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「ゴスペル日記 9」~帰り道~



初渡米の帰りの飛行機の中
それまでのちっぽけな自分の人生と比較すると
ワリと壮絶だった3ヶ月を思い返す。

もちろんいいことばかりだったわけではない。
てゆーかゴスペル体験を抜きで考えれば困ったことだらけだった。

まず私は、とある音楽学校の寮(とはいっても古いアパートの一室(一応の家具は揃ってた)を借りての人生初の一人暮し。

いろいろと・・ホントにいろいろとクダラナイ小さな事件が勃発しまくった。

部屋はとっても広いのは良かったのだが、
まず、開かない窓、閉まらない戸棚、電気の通ってないコンセントがあるのは当たり前として、
そして雨が降らない気候のせいか蚊がいない。

でも代わりにアリが異常に多く、
そこいらじゅうから侵入してきてせっかく買ったチョコレートに大行列。

日本の家屋はしっかりできていたんだな~と海外生活で気付く。

そして何より困ったのは電子レンジ。
信じられないことに、わたくしチャーリー(当時19歳)はそのときまで電子レンジというものが実家に無く、(ついでにケータイ、PC、クルマも全部ナシ)
あまり使ったことがなく、加えて方向オンチばりにメカオンチ!
使い方など知るはずもなかった。

なんとか作動させるもアルミホイルは燃え盛ってひとり花火大会、、

トースト作るはずがガヂガヂラスク。。

渡米初日なんか、ゆで卵を作ろうとしたら

ッボオオォォォーーーーンっっ!!!(←卵が爆発した)

「うおおぉぉーーーっっっ!!汗」

「撃たれた!?撃たれた!?」

「こえ~~~!!アメリカ こえぇぇ~~~!!涙」

、、と 一人カンチガイ発砲事件、、(卵はそのまま入れないよーに!)
勝手に銃社会の恐ろしさ(?)を知る
マジで使い方を知らないと電化製品は兵器にもなりうる。。汗
ついでに説明書は英語でぜんぜん読めねーは・・さんざんであった。

そこでラップが必要なことを思い出し、スーパーに買いにいくが、
アメリカではアルミホイルのことをラップという・・・
日本でいうラップはプラスチックラップという・・・

そう!
皆さんお察しの通り、何本ラップを買ってもアルミホイルが出てくるわけだ・・・。

でも料理をするのは意外と好きだった。
音楽以上に自炊でテンパるのは渡米前からわかっていたので、
ラーメン、チャーハン、野菜炒め、卵料理などなどワリと手軽にササッとできるものは近所の中華料理屋で見てマネてパクッたのを活用。

寮にはフライパンと包丁があったので、材料を揃えるだけでだいたいOKだった(←ホントかよっ!)
余談だが、この頃の経験が活きて、
帰国当初、ボーカルスクールを立ち上げる前は横浜の関内にある
弟のやってるカフェバー(フラミンゴカフェ)でイタリアンを作って手伝ってたりもした。

また、住んでたとこから歩いて行けるところに中華系スーパーもあった。
中に入ると漢方薬や八角のニオイで最初の頃はむせそうだったのを憶えている。

そこにはとにかくなんでもあった。
中華系のものはもちろん、米、しょう油、納豆、のり、日本の食卓にあるものほとんど全て揃えられた。
でも「ふえるワカメちゃん」を発見したときはさすがに吹いた。

せっかくのアメリカ暮らしなのでハンバーガーにもチャレンジしたが、
買ったほうがうまいし安上がりと気付き一回こっきり。

コインランドリーでも洗濯機を壊しそうになるし。。。
とまぁ歌以外の生活も地味~に波乱に満ちていた。

そして帰国日。

正直、ゼンゼン帰りたくなかった。
だって人生の中で大切なものが動き始めているのが身体で感じていたのだから。

でもまたすぐ来てやる!と飛行機の窓越しに見える夕陽に誓った(←くっせー)

そしてその想いは意外とすぐ実現するのだった・・・・・・・・つづく

2006年02月22日に書いたもの

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