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10 看護師さん

入院中、看護師さんは
母へも、私へもとても丁寧に接してくれた。

全脳照射の治療が終わった後は
自宅で過ごすと決めていたため、

自宅での看護の際必要なこと、病院で行っていることを一つ一つレクチャーしてくれた。

・尿の捨て方
・着替えの仕方
・褥瘡(床ずれ)を防ぐための圧抜き
・クッションの位置
・食事や薬の提供方法
など…入浴のお手伝いもさせてもらった。

質問をすればしっかりと答えてくれ、
着替え方については動画を取ったほうがいいかもしれないと提案してくれた。

母が摂る食事についての不安を吐露すると
「食べたいもの食べて、無理せず、そして気負わないで大丈夫だからね」と励ましの言葉をくれた。


私が面会にいない間も
母は看護師さんたちと何やら色々な話をしていたらしい。

「夜勤の方が、恋愛相談してきてさ〜」
「○○さんはラーメンが好きみたい」

病院にいる間も様々な人とお喋りができて良かったなと安心した。

看護師さんたちにむけて、母は
「孫(姉の子)が2月に生まれるんだけど、もう見れないなぁ」
とお話しをしていたという。

余命僅かということを知っている看護師さん方は、静かに黙ってしまう方が大半だったらしい。

しかし、一人だけ

「みましょう!お孫さん、みましょう!」

と、力強く返してくれたという。
母は嬉しそうにその時の話をしてくれた。


言葉は偉大だ。
そのときの言葉は確かに母を元気づけた。


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