なんで日本は軟水で、欧米は硬水なの??
■水とお酒づくり
穀物からつくるお酒(ビール・ウイスキー・日本酒など)は、つくる際に「仕込み水」が必要となります。糖化工程で、砕いた穀物に仕込み水を投入するからです。
イメージでは、コーヒーや紅茶をつくる時に、水を入れるのと同じ感覚です。
一方で、フルーツからつくるお酒(ワイン・シードルなど)は、その果汁だけでつくりますから、「仕込み水」は用いません。
これは以前に記事化しています。
ウイスキーの仕込み水とは?|チャーリー / ウイスキー日記 (note.com)
そのため「仕込み水」を使用する穀物を原料とするお酒の場合、『仕込み水の水質』はダイレクトにお酒の味わいに影響します。
例えばビール。
ビールは、その9割以上が水分です。
そこに使われる仕込み水が「水道水なのか? 天然水なのか?」。
それによって、仕上がる「ビールの味わいが異なる」というイメージが湧くのではないでしょうか?
このような理由から、穀物を原料にする「ウイスキー蒸溜所」、「ビール醸造所」、「日本酒の酒蔵」などは、『水の良い土地』につくられているのです。
■軟水と硬水
読んで字のごとく、「軟らかい水」と「硬い水」のことです。
(ここからは超眠くなる話なので、面倒な方は「■水の硬度:チャーリーまとめ」まで飛ばして読んでください!)
成分で言えばこんな感じです↓
では、硬度とは何か?
この数値とは、ウイスキーの試験に出ますから、受験される方は要暗記!
くらしと水「軟水、硬水、炭酸水」 水大事典 サントリーのエコ活 サントリー (suntory.co.jp)
■ビールの世界では使われる硬度が違う
今まで説明してきた硬度は、「アメリカ硬度」です。
これとは違って、主にビールの世界で使われる「ドイツ硬度」もあるからフクザツ!
石鹸と硬水・軟水 – 石鹸百科 (live-science.com)
うーん。わけわからん。
でも、下記の式で、ドイツ硬度をアメリカ硬度に変換できます。
ここまで読んでいただいた方は神ですね。
書いている私も眠くなって来ました・・・
■水の硬度:チャーリーまとめ
■土地と硬度の関係
今回言いたいのはコレです!!
なぜでしょうか?
(こちろんこれは傾向なので、日本でも硬水もあれば、欧米で軟水もあります。)
ただ、その水の速度は、例えば日本では降ってから20~30年で海に到達するのに、欧米では200~300年かかるとか、それくらいの時間軸の話です。
◇日本の川
◇欧米の川
■日本の天然水の硬度
天然水の採水地別の硬度を比較してみます。
『サントリー天然水』の硬度を教えてください。 サントリーお客様センター (suntory.co.jp)
山がちな北アルプスや南アルプスは、かなりの軟水。
雄大なカルデラ地形の阿蘇の麓では、硬度が少し高めの軟水。
地形が「水の硬度」に与える影響がイメージできましたでしょうか?
これに海外のミネラルウォーターの硬度を比較してみると、もっとイメージがしやすいです。
ミネラルウォーターの硬度一覧!硬水・軟水ランキング | 暮らしの栞 (43better.com)
コントレックス、ハンパねぇー!!
大ボス的な値をたたき出していますね。
ただ、前述した通り、
の傾向はありますが、あくまで傾向です。
例えば、
阿蘇の天然水よりも硬度の低い軟水です。
■ウイスキーの本場スコットランドは軟水? 硬水??
先ほどの山がち理論で考えてみましょう。
スコットランドやイングランドのある大ブリテン島は、日本の本州よりやや小さいくらいの面積です。
ということは日本と同じ島国で、大陸と比べれば、降った雨は飛躍的早く海まで到達します。
ということは、
そりゃそうだという感じですよね?
◇スコッチウイスキーで一番有名なスペイ川
大陸の雄大な大河というよりは、山あいを流れる日本の川と、なんとなく似ていますよね。
■水の硬度と酒質の関係
ここまで「仕込み水の硬度」についてご説明したのは、それが酒質に影響するからです。
次回に続きます!
※タイトル写真は、日本の北アルプスです。
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