見出し画像

地域づくりで大切にしていることの話

先日、フードスコーレの「地域の見方クラス」を受講してくれた方から地元でも講演してほしいということでワークショップを行わせていただいた。

https://foodskole.com/

画像1

以前から親交のあった方だが、地域づくりへの姿勢についてお互いに飲んでいる席で話すばかりだったので、これはいい機会だと思いフードスコーレで話したことの概略版でよければと受けさせていただくことになった。

私が多くの地域に携わり、地域づくりをするときに大切にしていることがいくつかあるのだが、その最も大切なのが「理想達成型地域づくり」ということだ。

画像2

地域づくりのお手伝いに行った際、どの地域でも課題から解決策を導こうとするところはとても多い。

例えば、「公園を整備しましょう、皆さんの意見を聞かせてください。」というワークショップでも、「皆さんが参加して景観をつくりあげる地域づくりをしたいのでワークショップで意見を聞かせてください」というところでも、必ず最初に出る意見は「これに困っている」という話である。管理が行き届いてなくて荒れる、獣害があり困る、人がいなくて困る、などなど
参加者にしてみれば、困っているから、解決したいから参加しているわけでごく当たり前な思考回路かなと思う。

画像3

しかしだ、これではいつまでたっても地域は活性しないのではないかと最近思ってきた(私以外の他の人は全員これにすでに気づいていた可能性もあるが)。前はまず課題を聞いて、それにあわせてコンセプトやゾーニング、計画案を作ってということを考えていた。「課題解決型地域づくり」だ。身近な問題を解決したほうが達成感が得られやすいからだ。行政的にもわかりやすく、住民の満足度を上げることができる手法だ。

地域づくりで最も大切なこと、それは継続することだ。次世代に引き継ぎ、関わる人が代替わりすること、これは本当に難しい。強制的な縛りがない限り、いや、あってもこれを維持することが本当に難しい。この継続性を考えたときに課題解決型の地域づくりばかりをしていると、しりすぼみになりがちだ。解決したときは盛り上がるがその後が続かない。

人間でいうと薬みたいなものだ、その時は症状が良くなるので「効いたな!」と解決したような気持になるが、結局は体を整えて病気に強い体づくりを目指したほうがいいのではないだろうか。地域づくりにおいても同じようなことが言えると思う。

画像4

地域づくりにおいては、さらに誰かが「この薬は効いたぞ!」といえばすぐにその薬に手を出そうとするのもよくないなと感じている。ゆるキャラやご当地グルメなど、手法としては素晴らしいし私も楽しんでいるが、それが根本的な解決策の一つだと思うのは危険だ。あの地域で成功したからうちの地域でもというのはなんとなく良くないような気がしませんか? でもすぐそういうのに手を出しがちなのだ。

この原因についてはいろいろあるので、また次の機会があれば書くとするが、私はこの一番の原因は「どのような地域にしたいか」十分に考えたり、「どのような地域になってほしいか」伝えることが不足しているからではないかなと思う。つまり、理想や理念がない。そのためわかりやすい目標や課題の解決に優先順位がなくバラバラに見え、しりすぼみの活動になってしまうからだ。逆に理念や理想がある地域は、行動に一貫性があり、これはうちの地域にはあわないなと思えばどんなに世の中で流行っていても手を出さない。多くの地域の計画を手伝っていて、こういう地域を見ると目指すべき目標は継続されやすく、多くの人がかかわるきっかけにもなっているなと感じる。

画像5

さて、今回講演させていただいた岩手県一関市では「地域ブランドづくり」というタイトルで話をさせていただいた。この時も大切にしたのは「ターゲット」「コンセプト」「見せ方」というテクニック的な話ではなく、「地域ブランドとは何か」「なぜあなたは地域ブランドを作りたいと思ったのか」「それによって何を達成したいのか」ということだ。ここをとことん一緒に考えてもらい、分類し、論理的に組み立てることはとても大切な最初の一歩だ。地域には産業、文化、人、生き物、環境など様々な要素が複雑なレイヤーで重なり合っているので、これらを考慮する必要があるし、それが大きな武器になると思うからだ。

これらを分類しながら組み立てて考えるために、以前フードスコーレで使用したアクションカードの前段階である簡易版を作成しワークショップを行った。このコロナ禍ということもあり、オンラインで短い時間ではあったが、参加者の皆さんのワークシートを見ると皆さんが大切にしたい思いや、なぜブランドを作りたいのかがよくわかった。参加してくれた皆さん、企画してくれたいちのせきニューツーリズム協議会の皆さん本当にありがとうございました。

画像6

また、ライターの地主恵亮さんに参加してもらっていたのだが、最後の質疑応答で「自分が達成したいことに要素を足すのは簡単で、いくらでも追加できてしまう、それをいかに引き算し人に伝わりやすいものにするかが大切である。また、その時に必ず言語化しそれを残しておくことで、自分が何を大切にしていたのかどう考えていたのか振り返ることができる」というようなことを話してくれた。とても重要なことだ。

今その言葉を思い出しながら、このnoteを書いているわけだが、ごちゃごちゃと長ったらしく書いてしまったな、これ絶対怒られるやつだな、と思っている。アフリカゾウの話を3回くらい入れるかと思ったけどそこは思い切ってバッサリカットした。でももっと次からはこれを3行くらいで書けるようにがんばります。はい。

画像7


この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
note.user.nickname || note.user.urlname

よろしければサポートお願いします。でも、よく考えて、本当にサポートするか。でも本当にサポートしてくれたら嬉しいです。

いつもありがとうございます。
10
地域や食にまつわる授業やその他地域でのワークショップなど地域のあれこれをだんどりするのが得意なファシリテーターです。食や農・地域・暮らしについて、私が日々思う様々なことを適当に書きます。合同会社流域共創研究所だんどり(http://dan-dori.jp)のスタッフです。