植物のおもしろ英語名 2
植物のおもしろい英語名をご紹介する記事の続きです。
前回の記事はこちら。
ナズナ
Shepherd's purse
羊飼いの財布の意味。
ハート型の果実を、昔の羊飼いたちが使っていた財布の形に見立てた名前です。一体どんな財布を使っていたのでしょうね。
ドクダミ
fish mint, fish wort, (chinese) lizard tail
独特の香りから、魚(fish)に由来する名前が複数みられます。
ミント(mint)は旺盛な繁殖力に由来。wortは草。
lizard tailはトカゲのしっぽ。房状の花穂と果実の形状をトカゲのしっぽに見立てたものですが、正直似ている気がしません‥。
他にも、葉の色や形からrainbow plant、chameleon plant、heartleafといった呼称があるそうです。
学名はHouttuynia cordata
Houttuyniaは18世紀のオランダの博物学者ホッタイン(Maarten Houttuyn)にちなみます。
cordataは心臓の形、すなわちハート形を意味します。
ドクダミとは関係ありませんが、cordが含まれる単語に一部、語源の意味が残っています。
record=ふたたび(re)+心(cord)で「記録する」。
accord=方向性を示すad+心(cord)で「一致する」。
ハコベ
chickweed
鶏が食べる草に対する一般的な呼び名として、14世紀後半には既にchekwedeという単語が使われていたそうです。
そういえば、小さい頃に家で飼っていた十姉妹はハコベが好きでした。
ハキダメギク
shaggy soldier
毛むくじゃらの(shaggy)兵士(soldier)。
葉に毛が多く生えているからでしょうか。
他にもPeruvian daisy(ペルーのヒナギク)、hairy galinsoga(毛むくじゃらのコゴメギク)の呼称があります。
galinsogaは、スペインのマドリード王立植物園長を務めた18世紀の医師Mariano Martinez Galinsogaに由来します。
牧野富太郎博士が命名したハキダメギクといい、日英で不遇な名前をつけられているこの植物の花言葉は「不屈の精神」。
クズ
arrowroot
矢(arrow)の根(root)という名前は、南米の先住民アラワク族の言葉"aru-root"が転訛したとされ、クズの根が毒矢の解毒に使われていたことに由来するそうです。
解熱発汗、整腸作用を持つ葛根ですが、どんな矢毒に効いたのでしょうか。