道化師

貴女がいつでも楽しく幸せに、笑顔でいられます様にと願って、私はでき得る限りの道化を演じ…

道化師

貴女がいつでも楽しく幸せに、笑顔でいられます様にと願って、私はでき得る限りの道化を演じ、身の丈に見合わない我を造りおどけています。

最近の記事

俺の弱点

俺には弱点がある。 今回はそれを暴露してしまおうと思う。 何を隠そう、俺は上下動に滅法弱いのだ。 日常生活の中に存在するその具体例の最たるものは、 エレベーターなんだ。 安っぽいビルのポンコツエレベーターは、一歩庫内に 足を踏み入れた途端に体重でフワリと箱が上下動する。 馬鹿野郎。 人一人の重量くらいで揺れてるんじゃねぇーよ。 と、イラッとしてしまう。 しかし、その安エレベーターの後の動きは、 高級で高度なテクノロジーを駆使した乗り心地を 重視していないために、機械的なゴツ

    • 結婚ってなに?

      結婚してからもう30年以上も経っている。 夫婦仲は決して悪い方ではない。 って言うか、夫婦仲はかなり良い方だと俺は思ってる。 それが今現在互いに恋愛感情を持っているのかは別として、 感情的になっての喧嘩っての今までにしたことはないし、 別れようって思った事はお互いに一度もないんだ。 俺に限って言えば、日頃から妻には感謝をしてるし、 有り難いなって心底思ってる。 良くできた妻だなって、この人と結婚できた事に、 奇跡に、出会いに、驚異すら感じてるんだ。 30年以上って事は、お互い

      • 落書き 2

        はらたいらさんに500点。 「もしかして、俺の事好きでしょ。」 明日になればきっと開花するであろう蕾が 陽光の降り注ぐ花壇の中で 幾つもの咲き誇った花々に雑じって 風に揺らいでた。 「あっ、良かった。 気づいてくれてたんだね。」 公園の花壇の前にしゃがみ込んで草花に 諦めを落とし込むような静かな口調で呟いた。 「どうしようか、ずっと迷ってた。 告白もしていないのにふられた時の 場面ばっかり想像しててさ。 惨めさに脅えながら過ごしてた。」 誰かがこんな風に綺麗な花壇

        • 断捨離

          目の前にある棚からそこに置いてある物全てを 引きずり出して一つ一つと向き合うんだ。 壊れてしまった目覚まし時計。 誰から貰ったのかさえ忘れてしまった香水や アクセサリー。 アニメキャラクターのフィギア。 衝動的に買ってしまった可愛らしいペンケース。 要るのか要らないのか。 改めて自分と向き合い取捨選択の判断を下さなければならない。 私はこれらの物に頼らなければ生きていけないのだろうかと 自問自答を繰り返す。 思い出や思い入れが的確な判断を狂わせてしまうけど この中には確実

        俺の弱点

          蜘蛛の糸

          真っ昼間の直射日光が辛い。 なに?11月だよ、この気温って変じゃね! 例年だとこの時期に庭の紅葉が真っ赤に色付いているはずなのに 今年は夏場に緑色していた葉っぱが赤くならずに茶色に変化し始めてる。 ちっちゃな子供の手みたいな形の葉っぱを元気良くパーに開いて 真っ赤に染まってるはずなのに、 今年は指先を茶色に縮こまらせて、いくつかが力なく落ち始めてるんだ。 諸事情があって、今年いっぱいで切り倒さなければならなくなってしまった この紅葉の樹なんだけど、長年我が家の庭でその存在をは

          蜘蛛の糸

          お詫び申し上げます

          拝啓ごめんなさい。 なんか無茶な投稿を繰り返しています。 ずっと、長い間投稿をする事から遠ざかってて 素敵なクリエーターさん達が理路整然としたお話を投稿されている作品を読む方に徹していました。 まっ、仕事的には、 この半導体不足の不況の煽りにあって、俺の勤めていた会社が通信関係の仕事だったので、肝心の半導体がなければお話しにならなくなっちゃって、あえなく倒産に追い込れてしまいまして。 折よく、ジャスト定年の年齢に達しそうだったので、会社のコネに頼ることなく、約十年間勤めて

          お詫び申し上げます

          墓参り

          駅前の花屋さんで 君の好きだった花を 思いつく限り寄せ集めたら ごっそりとした花束になったんだ。 街はずれの港町 レンガ倉庫の先を右に折れれば 急な坂道に 君の面影が迎えてくれる 道端の石に腰かけて一休み 幼いころ 君が見ていた港を見下ろせば 潮風に何故か懐かしさを 語り掛けられ 潮風に揺れる花束に 「ごめんね。」と呟いた。 もう少しだから。 頂上の逞しい松の陰から あの笑顔で手招きをしている 君が見えているようで 履き慣れない革靴に 目を落とした。 一度くらいは

          どっちがいいと思う

          「どっちがいいと思う?」 嬉しそうに小首を傾げて 笑顔で訊ねてる時には、 もう俺の意見なんて求めてはいないんだよね。 その気になって あれやこれやを考えて 「どっちも似合うと思うんだけど、」 なんて返事を返せば、 なんだよ、結局のところは、 どっちでもなくて 「他の店もみてみようかな?」 無限の可愛さを振りまいて 俺を一日中連れ回した挙句に 「今日は楽しかったな。」で 締めくくって終わりなんだ。 一日中歩き回って、靴底を減らして 幾つもの同じ様な物を見て 何のための時

