地方移住したときの子どもの教育環境の違いについて
地方移住や田舎暮らしが注目されています。のんびりとした生活や、自然豊かな生活にあこがれを抱いている人もいると思います。私も実際に地方移住してました。永住するつもりでしたが、移住前とのギャップを楽しむことができず、フラストレーションをため、結局3年間で終了しました。今回は、私が実際に田舎に移住して感じた教育環境について書いてみたいと思います。
まず、田舎といっても人によってとらえ方は様々です。都市部の人から見れば地方都市は「田舎」に見えることでしょう。逆に限界集落に住んでる人からすれば地方都市だって十分都会と言えるでしょう。
私が移住したのは日本最先端のど田舎です。限界集落に囲まれた、中山間地域です。公共交通機関はバスのみ。本数は少なく、日常生活では車がないと生活できません。夜8時には人通りはほぼなくなり、あたりは真っ暗です。
正直、教育環境については、規模が同じくらいの田舎でも、住む場所によって違っています。移住していた隣町でも全然違っていたりします。
私が住んでいた町はいわゆる「オールド教育」を実践している町でした。隣町のもっと限界集落町では、子どもの数は少ないながら(全児童数50人程度)新しい教育に取り組んで、町全体で子育てしようとしているように感じました。
田舎の教育とひとくくりにできないところはあるのですが、私の周りに起きた体験を中心に書いていきます。
子どもを学校に残すのは当たり前
移住してしばらくたった頃、子どもがいつもの下校時刻になってもなかなか帰ってこないことがありました。
移住する前に住んでいた小学校では、そんなことは一度もありませんでした。下校時間をすぎてしばらく待っていれば予定通り帰ってくるのが普通でした。
しかし、この時は予定時刻よりあまりに遅くて、これは何かあったなと直感的に感じました。
親としては、移住したてですし、不慣れな通学路なので、事故など突発的ななにかに巻き込まれた可能性を考えました。
まず、子どもの通学路をたどり、寄り道しそうなところを探しましたがどこにも姿はありません。私の頭に1つの可能性がよぎりました。
まさか、まだ学校?
車をとばして学校を訪ねるとそこに子どもはいました。
静かな教室には、担任とわが子、ほか2,3人が学習していました。
私はほっとした気持ちと、こんなに親を心配させると想像できそうなのに連絡すらよこさない担任の無神経さと、話にならなそうな何食わぬ顔にいらっとしました。
担任に理由を聞けば、授業時間内に算数の問題が終わらなかったため、最後までやらせているとのことでした。そしてここまで手をかけるのは教師としての当然のスタンスです。私どうですか?
という感じで、良いことをしている感じは満載なれど、親の心配など頭の片隅にも持ち合わせていない感じでした。
私は学校に残すことに反対ではないけれど、残すときは連絡してほしい旨を伝えました。
子どもが帰ってくるであろう時間帯に帰ってこないことが心配なことも伝えました。
そして、子どもが週に1回、習い事に行っているので、その日は残さないでほしい旨も伝えました。
ですが、ですが、これが繰り返されるのよ。それも状況はまったく改善されないんです。習い事のある日もお構いなし。話聞いてんのかよ。
いやね、うちの子どもの学習能力を上げろよっていう話かもしれませんし、そこに先生が一生懸命向き合ってくれているという話でもあるんですよ。
でもね、せめて連絡してよ。
もう残してもいいけど、連絡してよ。
あまりに連絡しないで残すので、心配しているこっちがおかしいのかなと思いました。
つまり想像ですが、ど田舎では地域みんなが知ってる顔で、他所で起きている薄っぺらい人間関係に起因したこわい事件なんてないから、心配しなさんなって。
と、暗に諭されているような。その点で文句言ってる人なんて他にいないんだから。
ここそういう場所じゃないんだよー。言ってるのあなただけ。という無言の態度で(思いすぎ?)、一向に連絡くれないんです。
結局相手の対応を変えるのはあきらめました。子どもにキッズケータイを持たせて連絡がとれるようにしました。
さらに聞けば、昼休みも外で遊べずに教室に残されているそう。みんな遊んでいるのに。いやね、うちの子が勉強できればそれが一番簡単に解決する方法なのはわかっているんです。
ですが、移住したばかりで緊張して、どこかワクワクして移り住んだのに、昼も遊べなくて、放課後もみんなと一緒に帰ってこれなくて、移住前の小学校ではそんなことなかったし、成績もそんなに悪くなかったのに、なんでここはそうなるの?
ど田舎の教育現場の「同調圧力」と「全体主義」については別の記事に書きました。
ど田舎では子どもは肥満傾向
他にも感じたことを。
ど田舎では子どもは肥満傾向。あくまでも感じたことですが。
ど田舎では、子どもの数自体が少ないのですが、その子どもが近所にいるとは限りません(あたりまえか)。友だちの家は山を越えた向こう側だったりして、友だちの家に遊びに連れていくのにも親の送り迎えが必要な場合が多いんです。
ど田舎では子どもたちが自然と戯れて遊んでいる姿をイメージしてましたが、友だちの家が遠い!よってスイッチ!そして肥満!の法則が導き出されました。
それから、登校班について。小学校に登校するための登校班てありますよね。朝決まった時間に、決まった場所に子どもたちが集まってみんなで登校するシステム。
もちろんど田舎にもあったんですが、登校班の集合場所までが遠いのよ。もう子どもの家同士がかなり離れているので、集合場所まで車で送って、そこからちょこっと登校班で歩いて登校です。。
ど田舎の子どもを取り巻く教育環境は、移住してみないと分からないことも多いと思います。
少人数でも(少人数だからこそ)新しいことに取り組んでいる学校もあり、その辺は小学校のHPを見れば何となく分かると思います。
そんな場所には移住者が多かったりして、学校側も新しいことに対するアンテナが立っており、移住者の視点やマイノリティーの立場もくみ取ってくれると思われます。
移住先を選ぶには、まずは人口規模でそんなに田舎過ぎないところ(地方都市など)や、移住者の受け入れに積極的な場所を選ぶと良いと思います。そこに住んでみてから、私が住んでいたような限界集落のど田舎に住むことをお勧めします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?