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【質問編01】活舌が悪いので歌唱力を上げたいです(アバターアプリ ライバーさん)


活舌が悪いので歌唱力を上げたいです

今回は、顔出しの無いアバターと呼ばれる3Dのキャラクターで活躍されている、ある配信者の方からご質問を頂きました
歌唱力を上げたいという事なのですが、当然ながら総合的な事を考えると
恐らく活舌以外にも原因はあると思います
ですので、今回は活舌の改善を含めた歌唱力の向上のテクニックをご紹介していきたいと思います

歌唱力を上げる為に必要な要素

歌唱力を上げる方法はいくつかの要素がありますが
今回のお悩みを改善するために大きく分けて3つに分類してみました
①正しいブレス
②正しい呼吸法
③正しい発声

これらについてお話させて頂きます。
合わせて細かい部分は私が書いた過去の記事のリンクも付けさせて頂きますので必要に応じてチェックして頂けると更に細かい所まで改善できると思います

①正しいブレス

歌を歌う為には息を取り入れなければなりません、呼吸法が不十分だと次のフレーズが歌えませんし、歌詞が分断されて伝わらない歌声になってしまいます。ですのでブレスをする上で大切なことは
"適切な場所""適切な方法"で息を取り入れてあげる必要があります
では"適切な場所"で"適切な方法"とはなんでしょう

・適切な場所や方法とは

私は、ブレスポイントと呼んでいますが具体的には以下になります
これは産業技術科学研究所と筑波大学が共同研究した論文で書かれている事なのですが
1.音声学において
【自然な区切りの箇所、とりわけ句読点(、。)の挿入部分に入れる】
2.歌唱において
【フレーズの境界】(メロディーや歌詞がひと段落するところ)

この2つを意識してブレスポイントを入れる事で、リズム感や間の取り方が
分かり結果的に歌唱評価が上がります
その上で2つの要素をもとに、ブレスポイント見つけるために、私がやって頂いているのは、次の方法です

1.歌をアカペラで良いので軽く歌っていきましょう
2.途中”無意識”に息を吸った部分を”意識的”に『v』と印をつけていきます
3.印をつけた所が歌詞を分断していないか、フレーズが落ち着く所か軽く歌いながらチェックしていきます、その都度変更しながら調整していきます
4.はじめはこの歌詞を見ながら慣れるまで意識的に、息を入れていきます
5.慣れてきたら歌詞を見ないで歌ってみましょう

もっと知りたい方はこちら
【歌い手編1】ブレスのタイミングがわからない
参考文献:[1]無伴奏歌唱におけるブレスの音声特性とそれに基づく自動ブレス検出

②正しい呼吸法とは

人間は無意識の状態で脱力して何時間でもしゃべる事が出来ます、しかし歌になると数曲で声が枯れてしまう人もいます。正しいブレスはこの会話時の無意識の脱力状態を意識します。始めは意識的にブレス練習をしてあげる必要があります
最も意識して頂きたいのは、今現在呼吸している息の取り入れ方と声の出し方です。普通にお話している状態では何分でも話していられますが歌になると数曲で喉が枯れてしまう方には、次にお話する脱力と自然な呼吸法をお勧めしています。
1.その場で上半身を倒しながら身体の息を全て吐き切ってください
2.吐き切ったらそのまま上半身を元の姿勢に戻して見てください

息を吸うという感覚よりも自然に息が入ったのではないでしょうか
人間は息を吐けば自然に新しい息が入るので、正しいブレスは息を吸う事ではなく吐く事を特に重視します

もっと知りたい方はこちら
【歌い手編2】正しいブレスの方法がわからない

③正しい発声とは

活舌に関しては、今回私よりもプロの声優さんを今回(2023年10月29日実施)
インスタライブにお呼びしましたので、彼にお話頂きたいと思いますが
私からは正しい活舌で発生する為に大切なことをお話させて頂きます
それは"体を共鳴させる意識を持つ"ことから始まります
無意識のチカラは凄く、例えば腕の筋肉は意識的に動かせますが、喉の奥の筋肉は体が意図的に動かすことができません、1秒間に喉の筋肉や声帯を何百回振動させて「ド」の音を出してくださいなんてできるものではありませんが、ピアノのを弾いて合わせようとすると体が「ド」の音を意識的に合わせるようになります(この表現はベルカント唱法の教則本に載っています)
※ベルカント唱法は小柄な日本人に合わせたドイツで編み出された歌唱法です

正しい発声は意識の問題だなんて怪しい事を言い始めたと思った人もいると思いますので、活舌で悩んでいる方は次の方法を"意識的に"試してみて下さいw
日本語は母音と子音から成り立ちます
が、その根本は母音の『アイウエオ』です。この発音ができて初めて、子音をのせて日本語として意味が成り立ちます、正しい発音をする事で適切な歌詞の内容を伝えられる様になります

歌唱時に滑舌が不明瞭な為、例えば『ま』と出す時に母音と子音の『ま』と『あ』が分離されて不協和音を奏でている人もいます。このタイプには他には『ま』の『m』の発声始めが遅れて、結果本来よりも下の音程から歌い始める人もいます。問題はこれらを意識した発声では無く無意識にやっていることにあります。歌声は出しながら調整するのではなく声を作ってから発声する事が必要です。

・解決練習法

・まずはピアノで1音ドの音程で『アエイオウ』の発声をします。この時にしっかりと口の形を意識して母音の感覚を持ちます。
・次にド#で『カケキコク』の発声をします、この時の意識は母音を発声しつつも言葉を1音の意識で出すことが大切です。例えば『か』、『K』と『A』をばらす事なく『KA』の意識でまっすぐ伸ばします。この時に発声初めを弱々しく行うのではなく声を作ってから発声する事が大切です
・この調子でレの音程で『サセシソス』とワ行まで音程をあげてみましょう。

最後に…

ピアノやギターが共鳴するのはなぜだと思いますか?
もちろん色々な答えはありますが、私はここでは中が空洞だからと簡単に答える事にしています、これを人の体に例えてみるとリラックス時に同じことが起こります。その楽器のボディーに手を当てたらどうでしょう、異物が入っていたらどうでしょう、穴が開いていたらどうでしょう、本来の音色は損なわれていきます。
私は歌を生徒さんへ教える際には歌を歌唱するために大切なことは
「自分自身が楽器だと、どんな楽器なのか改めて意識する事、知る事」
だと言っています、バイオリンはコントラバスにはなれません。ぼろぼろの穴の開いた楽器には共鳴する音が鳴りません。聴き手に届ける際に自身の楽器がどんな状態なのかを常日頃からメンテナンスする必要があります。

この自分自身がどんな楽器かという事を見誤ってしまうと
高音至上主義になったりしてしまい、喉を壊し、聴き手に不快感を与え
本来抱いていた夢や理想を叶える姿が逆に自分自身の首を絞めつけていることにつながっていく事さえあります
このメンテナンスを通じて、技術だけじゃない心の成長も伴った楽器になっていくと確信しています。これが私が考えるボイストレーニングであり、前の段階のプレボイストレーニングだと確信しています。
ただ歌唱できるのではなく、心の成長も伴った歌い手へなってみませんか?
何か気になる事があれば、無料で個別に相談に乗らせて頂きますのでお気軽にご連絡頂けたら嬉しいです
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