見出し画像

「貧しい境遇の元に生まれた人間は、夢を見てはいけないのでしょうか?」


こんにちは。インターン生のまことです。今回は、ひもっちさんの「ちょっとおはなしい〜ですか? ネパール人新聞奨学生のアソルガさん」というインタビュー記事を紹介したいと思います。この記事は、同じ社会で暮らしていても普段知ることのない他人の生活や人生を、インタビューを通して覗いてみようというコーナーの1本です。

アソルガさんはアニメーターを志して来日し、新聞の朝夕刊を配達することで奨学金をもらいながら日本語学校に通っています。彼の来日までの道のりは決して平坦なものではありませんでした。最初に進学したネパールの大学は大地震で閉鎖され、その後アルバイトで渡航費を一生懸命稼いで目指したアメリカへは入国が許可されず…といった紆余曲折を経て日本へやってきたのです。しかし、現在も専門学校の学費の支払いが困難で、八方塞がりだと言います。そして彼は「貧しい境遇の元に生まれた人間は、夢を見てはいけないのでしょうか?」と問います。

途上国から飛び出し、苦境の中で夢を必死に捕まえようとしているアソルガさん。
それに対して僕は…先進国に生まれ、そのなかでもさらに教育をはじめあらゆる機会に恵まれているほうなのに、自分はなにをやりたいのだろうと迷っています。なんだかすごく申し訳ない気持ちになってきます。そもそも夢を抱いてこれほど必死に目標を追いかけ続けること自体が、ある意味天賦の才だとさえ感じます 。だから彼には本当に報われてほしい…と思うのですが、恵まれている側の人間がこんなふうに思うのはやはりなにか歪んでいるような気がしてならないのです。困難に直面しながらも夢を追いかける途上国の若者がいれば、困難も夢もない先進国の若者もいます。読んでいて複雑な気持ちになる記事でした。

そんな社会の歪みを、少しでも正そうとすることが、恵まれた環境にいる人間の使命かもしれません。そして、これこそが僕自身の夢なのかもしれない、と思いつつあります。

境遇に関わらず誰でも夢を追える世界の実現は、恵まれている側の人間から動かなければ変わらないと感じます。この国で暮らすすべての人にチャンスを与える政治家に、選挙権を持つ僕が持たざる人々のために投票するといったことも、ささやかながら重要なことです。僕は、アソルガさんのように夢を追ってはるばる日本に来てくれた人たちが、辛い思いをしなければならないことが 耐えられません。留学生の待遇の改善や日本での就職の促進が、日本で働く人材の多様化につながるのではないでしょうか。こうした政策について、もっと議論していくべきだと感じます。

留学生のみならず、豊かさを求めて日本へやってくる技能実習生などの人々についても同じです。彼らが 渡航時に負った 法外な借金は、人権侵害レベルの過酷な労働条件のなかでいくら働いてもなかなか減らず 、母国からの家族帯同のハードルも 高いなど、 制度としての問題がたびたび指摘されています。彼らは、少子高齢化が進む日本の労働市場を確かに支えている存在であるにも関わらず、このような待遇を受けていることが申し訳なくてたまりません。

こういった外国から来た人たちは、日本の政治に参加することはできません。それでも、わたしたち有権者が代わりに政治に参加することで、すべての人たちに優しい国を 実現することができると信じています 。

そして、このように有権者に人の声を届け、議論を促すのはメディアの役割です。ひもっちさんの今回の記事を通して、アソルガさんの声が僕に届いたように、 届かぬ声を人に届ける拡声器のような、僕もそんな仕事を したい と思わされました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?