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ブルガリア医学部に進んでよかったこと

ブルガリアの医療、こと、私の進学した大学の医療は日本と比較して遅れている事は以前記事としてお話ししました。

10年前は最先端医療なんて学べるような状況ではありませんでした。
(なぜか産婦人科病棟に手術ロボットダヴィンチがあったけど…)

これから医学部留学を考えている人達は、ショックを受けるかもしれません。

医学部に簡単に入学できる以外に、プレヴェンという田舎町の医学部に通うメリットってあるのだろか?

学生ではなく医師としての視点で良かった事を挙げてみようと思います。


1. 医学を英語で学んだこと

最先端の知識を得るなら英語論文を読むべきです。

医学英語を6年間ですでに学び、大量の医学知識を英語で記憶する事に慣れているので、英語論文を読む事が苦になりません。

英語論文を書くハードルも他の同期と比べてかなり低かったです。

ありがたいことに、海外誌に症例報告を載せてもらったり、英語で学会発表する事もあまり苦痛ではありません。


2. 徹底的に診断学を叩き込まれた

私の通っていた大学は、2年後期から病棟実習が始まります(日本の場合は4年後期から)。

病棟実習では、指導医が生徒ひとりひとりに患者を割り振ってくださり、患者さんのベッドサイドでブルガリア語で問診をして、その後身体診察をさせていただき、問診と身体所見を元に、指導医に患者さんの病名を伝え、他の患者を担当したグループメートを含め、指導医とグループメートとディスカッションを行います。

それを4年間何度も繰り返しました。

もちろん指導医はベッドサイドまでついてきません。

検査バリエーションが少ない分、問診と身体診察の仕方を徹底的に指導されました。

初期研修医でラウンドした総合診療科で、診断能力を高く評価していただいた事は、ブルガリア医学部卒である事を引け目に感じていた私にとって少なからず自信になり、プレヴェン大学の先生方に大変感謝しています。

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