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ポジティブな影響を与え続ける イチローズモルト!(イチローズモルト最終回)

■イチローズモルトのすごいところ

私が思う「肥土伊知郎さん=秩父蒸溜所=イチローズモルト」のすごいところについての記事の最終章です!
最初は3回くらいの記事で収まるかな?と思ったのですが、なんだかんだでイチローズモルトの記事も11回目となりました。

最後は、「とにかく実直」=『プラスの影響を与え続けて』です。

・2008年に蒸溜開始
・ウイスキー氷河期に自らBAR回りで営業
・つくり方が基本に忠実かつ超本格
・クラフトならではの斬新な発想、スピード感ある実現
・ハンパないウイスキー愛
・とにかく実直


■イチローズモルトが与えた影響は絶大!

2008年に蒸溜を開始したベンチャーウイスキー秩父蒸溜所のイチローズモルト。
2016年以降に日本国内で続く、ウイスキーづくりへの新規参入ブームの中、この秩父蒸溜所は、新しく蒸溜所を開設したい人たちへの道しるべとなっています!

そして、「実直な人柄」の肥土さんは、教えを乞う新規蒸溜所の開設希望者に、丁寧に相談に乗ってあげています。

静岡蒸溜所:中村社長や、厚岸蒸溜所:樋田社長の話では「肥土さんにこうアドバイスをもらった」という内容が良く出てきます。
また、ご自身が苦しい時に助けてもらった笹の川酒造さんが、新しく安積蒸溜所を建てる時にも親身に相談に乗ったそうです。
今、記載した蒸溜所だけでなく、他の数多くの新規蒸溜所が、開設にあたりアドバイスをもらっています。

このように、日本のクラフトウイスキー業界を0から切り開いてきたベンチャーウイスキーさんは「日本のウイスキー文化」にとって、ポジティブな影響を与え続けています!


■その影響は海外にも!

ウイスキーの本場スコットランドのハイランドに、2014年にOPENしたアードナムルッカンという蒸溜所があります。
ここはボトラーアデルフィさんが新規に開業した蒸溜所ですが、実はここにもベンチャーウイスキー秩父蒸溜所の影響が及んでいます。

秩父蒸溜所(第一蒸溜所)の特徴のひとつは『ミズナラ製』「木桶発酵槽」です。
木桶発酵槽自体が、ステンレスタンクに比べたら珍しい方です。

木桶では、乳酸菌をはじめとした微生物が住んでいるため、そこで発酵液を仕込むことで、発酵液に独特の味わいを与えると言われています。
その木製の発酵槽に使う木材は、基本的には米国産ダグラスファーなどが多いのです。

一方で秩父蒸溜所は、日本のオーク材であるミズナラでその発酵槽をつくって使用しています。これは世界で唯一だと思います!

新規に蒸溜所を開設する前に秩父蒸溜所を見学に来たアデルフィ社の面々。
このミズナラ材の発酵槽に感動!
早速真似をすることにして、アードナムルッカン蒸溜所では、フレンチオーク材の木桶発酵槽を導入したそうです!
秩父蒸溜所の影響力、本場スコットランドにも及んでいますね!!
(ちなみに、2018年に生産を開始した秩父第二蒸溜所発酵槽は、フレンチオーク材でできています!)

このアデルフィ社は本業がボトラーのため、色々な蒸溜所からウイスキー原酒を仕入れて、独自にボトリングしています。

その中に「ザ・グラバー」というシリーズがあります。
これはジャパニーズウイスキースコッチウイスキーをブレンドしたワールドブレンディッドとなっています。

そして、その第5弾で2020年に発売になったザ・グラバーは、「秩父蒸溜所」の原酒と、「アードナムルッカン蒸溜所」の原酒をブレンドしたものだそうです!!

両社の良好な関係が垣間見えますし、話題の2つの蒸溜所のコラボ商品、機会があれば飲んでみたいものです。


ちまみに「ザ・グラバー」のグラバーとは、あの明治維新の時に活躍し、長崎観光名所「グラバー亭」で有名なグラバーさんから名づけられています。
なぜなら、アデルフィ社の社長さんが、このグラバーさんの子孫にあたるからだそうです!

グラバーさんは、スコットランドの商都アバディーンの出身です。
明治維新ではスコットランドから産業技術の多くが日本へもたらされました。

そして、今もこのようにウイスキーが「日本」と「スコットランド」の懸け橋となっているというのは、ロマンを感じますよね。


■ベンチャーウイスキーさんの社員さんが素晴らしい!

私はまだ秩父蒸溜所へ見学に行ったことがないのですが、イチローズモルトのテイスティングセミナーや、ウイスキーフェス的なイベントでベンチャーウイスキーさんの社員さんのお話を聞いたことがあります。

一言で言えば、「みなさん、すごく感じが良い」です!!

どの方もウイスキー愛に溢れていますし、親しみやすい雰囲気をお持ちです。
肥土さんをトップに、そういう素晴らしい社風の会社なのだと思います。

ベンチャーウイスキーのブランドアンバサザーの吉川由美さんの記事で、その社風や人柄がわかる記事がありましたので、引用します。

「イチローズ・モルトを正直に」アンバサダーが譲れないスタイル | 読むふるさとチョイス (furusato-tax.jp)

吉川さんはベンチャーウイスキーのイベントに引っ張りだこの人気アンバサダーさんで、2019年にウイスキーマガジン社のワールドウイスキー・ブランド・アンバザダー・オブ・ザ・イヤーを受賞されています。

ちなみに、ウイスキー好きが自然と集まってくる会社なので、ベンチャーウイスキーさんは求人をしたことがないのだそうです。


■最後に

現在、日本でも、スコットランドでも、アイルランドでも、アメリカでも、世界各国どこでも新規蒸溜所の開設ラッシュが続いています。
そして、アメリカではすでに淘汰がはじまり、クラフト蒸溜所もかなりの数が廃業しています。

ウイスキーでも、ビールでも、ワインでも「酒類」にはブームがあり、ウイスキーでも、歴史的にずっと浮き沈みを繰り返して来ました。

今後、ダウントレンドに陥った際には、キャッシュの回転が悪いウイスキービジネスは、急激に経営が厳しくなることが予想されます。
ただ、その時でも「ウイスキーを飲む人」がいなくなるわけでなく、本当にウイスキーが好きな人は、トレンドに左右されず、ずっとウイスキーを飲み続けるはずです。

そんな時、本当のウイスキー好きに、選ばれるウイスキーの基準は『味』『価格』とともに、その『企業姿勢』だと思います。

そして、ここまで11回に渡ってご紹介してきた通りで、ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所のイチローズモルトは、その「誠実な企業姿勢」から、ウイスキーがダウントレンドに陥った際でも、選ばれ、愛され、生き残るのではないかと思うわけです。

なんか、まじめなお話になってしまいましたね。。

次回からは、また「気まま」にウイスキー全般(ウイスキー以外も含む!)を記事化したいと思います!!

※    タイトル写真は、イチローズモルト・ホワイトラベルに、ブランドアンバサダーの吉川さんと、生産部門の田畑さんにサインを書いてもらった時の写真です。

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