🌙夜のしゃる

主にFF14を舞台にした小説を投稿していこうと思います。

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  • 光の連続小説【とある喫茶店のバックヤード】

    FF14のエオルゼアにある、とある喫茶店を舞台にした連続小説です。全9章+あとがき。完結済み。

最近の記事

FF14 光の連続小説【とある喫茶店のバックヤード あとがき

新しい世界の扉はすぐそこに あとがき  純喫茶くろねこ店主Charle Magne著作 「とある喫茶店のバックヤード」いかがでしたでしょうか。  僭越ながらあとがきは主演のモデルとなっております私Swordfishが担当させて頂きます。  このお話は以前に定期連載しておりました小説を再編集した完全版となっております。  思い返すと、連載当時は新しい章が掲載された時点で次の章の執筆と挿絵の撮影を行っておりましたので、 この作品の一番最初の読者は常に私だったわけですが、制

    • FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第9章】

      ピアノバーの後に立ち上げられた喫茶店は『純喫茶くろねこ』と名付けられた 第9章 とある喫茶店の店員達の話  ー てなことがあってな。  私は聞き入ってしまっていた。  ロビンが淹れてくれた、コーヒーもあまり減らず冷めてしまった。 「……それでその後、倒れちゃったマスターはどうなったの?」 「命に別状はない。ただ……」 「ただ?」 「第7霊災後遺症って知ってるか?フェイ」 「霊災近辺の記憶が曖昧になるってやつでしょ」 「俺もおばさんを埋めて、そこにアサガオを

      • FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第8章】

        ピアノバーの黒いピアノの音色は聴く者の心の奥底まで響き、 ミコッテの淹れるコーヒーと歌声は聴く者の心を癒した 第8章 とある歌姫の話  シトシト雨が降っている。次第に夜もふけてきた。  少し前のバハムート襲来からの雷雨ほどではないにしろ、それから雨は降り続いていた。まるで世界が泣いている様だ。  とはいえそのおかげで火の勢いも大きくならずにいる。どちらにしろ生き残った俺たちは歩んでいかなければならない。  現状把握は早いほうがいい。  俺たちはマーニュを起こさない

        • FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第7章

          大切に扱った道具は人を裏切らず、裏切るのは常に人の方だ 第7章 とある幼き彫金工の話  工具は組み立て式であり、組み上がった姿はさながら剣のようである。    両手剣フランベルジュを模したその形状は、鋭利な柄のような部分が二つ ある。そして刀身も波打っており、確かに子供が扱うには危ない。    工具としての使い方は、刀身を時計側の対応する穴に一つ目の柄が当たる まで差し込み、その後二つ目の柄を持ちひねる。そうすると時計の扉が開く。  おやじは『これを作った工匠は、時計の

        FF14 光の連続小説【とある喫茶店のバックヤード あとがき

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        • 光の連続小説【とある喫茶店のバックヤード】
          10本

        記事

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第6章】

          振り子時計の振り子は地震などの揺れで止まることがある   第6章 とある彫金工の話  三人と一匹の、食事の時間を切り裂いた轟音とも呼べる爆発音は、時間と共にだんだん遠くなっていき、今では代わって降ってきた雨音が聞こえるまでになっていた。  最初の空の輝きからどれくらいの時間が経っただろうか。とても長く感じていたが、おそらく時間にしたら数10分の事なのであろう。  あの場で唯一まともに動いていたのはゴブだけだった。   『空をミロ』といち早く異変に気づき、俺たちに警

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第6章】

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第5章】

          喫茶店の建つ前にはピアノバーがあった 第5章 とあるピアノバーの話   ー 時は過去へ遡る。忌まわしき第7霊災の起きる少し前。 「これでよし。マーニュちゃん、ゆっくりと振り子動かしてみな」  マーニュは、その小さい手で慎重に振り子をさわってみる。  カチ、コチ、カチ、コチと時計の振り子は性格なリズムを刻み始めた。 「わ~すごい直ったあ。ちゃんと動いてるよ!時計のおじさん」  マーニュに満面の笑みでそう言われた、時計のおじさんこと俺のおやじは、マーニュに軽くウィン

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第5章】

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第4章】

          新しい世界の扉の鍵は、常にその手の中に 3章までのあらすじ  とある喫茶店『純喫茶クロネコ』で働く新人ショップスタッフのフェイ。     客で通っていた頃から、ピアノで奏でられる店のBGMは大のお気に入りだった。  しかしそのBGMは店内に設置されている蓄音機からではなく、地下でゴブちゃんと呼ばれるゴブリンが弾いているものだと、マスターのマーニュに知らされる。  マスターに背中をおされ、憧れのピアニスト、ゴブと接触してみるフェイ。  しかしながら、言葉選びを間違えたのか、

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第4章】

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第3章】

          公式営業日は土曜日だけである。他の曜日のコーヒーの味はお勧めできない 3章 とある先輩店員の話  店の扉を開けると、店内にはピアノが鳴り響いていた。  俺はいつも通りコーヒーの準備をしつつ、しばらく聴いていた。  今日の曲調はなんだかコロコロ変わる。荒々しく激しい時もあれば、暗くもの悲しく、まるで誰かが泣いているような時もある。楽しい曲調はない。 「なんだ?ゴブの奴、今日は荒ぶってるな」  ピアノという楽器は不思議なもので、演奏者の感情を表現しやすい。いや、出てし

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第3章】

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第2章】

          この喫茶店のBGMは地下のゴブリンによるピアノ演奏である 第2章 とあるピアニストの話  1時にお店は閉まる。  店のBGMがごぶちゃんのピアノの演奏から、蓄音機の"エンディング"に変わった。大体の仕事は私もやらせてもらっているが、なぜか蓄音機だけはマスターが操作する事になっている。 「本日もそろそろ閉店です。ご来店ありがとうございました」 「ありがとうございました」  マスター今日もコーヒー美味しかったよー。フェイちゃんもそろそろお店に慣れた?マスターと働くと疲

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第2章】

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第1章】

          この話はエオルゼアの一画にある とある喫茶店での裏話をまとめたものである 第1章 とある喫茶店の店長の話 ―なあフェイ、ピアノの音色と雨音って似てるか?  私は降り始めた雨をみながら、昔そう聞かれた事をなぜか思い出した。  家を出る前に天気予報は見ていた。しかし初出勤の緊張からか傘の事まで頭は回らなく、雨が顔に当たった頃には取りに戻るには遅すぎた。 「ぜんぜんピアノと雨音、似ていないよな……」  店のあるゴブレットビュートについた頃には私はすっかり濡れていた。遠

          FF14 光の連続小説 【とある喫茶店のバックヤード 第1章】