でしたが、地域の方々は思い思いに開業を祝福していました。

■箕面萱野駅へ

さらに1駅移動し、終点、箕面萱野駅に着きました。
こちらは、箕面船場阪大前駅以上の大賑わい。
雨の中、新路線の撮影する人、多いです。
木材も多く使われた駅。
電車が到着すると、撮影会の様相になります(笑)。
といいつつ、私も1枚撮影(笑)。
ここから新大阪・梅田・心斎橋・なんば・中百舌鳥に直通なのです。
駅前は、人だかりです。
元々「キューズモール」という大型商業施設がある賑やかな場所。
アクセスが良くなり、たくさん人が来ています。
キューズモールの新館がオープン。入場制限されるほどの人気でした。
駅開業と同時に、バスターミナルも開業。
地域のバス路線が大きく見直されました。
バスの案内板。箕面市内を中心に、
交通路線網が大きく塗り替わった日でもあるようです。
箕面萱野駅の駅名標示。
箕面市のマスコット、ゆずるくんが新たに設置されたのでしょうか。
こちらの駅前も、同じくお祭りムードでした。
残念ながら、あいにくの雨で、人出はちょっと寂しかったです。
その模様を生中継する、テレビクルー。ご苦労様です。
駅のホームドアには、ライバルになる、千里中央駅の商業施設の広告が。
千里中央の店にとって、この街は新たな商圏か、ライバルか?
新大阪駅に帰りました。いつもの行先は、「箕面萱野」行きになっています。

■終わりに

新たな路線の開業した当日に、初乗りを楽しみました。乗っている人たちは、みんな何だか嬉しそうで、新線の開通を一緒に喜んでいるような雰囲気になりました。この2駅は、既に市街化されている場所を通っているので、これからたくさんの人に利用される路線になり、地域の普段の足として活躍してくれることでしょう。土木の人にとっては、長年かけて実現した念願の路線の開通です。そんな一日に立ち会えたのは、貴重な経験でした。

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