【第2ラウンド】禁酒法推進派 VS スコッチウイスキー業界、衝撃の結末とは!?
■イギリスでの禁酒法推進の動き
ここまでが前回の記事です。
スコッチ業界の大ボスによる禁酒法推進への反論|チャーリー / ウイスキー日記 (note.com)
■論客ロイド・ジョージの次の手
1914年8月、財務大臣官邸でウィリアム・ロスからの強烈な対抗策を示唆され、禁酒法の法案提出を諦めたロイド・ジョージですが、次なる作戦を考えます。
1915年、ロイド・ジョージは禁酒法が駄目ならばと、
するのです!
執念深い男ですね。
こういうヤツは敵にしたくないものです。
もちろん、この法案にウイスキー業界は大反発します。
ただ、ウイスキー業界も考えます。
そこで、ウイスキー業界側が、「蒸溜所の酒税2倍化」の法案に対する、双方の現実的な着地点として「代替案」を用意することにしました。
■ついにスコッチウイスキーに法定の最低熟成期間を設定!
その代替案こそが、
でした!
そして、ロイド・ジョージへは、
と説明しました。
ロイド・ジョージ側も、提出した酒税2倍化の法案が破棄されるよりも、現実的に飲酒による問題を減らし、ウイスキーの流通量を減らすことに繋がるだろうウイスキー業界側の提案を受け入れることを選択します。
こうして1915年に、法的にスコッチウイスキーへの樽熟成が義務づけられたのです!
ちなみに、その期間は2年間でした。
■最初の法定最低熟成期間=2年とは?
ちなみに、この時に義務づけられた2年という貯酒期間に、科学的な根拠はないそうです。
ただ、当時は
そうなので、ロイド・ジョージ率いる禁酒推進派でも受け入れられやすい内容だったのです。
今も、「安いお酒を飲むと悪酔いする」などと言われることは多いので、古今東西、酒飲みにはお馴染みの感覚なんだと思います。
一方で、ウイスキー業界側にとっても、
を法的に義務化したにすぎず、受け入れやすい内容たっだのでした。
■そして最低熟成期間は3年に!
この樽熟成は翌1916年には「3年以上」と、速攻で1年間が追加されました。
それは、とにかく戦争が長引く中で、ウイスキーの市場への流通量を減したかったからです。
そして、政府としては「戦時対策をより強化していますよ!」と国民へアピールすることもできたのです。
このように、
は、品質保証・ブランディングが主目的ではなく、
として、法的に定められたのです!
ただ、導入の経緯はどうあれ、この3年という法的な最低熟成期間は、ウイスキーの品質を一定のレベルで保証することになっています。
そして、ウイスキーというお酒の最大の特徴である「木樽熟成」という工程を明文化したという点において、ウイスキーの歴史に刻まれるべき出来事だったのだと思います!
迷走しながら4話をかけて、やっと「ウイスキーの3年熟成」の導入についてご紹介を完了できました。
お付き合いありがとうございました!!
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