タナカ、顔、パンパンやぞ。

朝、出勤したら、この子ぉらがそう言った。
ニヤニヤしながら、確かに、そう言った。

「オイオイ、タナカの顔、見たか？」
「どえらくブッサイクなっとるで？」
「顔、パンパンやがな」
「あれで、ラブリーになりたいってよ」
「ちょ～ウケるんですけど」

そう言って、一斉にゲラゲラと笑い出した。
ヒドイ。フエキくんとその仲間たち、ヒドイよ。
いつの間にやらタナカって、呼び捨てやし？
いつの間にやら輩みたいな口調やし？
いつの間にやらチンピラか？？

確かに私の顔はパンパンのパンだった。
寝起きの顔を鏡越しに見た瞬間、会社休もうかと思ったもんね。

理由は昨日の夕食のせいだ。

フラの自主練が終わって帰宅した私は超絶にハラヘリだった。
そりゃそうだ。全力で練習してきたんだもの。

そこに待っていたのは、ウチのみどりぃちゃんが
作ってくれていた
「だし巻き卵（３切れ）」
みどりぃちゃんは、とんでもなく上手に玉子を焼く。
そう、天才だ。今日もうんまい！

「ありがとねぇ、ありがとねぇぇぇ」
と言いながら、ものの５秒でお腹の中。

その時の時刻、午後９時５０分。
普段なら絶対に何も食べない時間なんだが
どうしても空腹がおさまらない私は
「カレーうどん」を食べることにしたのだ。

こんな時間にカレーうどんかよ。
えぇ、えぇ、ダメですよ。わかってますよ。
自主練でドレス着て踊ったからさ、
自分の浮き輪肉がちぃとも減ってないことだって
確認したばっかりだし。
目も当てられない浮き輪だったよ。
どんな人でも救助できるくらい
立派な浮き輪だったよね・・・・。

でも、このままじゃ眠れない。お腹すきすぎて、眠れないよ。
そんな言い訳をしながら「カレーうどん」を作る。
南関あげ、ニラ、卵。いつものトッピングだ。
ここまではよかった。
チーズを見つけるまでは・・・・。

「かぁさん、ほら、チーズだよ。
あぁ、どうしてカレー味にチーズって合うんでしょうね？
かぁさん・・・。」

欲に負けてカレーうどんにチーズまでトッピングしてしまった私。
おいしいよ。疲れもぶっ飛ぶってもんだよ。

ここで終わればよかったのだ。
炊き立てのごはんを見つけるまでは・・・・

「かぁさん、ほら、ごはんだよ。
あぁ、どうしてカレー味にごはんって合うんでしょうね？
かぁさん・・・。」

さらに負けを重ねて、残ったカレーうどんのスープに
ごはんまで入れてしまった私。

でもいいの。今食べたいと思うものは今必要な栄養、
って言うじゃない？は～、おいしかった。

満腹になった私はゴロゴロしながら
足をサスサス・・・のつもりだった。

んはぁぁぁん！寝てた！
しかもうつ伏せ！！！ヨダレまでも！！！

「自主練→大量の水分補給→大量のスパイスと塩分
　→即寝落ち→うつ伏せ→ヨダレ」

そんなこんなで私の顔はパンパンのパンになっていたのだ。

それをこの子ぉらは朝っぱらから笑いものにした！
私のブチバレた顔を、笑いものにしたのだぁぁぁぁ！！！！
ヒドイよ。みんな、ヒドイ。

だから仕返しに、今日はあんまりお仕事してあげなかった。
こっそり、リンパマッサージしてた。

みてろ、オマエタチ。
明日は超絶ラブリータナカだ。
ラブリーになるいくつかの方法を、
今夜手に入れたんだからな。

エフフフフ。