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勇者「か゛か゛」の遥かなる旅路。(ドラゴンクエストIII そして伝説へ…)

きょう5月27日は、初代『ドラゴンクエスト』の発売日。もう38年も前になるのだな。生まれたばかりだからさすがに遊べなかったけど、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が発売するころには4歳になっていた。

『ドラクエIII』は、僕が人生で初めてプレイしたRPGだ。勇者の名前は「か゛か゛」。なぜこんな名前をつけたのか、自分のことながらさっぱりわからなかった。……数年前までは。ムスメが練習で書いたひらがなを見て、長年の謎が解けた。いわば当時の私は、濁点にハマっていたのだ。きっと、覚えたばかりの濁点を使ってみたかったのだろうな。

そうして物心がつかないまま、一気に『ドラクエIII』をクリアしてしまった。6つのオーブのありか。王者の剣のつくりかた。ゾーマ城の隠し階段。4歳でよく見つけたものだと思うけど、きっと父親が助けてくれたのだろう。

はがねのつるぎに持ち替えたときのうれしさ。ヒャダインやバイキルトの気持ちよさ。レベルアップして「▼」マークが出ているときの、呪文を覚えるかどうかの緊張感。はぐれメタルがしあわせのくつを落としたときの歓喜。そして、ぱふぱふの意味がまったくわからなくて、親に聞いたときのあの反応。

あまり出かけることのない家庭だったけど、まるで旅行のアルバムのように、たくさんの思い出がよみがえってくる。初めてプレイしたRPGが『ドラクエIII』で、本当によかったと思う。

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ムスメが保育園の年長だったころ、音楽発表会のプログラムを見てびっくりしたことがある。ドラゴンクエストの『序曲』の演奏をするという。38年前だったらこうはいかない。それだけ、ゲームが世の中に受け入れられてきたということだろう。

そして演奏が始まった。もちろん両手を使うような本格的なものではなく、片手でメロディーをなぞるだけだ。でも、拙いけれど一生懸命な音が、まっすぐ心に響いてくる。まさか、ムスメの演奏するドラクエの曲を聴けるなんてね。

いまもときどき、リビングでドラクエの曲を流す。何百回と聴いているけれど、やっぱいい曲だよな、と思う。38年経っても、子供といっしょにドラクエの世界にひたれていることに、心から感謝したい。

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