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スクラムマスターという片道切符

こんにちは、河口です。
atama plusというAI×教育のスタートアップでスクラムマスターをしています。今回から本格的にnoteの投稿を始めていきます。

なぜ書くのか?

スクラムマスターの視点で書かれた実際のアジャイル現場の記事が少ないなと感じたことがきっかけです。今後、このアカウントでは「atama plusの開発組織の変遷」「アジャイルプラクティスの活用例」など、atama plusのアジャイル開発のリアルをお届けしていきたいと思います。
今回は私自身がスクラムマスターとして活動している中で感じたことや考えたことについて書いていきます。

そもそもatama plusってどんな会社?

atama plusは「教育に、人に、社会に、次の可能性を。」をMissionに掲げ、一人ひとりの学習を最適化するAI先生「atama+」を全国の塾・予備校に提供している会社です。
「3分でわかるatama plus」というスライドがあるのでご覧ください。

スクラムマスターの葛藤

2020年1月にスクラムマスターになってから、色々なアジャイル界隈の人たちと出会いました。

そこでよく聞くのは、「約数ヶ月前までスクラムマスターをしていました。」という話し。「なぜスクラムマスターではなくなったのですか?」と尋ねると、その大半が「会社の開発リソースが足りず、スクラムマスターよりも開発の優先度が高くなったから。」というケースでした。また「現在はスクラムマスターを置いているのですか?」という問いに対して、「今は忙しくて置いていません。」というパターンも多かったです。

こういった話を何度か聞くうちに、非常に複雑な気持ちになり、スクラムマスターの価値について2つの意味で考えさせられました。1点目は会社側がスクラム開発におけるスクラムマスターをどう考えているかという点。2点目はそのスクラムマスター自身がどういう価値を発揮していくかという点です。

1点目については、会社全体・組織全体へスクラム開発の有用性をきちんと理解してもらい浸透させていくのもスクラムマスターの大切な役割の一つなのだと思います。また2点目は、1点目の役割をこなしつつも、スクラムチームに対してスクラムマスターが提供する価値を、短期的なものではなく、中長期的に効果が高いものにしていくことが重要であると感じました。

atama plusとしてスクラムマスターを置くというのは、持続可能な開発組織を作るためにも非常に健全な状態であると思いますし、またスクラムマスターを置く余裕がなくなるというのも何かの危険信号なのかもしれません。一方で、少し先にある目に見えづらいバリューを出し続けていくこともスクラムマスターの難易度の高いミッションであると感じています。

スクラムマスターとして、価値を提供し続けられれば「開発の方が優先度が高いから」となったとしても、スクラムマスターでなくなることはないのではないか?と思うと同時に、今の私にそれができているのか振り返るきっかけにもなりました。

スクラムマスターという片道切符

スクラムマスターの方に今後どういうキャリアを歩みたいかを聞いてみると、「エンジニアに軸足を置いたスクラムマスターでいたい」という人もたくさんいらっしゃいます。

ちなみに私はというと、エンジニアでもデザイナーでもなく、もともとはビジネスサイドの人間です。前職でプロジェクトマネージャーを担った経験があるため、エンジニアやUXデザイナーと日常会話でシステムの話ができる程度にリテラシーはあるのですが、自身でデザインもできなければコードを書くこともできません。

私が出会ったスクラムマスターのほとんどが、エンジニアやデザイナー出身のため「いつかはエンジニア/デザイナーに戻ることが可能」というスキルセットは私にとっては非常に羨ましいものでした。

「atama plusにおいて、もしスクラムマスターが廃止されたら私は次に何になるのか・・・。」

エンジニアやUXデザイナーとしてのスキルがない、つまり、次に行く先がないことに気づいたある日、すごく不安に陥りました。
私は稀有な境遇からビジネスサイド・プロダクトオーナーを経てスクラムマスターになったのですが、その歩みが「片道切符」であることに気づいたのです。「プロダクトオーナーに戻ればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、社内には既に私よりも素晴らしいプロダクトオーナーがいるのでプロダクトオーナーに戻ることはないと思います。(もちろんスクラムチームにおいて複数のプロダクトオーナーは不要なので。)

atama plusはスタートアップです。どんどん人が増えて組織も変化していきます。私もそんな大きな変化のなかでスクラムマスターとして歩みはじめました。二度と無いであろう環境の中で私がスクラムマスターとしてどういうバリューを発揮するのか、atama plusのアジャイル開発がどのように進化していくのか、ぜひアジャイル界隈の人たちに見守ってほしいな、と思います。笑

もしこのnoteを読んでいるスクラムマスターの方がいれば、ぜひその時の私の状況を確認してみてください。まだスクラムマスターをやっているのか、スクラムマスターという片道切符を手にした私がどういう活動をしているのか。乞うご期待です!笑

最後に

「スクラムマスターという片道切符?なにそれ?」というタイトルでしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

atama plusというスタートアップで変わった境遇からスクラムマスターになった私には、もしかすると他の方とは違う目線で情報発信できるのでは?と思ってるので、これからどんどんatama plusの考えるアジャイル開発について情報を発信していきたいと思っています。

atama plusはミッション実現のためにメンバーが集まっている会社で、アジャイル開発はミッション実現の大事な手段です。もしよろしければミッション実現のために一緒にトライしませんか?


(2020/07/06 追記)
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