          どっちがいいと思う

          その曲はまだ

          その曲のイントロが流れ出した途端に 否応なしに去来する走馬灯から逃げ切れず、 手にしたタンバリンを膝で握り締めていた。 ダメだよ、 その曲を君が歌うのは止めて欲しい 嫌だよ、 君のその声で熱唱するのに俺は耐えられない 切なくて、 脳みそがバグって涙がちょちょ切れそうになってる 言ってなかったよね その歌は 以前付き合ってた彼女が好きだった歌 ちゃんと完璧に歌い切れるまで 何度も何度も練習に付き合わされて 段々上達していく彼女と喜び合って 歌い上げられるようになったんだ

          その曲はまだ

          スマホの呪縛

          食うに困った痩せ豚は一攫千金を狙って 地べたを嗅ぎまわりトリュフを探し回っております んなモン見つかるわけなかろ ねぇ、今何処にいるの? 7コール躊躇ってからスライドさせたスマホ 5秒間の静寂の向こう側から 消え入るような掠れた声が 行き交う雑踏にかき消されてた 胸を締め付けられるような 得も言われぬ感情が溢れ出して 淋しそうな立ち姿と それに見合った泣き顔が浮かんで やっぱり出なきゃ良かったと スマホを握る指先に力が入る どこにもいないよ。 的外れ

          スマホの呪縛

          蛙化現象

          わたくしめ只今、絶賛無職中です。 精神的に風来坊で、ある意味で冒険者。 会社員って立場から突然の自由人になって 毎日を面白いような退屈なような不安定な 過ごしております。 なので、以前にも増して支離滅裂に拍車が 掛かってます。 長年君に語り続けていた「愛している。」が 噓になった瞬間に 君は瞳を潤ませて「ありがとう。」と言って 一歩退いた。 抱き締めようとする手が届かなくなった 二人の一歩の距離は たった今きっと、 永遠と言う名の別離になったのだろう。 お揃いのコンバー

          ラーメン的な

          ポテチで油だらけの指先で真新しいPCを ギトギトにしながら 身構える事なく、気楽な気分で 手を抜いてます。 「今って、付き合ってる人はいるんですか?」 いつも行列のできている駅前のラーメン屋に、 一人で一時間も並んで、やっとありついたラーメンが たいして美味しくなかった。って 話の流れの後でいきなり 「あなたの事が好きなんです。」は 余りにも一方的で 話のつながりとして脈絡が無さ過ぎだろ。 まずは俺の悔しさに同調するなり、 労うなりの一言を発して、 一段落つけてから そ

          ラーメン的な

          あの笑顔

          たまには路線を変更して、書けもしない失恋的なもんを想像してみました。 てか、はなっから俺は明るいお話しなんぞは書けてないじゃんね。 最後に大好きだった笑顔を見たかったんだ。 それくらいはしてくれてもいいよね。 だってこれを最初に切り出したのは 他の誰でもない君なのだからさ。 約束した積りはないけれど、 俺は何度も何度も君のその笑顔が 世界で一番可愛い笑顔だよねって 言ってきたはずじゃん。 だから、 今日のこの別離の場面では いつもより、一番とびきりの笑顔を 用意してくれ

          あの笑顔

          不釣合い

          てかさ、PCのnoteって、 フォローしているクリエーターさんの記事を 第一画面でアップしてくれないんだね。 って言うか、いちいちクリックしなきゃ 表示してくれないのってどうなのよ。 スマホのサイトは、いきなりフォロワーさんの 新作記事を真っ先に表示してくれるから 読み逃しなく網羅できるんだけど、 どうしてスマホよりも画面がデカいはずの PCなのに、使い勝手が悪いわけ? 思わず手のひらで受け止めてしまった 悲しみの雫は 余りにも重く切なく痛かった。 前髪に隠された百万の

          不釣合い

          暗闇

          目の前に広がる暗闇 どんなに目を凝らして眺めても 漆黒の闇にはどんな形もなければ 音すらも聞こえては来やしない。 どうにか辛うじて残っている理性が じりじりと踏み出そうとする足を 踏みとどまらせている。 振り返れば 数え切れない輝く生活が 背筋を斬り炸いて 正しくなかった決断を 「ありがとう。」の一言で 正当化しようとしている自分の姿が 惨めったらしく佇んでいる。 ただただ幸せに満ち 楽しく笑顔に溢れていた日々が 忙しく積み重なって 過ぎ去っていた。 それが俺の全てだ

          ご挨拶

          新しいPCを買ったのでスマホとは別に、このnoteに性懲りもなく また新たにスレットを立ち上げてしまいました。 ただ、そこには大変に大きな問題がたちはだっかってしまいまして。 この私目、ここ数年、PCから遠ざかっておりましてね。 このウインドウズとやらが十にまで進化していることを知らなんだ。 私目が存じ上げておりますのはウインドウズ八までの、しかもそれ は拙くも実に頼りない知識?でしかなく、このように高度に進化 してしまったPCなどは手のつけようもない浦島太郎状態。 こや