ウイスキー/アイルランド起源説 「ビール」と「蒸溜技術」の伝播《歴史の授業③》
■ウイスキーの発祥を探る旅
前回からの続きです!
それが、どのようにアイルランドやスコットランドに伝わっていったのか? が今回のお話です!
■ビールの伝播
紀元前3000年頃にメソポタミアで誕生したビールは、紀元前2000年より前にはエジプトに伝わり、大規模に飲まれていました。
そのビールが、ヨーロッパにいつ・どのように伝播していったのか?を確認してみます。
(※エールハウス=主婦が経営する自家醸造のエールビールを販売する居酒屋)
ビールは、紀元前にゲルマン人や、ヨーロッパ本土のケルト人に伝わります。
西暦375年、ゲルマン民族はヨーロッパ各地への大移動を始めます。
4世紀から6世紀に渡る約200年間の大移動で、ビールづくりは、彼らの移動によってヨーロッパ各地に広まります。
そして、ヨーロッパ本土のアングロ・サクソン人がゲルマン人に追い出される形で、海を渡りイングランドへ侵入します。
それより先にそこに定住していたケルト人は大ブリテン島の北部(=スコットランド)や、アイルランドへ追いやられます。
こうした民族大移動の中で、ビールづくりは、スコットランドやアイルランドに持ち込まれたと思われています。
なので、スコットランドやアイルランドにビール(エールビール)がもたらされたのは、4~6世紀くらいだと推測されます。
■蒸溜技術の伝播
古代の最先端CITYエジプト・アレクサンドリアで学問として体系化された『蒸溜技術』。
その蒸溜技術は、「蒸溜技術が誕生したメソポタミア」&「蒸溜技術が体系化されたエジプト」から、2方向へ伝わっていきます。
ちなみに、江戸時代に日本にもたらされた蒸溜器は、蘭引(ランビキ)という陶器です。
これは以下が語源です。
アラビアンナイトの世界で生まれた蒸溜器が、シルクロードを通って、日本にランビキとしてたどり着くなんて、超ロマンを感じますねー。
そして、この日本で「焼酎」と「ジャパニーズウイスキー」が出会ったことで、メソポタミア&エジプト発の『西回りの蒸溜技術』と、スコットランド発の『東回りの蒸溜技術』が、逆回りで世界をめぐって日本で再開したことになります。
なんかカッチョ良いですね~。
この『西回りと東回りの蒸溜技術の伝播』は、こちら↓の書籍に詳しいです。
おっといけない!
アイルランドの話をしているんだった!!
■エジプトとキリスト教
話を戻して、エジプトの蒸溜技術が、「どのようにアイルラント・スコットランドに伝わったか?」です。
色々な文化・技術・情報は、古代エジプトの最先端CITY:アレキサンドリアから、キリスト教の伝播とともに、地中海世界やヨーロッパ各地へと広まりました。
次回は「蒸溜技術の伝播」に密接に関係してくる、古代エジプトの「古代キリスト教」から話を始めたいと思います!
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