正しく『伝わる』ための、ヒント。
2016年ということは、今から8年前。同じタイトルの本を手にしたのはちょうどその頃だったと思います。その本が、スーパーパワーアップ版として発売されるということで、どんな感じになるのか、楽しみでもあり、ちょっぴり怖くもあり。
ちょうどその当時、文章で伝える難しさに直面し、もがいていた私。そんな時に目に飛び込んできたのが、前作のこの本でした。それまでは、業者さんから言われるがままのテンプレートに合わせた構成で文章をいくつも書き続けていたのですが、全く効果がなく、かけたコストなどのことも上から突かれていて、八方塞がりの状態。本の中にあった例文を何度も読んで、フレームを意識して文章を書き換えた結果、初めて反響が出たのです。かなり嬉しかった反面、少し怖さも感じました。そんな複雑な感情がしばらくの間、自分の中にあったことを記憶しています。それくらいに効果があったので、この本を誰かに紹介するにしても、私自身が人となりをよく知っていて、信頼できる人だけに限定していました。
誰もが情報発信を行い、誰かに何かを伝えることができる現在、日本の義務教育の中にほとんどないのが、『伝えるための文章力』。何もかも動画に詰め込めると言っても、コアで『何を伝えるか』が、不明確であれば、効果的な動画になることはありえません。そして、伝える順番によっても、受け手が受け取りやすい状態になるかどうかは大きく変わります。だからこそ、どのように情報を組み立てて文章を創るかで、大きな差が生まれるのだと思います。
この8年間に、世の中が大きく変わったことと言えば、コロナによる価値観の変化や、ChatGPTをはじめとした生成AIの普及が挙げられます。特に生成AIの進化は、コピーライティングをはじめとした『書く』ことにも大きな影響を与えるようになってきていると感じます。スーパーパワーアップ版としての今回は、そのような生成AIとのうまいつきあい方にもつながるノウハウが、後半に凝縮されていました。
逆に変わらないこともあるように思います。最終的な消費者は、相変わらず『人』であるということ。伝えるべき、心を動かすべき対象は変わっていないわけで、その人の心に届けるライティングが、より一層求められているということなのかもしれません。
今回この本を読み終えた感想は、率直に、『憶せずより多くの方に紹介したい』の、一言です。この力を、正しくあつかえる方に、出会っていただきたい。素晴らしい1冊です。
神田 昌典 衣田 順一 著 ダイヤモンド社発行を読んでの感想
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