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アーリータイムズ 発売から禁酒法まで《アーリー②》

■日本で、アーリータイムズといえば?

前回からの続きです。

【新発売】アメリカン・ウイスキー アーリータイムズ《アーリー①》|チャーリー / ウイスキー日記|note

◇日本で、アーリータイムズといえば?
【A】有名なアメリカのバーボン!
【B】昔からよく見かけるなぁ。
【C】比較的安くて、BARだけでなく、居酒屋とかでもよく見かけたよね。
【D】そういえば、最近、あんまり見なかったような?
【E】今回発売されたやつは、随分とイメージが変わったね!

1860年にジャック・ビームさんが誕生させた「アーリータイムズ」ですが、その後の歴史を追ってみたいと思います。


■アメリカ禁酒法

1860年に誕生したアーリータイムズですが、最大の危機を迎えます。

それがアーリータイムズだけでなく、バーボンメーカーだけでなく、ビールメーカーを含めた「アルコール飲料メーカー全社」が壊滅的な影響を受けた
『アメリカ合衆国の禁酒法(1920年1月~1933年12月)』
です。

この禁酒法について書き出すとそれだけで、またいくつもの記事になるので、一言で言うと

消費のための「アルコール」の製造・販売・輸送が全面的に禁止された法律

ビールとか、ウイスキーとか、ワインとか
飲むためのアルコールは全部 
つくっちゃダメ! 売っちゃダメ!!
ということです。

ただ、この法律は実はムチャクチャで、穴だらけ。

一番のズコっとコケるポイント
「手元にあるアルコールを飲むこと」
は禁止していなかったことです。

なので、皆さんのご想像の通りのことが起こります。

手元にあるのを飲んでいても怒られないので、皆さん色々な方法で、どうにかアルコールをGETして、結局飲むわけです。

その結果、

粗悪な密造品は出回るわ、

ギャングが密輸して売りまくるわ(アル・カポネがこの時に荒稼ぎしたのは有名な話)、

ギャングがのさばるから治安が劇的に悪くなるわ、

「飲むな!と言われると、むしろ飲みたくなるわ」と禁酒法前よりアルコール消費量が伸びる


と社会が大混乱となり、禁酒法は大失敗!!

約14年間で禁酒法は、撤廃されたわけです。


■禁酒法時代とバーボン

上記の通り、根本的にダメダメな禁酒法だったのですが、さらにこんなダメダメ条項もありました。

医師による正式な処方箋があれば、10日ごとに1パイントの酒を購入できる。

オイ! どこまで抜け道が多い法律なんだよ!!
養命酒じゃないんだから、もう。

というわけで、

医者大繁盛 & 処方箋発行しまくり!

薬用酒を処方できるドラッグストアチェーンが出店攻勢!

なんなら酒しか置いていないドラッグストアも誕生!

ちなみに、強いスモーキーフレーバーが特徴のスコッチウイスキーの
アイラモルト『ラフロイグ』
ですが、この禁酒法時代に

「こんだけ正露丸みたいにムチャクチャ臭いんで、これ薬っス!」

と、アメリカへの輸出に成功しています。

アメリカに話を戻すと、この禁酒法時代に100プルーフ(Alc.50%)の「薬用ウイスキーの販売」を認められたのは、当時の大手6社(ビッグ・シックス)でした。

・ブラウンフォーマン

・フランクフォート・ディスティラリーズ

・A・Ph・スティッツェル・ディスティラリー

・シェンリー・ディスティラリーズ・コーポレーション

・アメリカン・メディシナル・スピリッツ・カンパニー

・ジェイムズ・トンプソン・アンド・ブラザーズ
バーボンの歴史P252 リード・ミーテンピュラー著 原書房

あれ? アーリータイムズないですよね?


■禁酒法とアーリータイムズ

それでは禁酒法時代にアーリータイムズは、どうしていたのか?
次回に続きます!

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