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Chara「命のまつり」その24~帰郷、幸福行き切符のメッセ―ジにすくわれる

夫の故郷へ帰郷し、私は精神科病院に就職した。
人生の転機、トランジションだった。
誰も知らない土地へ、そして手術室の仕事から精神科へ

2月のある雪の日、精神科病院の採用試験を受けた。
実は、その前に市立病院の採用試験を受けたが、まさかの不採用にショックを受けていた。

大学病院の手術室での経験や学び、自分の看護師としてのキャリアが否定されたかのようで、虚しくなっていた。
市立病院(地方公務員)なので一般教養の筆記試験や内田クレペリン検査もあり、そのあたりが・・・・・だったのかなとも思ったがわからない。

そんな、傷心のまま精神科病院の面接を受けた。
面接が終わり病院の正面玄関を出たところで、家族の迎えを待っていた。
その時、50代か60代のおじさんが声をかけてきた。
「あんたに、これをやる」としょっと小さいサイズののし袋をくれた。
そのままおじさんは離れて行った。
のし袋には切符が入っていた。

幸福行きの切符

昭和49年発行の幸福行きの切符、この写真は今も私が大切に持っているもの
昭和の人なら知っていると思う。懐かしい。
見も知らずの人からもらった切符は、見知らぬ土地で、採用試験に落ちて
沈んでいた私に「幸せになるんだよ」というメッセージをくれた。

そう、誰もみな幸せになるため生きてる・・・

この地で生きていこう、精神科病院で働いてみようというエネルギーが
体の中から湧いてきた瞬間だった。

見も知らずのおじさんへ、雪の日の私より
「切符のメッセージをありがとうございます。生きるエネルギーをもらいました。いろんなことがありましたが、生きて働いて、今55歳になりました。」

精神科でのことは、次につづく・・・


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