半年間のベスト3
あっというまに今年も半分が終わろうとしている。
緊急事態宣言が2度も発令され、美術館が休館したり開館時間が短くなったりと、なかなか行きたい展示に行くことができなった。それでも今年に入って15もの展示に出かけていた。
その15もの展示の中から、私の心に響いた展覧会ベスト3を発表したいです
まずは ベスト3
船越桂 『私の中にある泉』 松濤美術館
松濤美術館は、繁華街から少し離れた渋谷区の高級住宅地、松濤にある区民美術館。建物も素敵なのだが、ここの良いところは入場料が安いのにどっしりしっかりとした企画展が行われているところだ。
そして渋谷区民はなんと金曜は無料で入れるとのこと。
この日もなんと500円だった!感動!
船越桂さん
日本を代表するであろう有名な彫刻家さんなので、名前はここ数年で存じていたが、拝見するのは初めて。
船越さんは一貫して人間の姿を木彫により作り出すことにこだわっていて、自分と徹底的に向き合って作品を生み出す。それを「自分の中の水の底に潜ってみないと分からない」と表現する、そこでこのタイトルがついたそうだ
彫刻には、あまり縁がなく、知識が少ないので、わかるかな、難しいかなと思っていたが、しっかりとしたキャプションがあってわかりやすく勉強になった
近年はその人物像から異形と呼ばれる、両性具有のスフィンクス(文章にすると???だがw)を作っている。その顔はワンピース(漫画)に出てきそうな感じのものもあったが、神秘的でとてもやわらかく、ずっと見ていても飽きない、不思議で優しい、気持ちが浄化されるような、そんな素敵な木彫だった。
宙を見るような、何をうつし出そうとしているのかと考えてしまうほど、不思議な力がありそうな目は大理石でできていた。自然でできているものは美しいな。
わたしは『山シリーズ』という、人の首から下が『山』になっている作品(こちらも文章にすると???だけどもw)にときめきが止まらず。素敵すぎてドキドキ。
今回ポスターやチラシでメインになっている『水に映る月蝕』
こちらもとても素敵だった。その見たままで母性というか地球を感じた
表情がなんとも言えないのだけど、彩色も木目の良さを残しながらほんとに良い色がのっているので、見ていて怖いくらい穏やかな気持ちになっていくのが心地よかった
船越桂さんはキリスト教を信仰していて、それもこの神秘的な表現に関係しているのかなと思った。
船越さんのふたりのお子さんのために作った木彫りのおもちゃも、とてもかわいくて、おもちゃだけを集めた本がとても素敵で欲しくなった『おもちゃのいいわけ』
一人1時間ほどの鑑賞時間になっていたため、長居ができなくて残念だったけど、またどこかで作品を見られる機会があれば、と再会できる楽しみが増えた。
当たり前にあるものを気づかせるためにあえて人間とは少し違うものを作ると、なんで違うのか、どこが違うのかを考えるから、とおっしゃっている船越さんのインタビューを読んだ。
世界中で起きている争いごとや悲しいできごとはだいたいは「自分と違うこと」が原因で起きていると思う。違って当たり前なことを、認識する。認める。簡単なようでとても難しい。そんな気持ちを表現しているんだな、と思って優しいなと思った。
これが、わたしのベスト3
船越桂さんの展示でした。
ベスト3にのせる絵を描いてなかったので、いつも持ち歩いているマイメンGRIII君で撮ったものをのせます。