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魔女になろうと思ってたんだった。

将来の夢は魔女になること。
そろそろいい感じの熟女年代だけれど
まだまだ発展途上。将来はかなり明るい。

ちなみにおジャ魔女とか美魔女とか黒魔女とかそんなのではない。
人を呪うなんてもっての他、魔法で人の心は変えられないもんね。

私がなりたい魔女、それは身近な植物の力を借りて
自分や自分に近しい人の体調をととのえたい。
と、こう見えてかなり真面目な将来の夢なのだ。


さて、今日は土曜日。
結局朝から草刈りだった。

草を刈るのはいいんだけど、困るのが「蚊」。
長袖長ズボン長靴麦藁帽首タオル。完璧な蚊予防をして草を刈るけど
顔だけはノーガード。顔に虫よけスプレーはかけたくないもんね。
蚊も一匹ならまだ我慢できるけど、草むらの彼女らは集団で
襲ってくるのよ。(血を吸うのは雌だけだと聞いたことがある)
蚊の団体が奏でるモスキート音、耳元でやられるとマジで寒気がする。

それからしばらくは、できる限り蚊からの攻撃をかわしつつ
草刈りをしていたのだけれどもう限界。顔中がカユイ。
そうだ、ここで魔女知識発揮だ。
そのへんに生えているドクダミを使えばいいことを思い出した。
ドクダミの葉を数枚ちぎって揉んで柔らかくしてから顔にぬればいいんだよ
あぁ、スースーして気持ちいい。蚊も寄ってこなくなった。
ドクダミ、最強。嫌われているあの独特の香りも私にはアロマだ。
ふふ、何か私ったら魔女っぽいぞ。

小一時間ほど頑張って作業も終わりかけのころ、
母上から冷たいお茶の差し入れがあった。ありがたい。
2階のベランダに上がり、乾いた涼しい風を感じながら
飲むお茶はサイコウだ。
それにしてもさっきから母上が怪訝そうに私の顔を見ている。
そして「顔色悪い。見てんしゃい」と言って鏡を持ってきた。

鏡の中を覗くと、そこには美しい魔女ではなくてシュレックがいた。
ハッ??
これはドクダミの汁を塗りすぎて顔中がミドリになった私じゃないのさ。

蚊の攻撃をかわすのも魔女への道も、
まだまだ遠いと知った瞬間だった。
あぁ、まだ顔がカユイ。

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