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息子を医者にしたくないお医者さんの話

子どもをどの進路に向かって育てるのか、もちろん子どもの希望があればいいのですが全くない我が子のような場合、親のバックアップとしてどの方向へ導いたらいいのかよく悩むんですよね。

今の時代、この職業にすれば子の生活は安泰とか、幸せになれるとか、決まっているようなものがないですよね。一昔前なら、例えば文系なら弁護士になれれば人生間違いないみたいな、そういう感じがあったかもしれませんが、今は弁護士はなるのが難しいわりに収入としてそこまで良いとは限らないようですし。

研究好きなら大学教授?博士課程を取るまで研究しても薄給を耐え忍ぶ生活ですし、そもそも大学が減っている昨今、大学のポストにありつけるかどうか定かではありません。

収入面で良いのは会社経営者とか?でも起業してお金持ちになるというのも、ものすごく不安定で、長い期間収益を上げ続ける会社を作れる人はごくわずかです。新型コロナでも垣間見えたように、何かの要因で顧客がいなくなるようなことがあった場合、今まで血のにじむ努力をして作った会社が一か月でつぶれるということもあります。

東大生がほぼなってきた官僚でしょうか。でも今は給与面もあまり良くないし、ブラック過ぎて子になってほしいとは思えません。古い体質に苦しむのが目に見えています。

親として、この職業ならと子に勧められるようなものが見つからないのです。

その中でも、どうも中学受験で学校の進学実績を見ていると国立医大というのが一つみんなが狙っている進路先のようで、確かに色々な職業の中で今も世の保護者がならせたい職業として生き残っているのが医者なのかなという印象を受けます。

医者か。以前知人で大学病院の循環器外科勤務の男性で、息子は医者になってほしくないと話していた人がいました。家族と一緒に過ごせるのは夏休み一週間だけ、その一週間でさえ遠くには行けない。緊急の患者さんがいたらどこにいても呼び出される。息子には、きちんと日曜日休んで家族と過ごせる仕事についてほしいんです。と。

では開業医を目指しては?と聞いた私に、個人のクリニックをつくるときに作った借金は一代では返せません。息子に継がせることを前提にしてしまう。それは嫌なんです。他の職業についてほしい。と。

大体医者の息子は医者になるんでしょと思っていた私は、意外に思ったので覚えているんです。子に医者になってほしくないお医者さんもいるんだ。。

もちろん、循環器外科というハードな科にいるからこそだとか、日本じゃなくて海外で医者になればブラックじゃないとか、色々反論できますが、医者になるため国立医大に行けと闇雲にプッシュするのもどうなのかなぁと思わされたことも確かです。そのお医者さんはお寿司屋さんになりたかったんだそうです。まあお寿司屋さんも体育会系でだいぶハードだと思いますから、どっちが良かったんだか分かりませんけどね。飲食業も日曜日休めませんし。

結局のところ、なったから安泰というような職業はすでに存在しておらず、それが好きだからとか、やりがいがあるからというものを子が見つけるのをひたすら待つのが正解なのでしょう。しかしながら解のない時代における子育てのなんと難しいことか、とよく思うのです。



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