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Chara「命のまつり」その36~田舎の病院での思い出、ふんどしの巻き方がわからん!!

すっかり、故郷の生活にも慣れてきた。
ネイティブな石見弁をとりもどし、病棟に入院している高齢者とも自然に話せるようになっていた。
実家では祖父と両親、シーズのナナちゃんと平和な日々を送っていた。

ある日の病棟での出来事、
山奥のそしてまた山奥の、公民の教科書で過疎地域として紹介されていた地区から入院していた高齢の男性患者さんの思い出

軽い脳梗塞で入院していたが、治療も奏功しリハビリを始めることになった。オムツから下着にすることになり、山奥の自宅に電話をして奥さんに下着を持って来ていただくよう頼んだ。
翌日、バスを乗り継ぎ2時間くらいかけて奥さんが病棟にやってきた。
早速、下着を変えリハビリに行く準備をしようとした瞬間
奥さんから渡された下着は・・・・、なんと・・・

ふ・ん・ど・し


しかも、紐のついてないやつ、さらしのながいやつ

えっ、T字帯じゃないの?
どうやって巻くん????

そして、色が微妙な感じ
なんとなく遠い昔、白色だったんだろうなぁ~っていう気配はあるけど、
今はまだらなベージュ感のある色合い
ちょっと触れるのに戸惑うような、ビビるような

ちょっと病棟で年配の看護師に聞いたが、「わからんよ」と即答

私:「猿股(田舎のおじいさんがよく履いているやつ)とかないですかね?」と聞いてみた。

患者さん:

「わしは物心ついてからずっとこれじゃけー」


私:「はっ、わかりました」

手の麻痺が少しある患者さんに変わり、奥さんと一緒にさらしのふんどしをねじったり、縛ったりしてなんとか巻きました。
ふぅ~(*´ω`)

私から夜勤者への申し送りは
「○○さんの下着はふんどしです」
「色が微妙で気になりますけど、何にも言わんといてください。!!」
「ゆーちゃーいけません」(方言:言ってはいけません)
「奥さんが洗濯ずみって持ってきたやつです」

今も高齢者施設で働いていて思うことは、長年の人生で培った
俺ルールやわしルールは最強ということ。
そんな俺流を大事にしてあげたいなと日々思ったりしています。







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