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【読書感想文】地獄から救い出してくれた「読む」カウンセリング『がんばることをやめられないーコントロール出来ない感情と「トラウマ」の関係ー』
今回は「生きづらさ」をキーワードにした本の紹介です。読んでる最中に、何度も涙が止まらなくなるような、とても優しい本です。
『がんばることをやめられないーコントロール出来ない感情と「トラウマ」の関係ー』鈴木裕介
私自身、生きづらさというものは日々、なんとなく感じています。でもどこかで
「そこまで大したことでもなかったような気がする」
「ここまで生きづらさに苦しめられるような原因なんて、なかったと思う」
……と、原因に対し過剰反応しすぎなのでは、と自己嫌悪している部分もありました。
なのでこちらの本のタイトルを見ても、そこまで自分は頑張ってもないし、自分には当てはまらないかもと、ちょっと読むのを後回しにしたりもしていました。
ですが、そんな私のような人にこそ、読んでほしい。
拳を振り上げて、声を大にしてこの本のオススメポイントを紹介したいので、します。
①驚くほどわかりやすい文章で、自分のことを言語化してくれる
②とても優しい文章が、まるで良き理解者のように心に寄り添ってくれる
もう、これに尽きます。
①については「え……私、この本を書くときにインタビューとか受けましたっけ?」って思うくらい、どんぴしゃなのです。自分のことか!?と思うような話が書かれています。
②の方も「解離」など専門的な言葉も出てきますが、説明がわかりやすいのでスラスラ読めます。
「つまりあなたってこういうことがあって、ということは、あなたはとんでもなく苦しい思いをしていてもおかしくないんですよ」と、終始労わるような文章が続きます。
なので、本当にわかってくれてるんだ……!と思わせてくれる文章の優しさが、心に染みるのです。
心を病んでいるものの、病院に行くのはちょっと……と考えてしまう方にもオススメできます。まさに、読むカウンセリング。心の処方箋。この本に泣かされ救われた一人の読者として、断言します。
特に心に刺さった部分を引用しつつ、内容を紹介していきます。
1.プロローグ「がんばりすぎてしまう理由」
タイトルの、がんばりすぎてしまう人の理由について、こんな風に書かれています。
人からはよく「なんでそんなにがんばるの?」と聞かれたりする。
なんでだろう。自分でもよくわからない。
そもそもがんばっている自覚もない。
その問いに答えるとしたら、
「それ以外の生き方をしたことがないから」だろうか。
……この部分、めちゃくちゃ心当たりがありませんか。私はあります。
がんばってるのが当たり前で、むしろなんであなたはもっと気合い入れないの?なんて失礼なことを、他者に考えてしまう。なんでこんなにがんばっちゃうのかなんて、自分でもわからない。けど、がんばらなきゃって考えは常にある。
きっと、それ以外の生き方はしたことがないんです。
それはなぜか、と問われれば、たぶん「選べなかったから」。
そもそも、「やりたいこと」というか、
「自分」というものがないように感じる。
それだったらいっそのこと、どこかキリのいいところで
幕を引いてもらっても、かまわないような気もする。
がんばる以外の生き方がわからない。
誰かに奪われたんだろうか?それとも、自分の自由意志で、がんばることを選んだせいなんだろうか。自由意志ならなんでこんなにも辛いんだろう。
漠然と、今、自分は辛さを感じている、と気づく。
それと同時に、この本にはその答えが載っているのかもしれない、と期待が持てた。
この部分に共感できるならもう、あなたにとってこの本は十二分に読む価値がありますよ。
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