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子どもに英語を教える時やってはいけないこと

前に我が家の英語教育についてブログを書きました。

このブログでは、何をやったか、ということを書いたのですが、私が意図的にやらないように気を付けていたことがいくつかあるので、それを書いてみようと思います。

私は一応日本語教師でして、日本語教師を養成したりもしています。日本語教師になるときに、第二言語を取得するときのメソッドを勉強したのがけっこう子に英語を教える時にも役立っています。そのメソッドに従えば、やってはいけないことがいくつかあるのです。

①英語が流暢ではない親が、日常生活で英語で子に話しかけながら英語教育してはいけない。

どういうことかというと、特に英語で全て表現できるわけではない人が、ところどころ英語にして、例えば「私はbreakfastをもうeatしたのよ」とか、そういう「英語でもなければ日本語でもない」言語を話してはいけないということです。いわゆるルー語ですが、こんな言語は存在しません。これをやると、単語力がつくとか、英語に慣れるなどと、良かれと思ってやる親がいるようですが、逆効果のことが多いです。どうしてもやるなら、せめて、全ての文章が英語で会話できるくらいでないと。

②精読と速読のメソッドは違うので、ごちゃまぜにしてはいけない。

精読というのは、文章の単語一つ一つの意味を確かめながら、ゆっくりと確実に意味をつかむ読み方です。対して速読は、ざっくりとした内容を想像しながら読み進め、細部にはこだわらず全体的な流れを追う読み方です。

意識しないと、精読の時に文法や単語の意味を掴まずに終わってしまってあまり勉強の効果がなかったり、速読の時にいちいち単語の意味を調べて読んでしまって、なかなか先に進まず飽きてしまったりします。精読の時にはしっかり細かく、速読の時には、少しくらい分からない単語があっても前後の文脈に支障がなければ飛ばすとか、内容から単語の意味を想像するとか、そういうことをしながら読むようにすることを心がけます。精読は、量を読む必要はありませんが、速読ならなるべく一定時間にたくさん読むようにします。

③語彙は、その語彙だけで覚えてはいけない。

どんな語彙でも、その語彙にはよく使われる場面や、その国での適した使い方があります。語彙だけ切り離して覚えようとしてしまうと、どうしても使い方の面で難が出てきてしまいます。なのでなるべく、教科書のあの文章で出てきた単語だ、とか、誰々と話している時に使ってた単語だ、とか何かしらの文脈につながる覚え方をした方がいいです。できれば、単語一つを覚えるのではなく、そのフレーズを丸ごと覚えるようにします。

語彙についてもっといえば、どんな語彙でもそれが使われている国の文化や風習との深いつながりの中で成り立っていますので、単体で日本語に訳しても、厳密にいうと対応できる語彙はありません。「うらやましい」と「envy」は辞書的には同じような意味ですが、全然持っている意味合いは違いますよね。その社会においてその語彙にどのような意味合いがあるのかはそれぞれ違うのです。なので語彙の意味はできればその言語で理解した方がいいです。でもこれは初級からできることではないので、中級以上になったら、英英辞典を使うなどして、心がけるべきです。

④英語を垂れ流すだけの教材には、大きな効果を期待してはいけない。

子どもが小さいころにディ〇ニーなどの高価な英語教材を買って、そのビデオを家でずっと見せている、という話を聞いたりしますが、あまり意味がないです。全然意味がないわけではないでしょうし、見て楽しいならそれは良いと思いますが、英語教育をしっかりしたいのならば、受け身の教材を使ってはいけません。英語を聴いて理解し、それに基づいて自分が使い、それを相手が理解する、という一連のサイクルがないと身につかない、ということが基本的には言われていますので、聴いて理解するだけのステップしか満たさない教材を延々と聞かせるのは、教育法としては良いとされていません。たまに面白いコンテンツを気晴らしに見せるとか、そういう使い方なら良いでしょうが、中にはかなり高額な教材もあるので、どれだけの効果を期待して購入しているのかなと思うことがあります。

⑤たくさんの参考書を使ってはいけない。

この⑤はメソッドからというより教えた経験や、勉強法全般から思うことです。先日英検を受けに行った際、小さな子たちがたくさんの参考書や単語帳を持っているのに驚きました。多分塾で買わされるんでしょうね。でもそんなに買う必要ないです。3級を受けるまでに必要な文法は、前にも書きましたが非常に単純なものばかりです。参考書が必要なほどややこしい文法はありません。むしろそんなにたくさん使ったら、混乱するのではないかと思います。単語帳も、単語数がそんなに多くないという点からも、③で書いた単語を独立して覚えさせないためにも、必要ありません。単語帳は中級以上になって覚えるべき単語の数が膨大になってきて、効率よく単語を頭に叩き込まなければならないときには有効でしょうが、初級・中級の前半くらいで単語帳なんて、私なら使わせません。

参考書を買うなら、気を付けるべきは、なるべく薄く、要点だけ書いてあるものを一冊だけ使うということです。分厚いものは要りません。その代わり、その参考書に書いてあることは全部暗記しているくらい覚えるべきです。薄ければできます。分厚いものだと、負担が増えるだけです。我が家は参考書すら買わずに教科書で勉強しました。教科書は、出来上がるまでに非常に研究がされていて、完成度がとても高いのです。出てくる文章も吟味を重ねられて作られていますので、そのまま全部覚えて差し支えないものばかりです。単語帳も使いたければ教科書のうしろについている索引で十分です。

以上、我が家で英語教育の際に気を付けていることです。日本語を外国の生徒に教える時にも同じようなことに気を付けています。ちょっと知っているだけでも、色々な教材を買ったりしなくなりますし、やった方がいいことと、やらない方がいいことを意識しながら、そんなに厳密にメソッド通りにやる必要もありませんが、自分なりに英語を教える時に役立てられると思います。

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